初心者でも簡単!エビの種類や飼育方法は?繁殖のやり方や水槽の選び方は?
エビは、ペットとして飼育することもでき、水槽やビオトープなどで育てる人が増えてます。熱帯魚に比べるとデリケートな面がありますが、コツを掴めば初心者の方でも飼育は可能です。
今回は、エビの種類や飼育の際の注意点、繁殖方法などについてご紹介します。
目次
エビとは?
エビとは、節足動物門・甲殻亜門・軟甲綱・十脚目(エビ目)のうちカニ下目とヤドカリ下目を除く種の総称を指します。頭胸部と腹部に分かれ、触覚があり、体が殻に覆われているのが特徴的です。また、3対の顎脚、5対の歩脚などがあり、種類によってはザリガニのように顎脚や歩脚の先がハサミのような形状をしています。
エビには様々な種類があり、遊泳するタイプと歩行するタイプがあります。エビは親とは異なる幼生と呼ばれる姿で孵化し、脱皮を繰り返してエビの形態に成長しますが、種類によってはエビに近い形態で生まれます。
川から海まで幅広い水域に生息し、藻類や水草、貝類、魚の餌の食べ残しや寄生虫などを食べて生活しています。寿命は種類によって異なり、1年~3年程度や5年程度の品種もあれば、イセエビのように30年ほど生きる種類、ロブスターのように100年ほど生きる種類もあります。
エビは食用や魚類の餌に利用されることが多いですが、観賞用としても親しまれています。
淡水エビと海水エビの違いには?
エビには大きく分けて淡水エビと海水エビの2種があり、主に次のような違いがあります。
淡水エビ
河川や沼などの淡水域や、河口などの汽水域に生息するエビのこと。代表的な種類はテナガエビ類、ヌマエビ類、スジエビ、カワエビ、ザリガニ、アメリカザリガニなどがいます。
- ペットしての人気が高く、流通数が多い。
- 品種が沢山あり、体色などのバリエーションも豊富である。
- 人気があるのはヤマトヌマエビやミナミヌマエビ、レットビーシュリンプなど。
- 比較的容易に繁殖できる。
- 水質に敏感な品種がある。
海水エビ
海水域に生息するエビのことで、浅瀬から深海まで様々な種類が生息している。主な種類はクルマエビ、オトヒメエビ、イセエビ、ロブスター、サクラエビなどがいます。
- 海水での飼育にコツを要するためか、飼育用品種の流通数はあまり多くない。
- カラフルでユニークな外見をしていることが多い。
- 人気があるのはホワイトソックスやキャメルシュリンプ、フリソデエビなど。
- 飼育下での繁殖は難しい。
- 水温や水質に敏感。
淡水エビと海水エビの違いをご紹介しましたが、双方に共通しているのは、性格が穏やかで、熱帯魚のタンクメイトにも適している品種が多いことです。また、魚の食べ残しを食べてくれる品種や、水槽に発生したコケや藻を食べてくれる品種もあるため、水槽の掃除役として飼育することもおすすめですよ。
エビの飼育は簡単?初心者でも飼える?
エビは熱帯魚などに比べると繊細な面があり、水温や水質の変化の影響を受けやすい傾向がありますが、コツを掴めば初心者の方でも飼育は可能です。水槽に入れる際は魚よりも慎重に水合わせを行い、水温や水質が急激に変化しないよう水質管理を徹底することがポイントです。また、海水水槽は水質の管理がしにくいため、初心者の方は淡水エビの飼育からスタートすることをおすすめします。
飼育できるエビの種類は?それぞれの生態は?
レッドビーシュリンプ
画像元:楽天市場
フリソデエビ
ホワイトソックス
画像元:楽天市場
オトヒメエビ
ロックシュリンプ
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ミナミヌマエビ
ヤマトヌマエビ
レッドチェリーシュリンプ
画像元:チャーム
キャメルシュリンプ
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ホワイトグローブシュリンプ
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シャドーシュリンプ
画像元:楽天市場
アカシマシラヒゲエビ(スカンクシュリンプ)
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極火蝦(レッドファイヤーシュリンプ)
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ルリーシュリンプ
画像元:楽天市場
エビの飼育で気を付けるべき8つのルールや注意点
1.底砂にソイル・サンゴ砂を使用する
エビの飼育には、水質が安定しやすいソイルやサンゴ砂が適しているといわれています。淡水エビにはソイルを、海水エビにはサンゴ砂を使用しましょう。
2.水草・海藻を入れる
水草や海藻はエビの隠れ家や脱皮する場所になり、エビが落ち着きやすくなる効果もあります。岩や流木などを入れて水槽内を自然の景観に近づけるのもおすすめです。
3.色揚げ用の餌を与える
種類にもよりますが、エビは加齢や環境によって体表の色が薄くなる傾向があります。色落ちが気になる品種には色揚げ用の餌を与え、体色を維持しましょう。
4.水質の変化に注意する
エビは、一部の種類を除いて水質の変化に敏感といわれています。初めて水槽に入れる際は水合わせを丁寧に行い、飼育中も水質の変化や悪化などに注意して管理しましょう。
5.高温に注意する
エビは高温に弱い傾向があり、弱ったり病気の原因になったりすることもあります。特に夏場は水温が上昇しやすくなりますので温度管理に注意が必要です。
6.無農薬の水草を使用する
エビの水槽には無農薬の水草を入れましょう。エビは種類を通じて薬品に弱いため、農薬が使用された水草を導入すると体調を崩したり、最悪の場合、死んでしまう可能性もあります。
7.塩浴・薬浴させない
魚などに病気が見つかった際、塩浴や薬浴が手当て法に挙げられることがありますが、エビは水質の変化や薬品に弱いため、水温水質の改善や水換えなどで対応するようにしましょう。熱帯魚などが病気にかかってしまった際は別容器に移して手当てしてください。なお、薬浴に使用した水槽をそのまま使用するとエビが体調を崩すことがありますので注意しましょう。
8.殺虫剤に注意する
エビは、バルサンやキンチョールなど家庭用殺虫剤の影響を受けることもありますので注意が必要です。
エビがかかりやすい5つの病気!予防法や対策法は?
エビがかかりやすい病気には次のようなものがあります。予防や対策法を把握し、できるだけ病気にならないよう普段から注意して飼育しましょう。
1.白濁・黄濁
体色や腹節などが白色や黄白色に濁る病気で、淡水エビによく見られます。高温や水質変化、外部からの感染などが原因で起こりやすいといわれています。
予防法は、日頃から水温上昇や水質の悪化に注意し、病気を確認したら水換えを行って飼育水の状態を整えましょう。この病気になると3日ほどで死んでしまうこともありますが、体色が変化したまま生存する個体もいます。
2.水カビ病
体表に白いカビが付着する病気で、淡水エビにかかりやすい傾向があります。傷などから水カビ菌が入り込むことで感染します。
予防法は、水カビ菌が増える要因となる餌の食べ残しなどを蓄積させないよう注意し、定期的に水換えなどを行って飼育水を清潔に保つことが重要です。水カビ病にかかってしまったら、薬浴は行わず水換えをして水質を改善しましょう。
3.脱皮不全
脱皮が途中でストップしてしまう症状で、淡水エビ・海水エビ共に起こることがあります。原因としてはミネラルやカルシウム・タンパク質などの不足、脱皮中のトラブルや水質の悪化などが考えられます。
予防法は、栄養が不足しないよう、栄養価の高い餌を与えましょう。水質が悪化しないよう水換えや掃除などを定期的に行うことも重要です。
4.寄生虫
内蔵にネクタリン寄生虫が寄生する病気で、体からオレンジ色の粒のような物体が透けて見えるようになります。淡水エビの一部がかかりやすく、外部で寄生されるケースが多いです。
対策法は、ネクタリン寄生虫は駆除が難しいのですが、エビ自体には悪影響が見られないことが多いため、感染した個体を隔離して様子を見ましょう。
5.異常動作
水底などでじっとして、脚のみを動かすようになります。淡水エビに起こりやすい傾向があり、原因は水質の変化などといわれていますが、明確には分かっていません。
予防法は、飼育水の状態が悪化しないよう、定期的に水換えなどを行って水槽を清潔に保つことが重要です。このような動作をするエビを発見したら、水換えを行って水温水質を調整しましょう。
エビの繁殖のやり方は?適した水槽の大きさは?
種類にもよりますが、エビは飼育だけでなく繁殖を楽しむこともできます。
- エビの繁殖には60cm以上の水槽を使用しましょう。種類によっては強い水流を苦手としますので注意が必要です。また、隠れ家になるような水草をレイアウトし、エビが落ち着ける環境をつくることも重要です。
- 水槽にオスとメスのエビを投入します。種類にもよりますが、水温を20度~25程度に保って管理すれば自然に繁殖するといわれています。水質の変化を防ぐため、水換えをしないこともポイントです。また、稚エビはフィルターに吸い込まれることが多いため、生まれる前に吸い込み口を塞いでおきましょう。
- 稚エビが生まれたら、親エビの餌の食べ残しなどを与えて育成しましょう。また、稚エビは水質の急激な変化に適応できないことが多いため、水換えは控えることをおすすめします。
まとめ
エビといっても様々な種類があり、見た目や生態も多岐にわたります。それぞれのエビが落ち着ける環境を作ることで、飼育だけでなく繁殖もしやすくなりますよ。ここでご紹介した内容を参考にして、お好みのエビを育ててみてくださいね。