アクアリウムとは?水槽の立ち上げ方やレイアウトの考え方は?飼育できる魚の種類は?
熱帯魚や水草がたゆたう水中世界を再現したアクアリウム。アクアリウムは身近な趣味の一つとして親しまれていますが、最近ではリラックス効果やセラピー効果などが期待できるとして改めて注目を集めています。
このページでは、初心者の人にもわかりやすく順を追ったアクアリウムの立ち上げ方やレイアウト方法、水換えや病気の管理まで紹介していきます。また、アクアリウムの基礎知識、必要な道具・餌・飼育できる生態なども解説していますので、是非最後までご覧下さい。
目次
アクアリウムとは
アクアリウムとは「水生生物を育成する施設や設備・環境」のことを指し、その概念は水族館のような大きな施設から個人で楽しむ水槽やボトルアクアリウムまでに及ぶといわれています。日本では上記のほか、主に観賞のために熱帯魚や水草を育成すること、もしくは育成のための水槽環境を意味する言葉として定着しています。
アクアリウムの語源
アクアリウムの語源は諸説ありますが、有力なのは19世紀にイギリスの博物学者フィリップ・ヘンリー・ゴスが提案したアクアリウムという用語(「aqua(水の)」と「Vivarium (動植物の生息環境を人工的に再現して育成すること)」を結合させた)だとされています。古代ローマのポンペイ遺跡から見つかった「アクアリオ(魚を飼育する場所・施設)」もアクアリウムの語源といわれていますが、どちらかというと水族館を指す言葉として知られています。
アクアリウムの歴史
アクアリウムの歴史は古代までさかのぼります。紀元前2500年頃のバビロニア文明時代には、シュメール人が池で食用の魚を飼っていた記録があります。紀元前1120年頃の中国・周ではコイが観賞用に飼育され、西暦79年頃にはローマ帝国のポンペイに魚を育成する施設があったとされています。西暦470年頃には中国で金魚の交配が始まり、陶器などの容器に入れて観賞していたと伝えられています。日本では江戸時代に金魚の飼育や品種改良、養殖などが行われるようになったといわれています。
17世紀:ヨーロッパで熱帯魚ブーム
水槽設備の開発が進んだのは17世紀頃。ピープスによるパラダイスフィッシュ飼育の紹介や、ルナールの著書「魚、エビ、カニの彩色図鑑」などの影響でヨーロッパに熱帯魚ブームが起こります。この時期からホームアクアリウムのニーズや水槽設備の研究・発達が進んでいきました。18世紀には水生生物をガラス容器の中で飼育する例がみられるようになります。
1830年:海洋生物搬送技術の考案
1830年頃、生物学者ポウェルによって海洋生物を生きたまま運搬する装置「ポウェル式ケージ」が考案されます。1849年には水生生物と水生植物を入れる「ウォリントン・ケース」が作られ、水生生物を入れるケースは「アクアティック・ヴィヴァリウム」と呼ばれていました。
1851年:ロンドン万博にてガラス水槽が出展
1851年のロンドン万国博覧会にて、フレーム付きガラスを使用した水槽が出展されます。この水槽は1830年頃に園芸用に考案されたウォーディアン・ケースを改造したものでした。イギリスでは熱帯魚がポピュラーになり、アクアリウムという言葉もこの時期に誕生します。また、淡水派と海水派が発生したのもこの頃だといわれています。
第一次世界大戦後:電気の普及により大衆化
第一次世界大戦後、電気の普及によって水槽のろ過や酸素供給、照明などの設置が可能になります。また、空輸によって海外の珍しい魚が輸入される機会も増え、アクアリウムはより大衆化していきます。その後現在に至るまで趣味の一つとして定着するようになり、今や世界には6000万人ほどのアクアリウム愛好家(アクアリスト)がいるといわれています。
1980年:個人宅や商業施設に普及
熱帯魚観賞がポピュラーになるのは1980年代頃で、テレビドラマなどの影響によって個人宅や商業施設などを中心に普及するようになりました。需要の拡大とともに取り扱いメーカーの増加や水槽設備の発達などが促され、現在ではネット通販の普及もあって身近な趣味として親しまれています。水槽をレンタルする会社も増え、ビジネスの一つとしても注目されています。
アクアリウムを楽しむ上で知っておくべき基礎知識
アクアリウムを楽しむためには、魚や水草の育て方だけではなく生態系などについて知ることも重要です。少々小難しいかもしれませんが、これらの情報は生き物の生育にも深く関わっているため、アクアリウムを行う上での基礎知識として理解しておきましょう。
生態系を知る
生態系とは、生物が別の生物と関わり合いながら成り立っている自然環境のことを指します。生態系には①生産者(植物)、②消費者(動物)、③分解者(細菌類・微生物)、④無機的環境(太陽エネルギー、大気、水)の4つの構成要素があり、これらの要素の間では常にエネルギーや物質が移動・循環しています。具体的には、光合成を行って養分を作り出した植物を動物が利用・消費し、動物の排泄物や遺体を微生物が分解・無機化して植物が取り込むという物質循環が繰り返されています。アクアリウムでもこのような生態系を作ることが理想的ですが、完全な生態系のバランスを保つことは困難なため、実際は器具などを使用しながら生態系に近い状態を維持します。また、生態系の平衡は魚の死亡や水質の変化などによって乱れる恐れがありますが、水の量を多くすることによってそれらの影響を弱めることができるといわれています。なお、最近では器具などを極力使用せずに生態系を作る「バランスドアクアリウム」という考え方も注目されています。
窒素循環とは?
窒素循環とはアンモニアなどが無害化される過程のこと。アクアリウムでは、バクテリアによる分解と水換えによって窒素循環を再現するのが一般的です。アンモニアは魚や微生物の排泄物などから発生しますが、蓄積し過ぎると生体に悪影響を及ぼすため毒性の低い物質に分解する必要があります。この役割を担っているのがバクテリアで、アンモニアを毒性の弱い亜硝酸に分解し、亜硝酸をさらに毒性の弱い硝酸塩に分解してくれます。硝酸塩は水草によってある程度分解されますが、分解しきれず水槽水に蓄積することが多いため、最終的には換水を行って硝酸塩を減らす必要があります。
サイクリングについて
アンモニアなどの窒素廃棄物を分解するバクテリアを定着させる作業のこと。セットされたばかりのアクアリウムにはこれらのバクテリアが少ないため、人為的に増殖させる必要があります。サイクリングには主に以下のような方法があります。
パイロットフィッシュを用いる方法
丈夫な魚を導入し、その魚の排泄物などからアンモニアなどを発生させてバクテリアを定着しやすくする方法です。
フィッシュレスサイクリング方法
パイロットフィッシュを用いず、アンモニア水を入れてバクテリアの定着を促す方法です。生体の餌や食用魚の切り身を使用することもあります。
サイレントサイクリング方法
成長スピードの速い水草を導入し、バクテリアではなく水草によって窒素廃棄物を分解させる方法です。また、アクアリムでは窒素だけでなく、リン酸塩や水中に溶け込んでいる酸素(溶存酸素)、二酸化炭素などの循環も重要です。さらに、鉄や硫黄などが食物として魚に消費され排泄されるという循環も水槽内の栄養素サイクルの中に含まれます。なお、窒素循環が適切に行われることでほかの栄養素の循環も安定しやすいといわれています。
生物学的負荷とは?魚1インチについて1米ガロンの規則とは?
生物学的負荷とは水槽内の生態系にかかる負担の基準を指し、この負担が大きいとアクアリウム内の生態系バランスが崩れやすくなるといわれています。生物学的負荷の一例として水量と魚の関係が挙げられ、水の量に対して魚の数が多すぎる場合は酸欠などの事態を引き起こす恐れがあります。
このような負担を防止するために用いられているのが「魚1インチについて1米ガロンの規則」です。この規則は、魚1インチ(約2.5cm)あたり1ガロン(約4リットル)の水が必要であると定めたもので、アクアリウムの生態系を崩しにくくする目安の一つとして知られています。なお、排泄物の多い魚については魚1インチあたり2ガロン(約8リットル)の水を提供することが望ましいとされています。
環境
ここでご紹介する環境とは、主に水の状態や性質などを指します。水は熱帯魚や水草の住まいにもなるため、アクアリウムを始める際には必ず把握しておくようにしましょう。
汽水とは
塩分が微量に含まれた水のこと。塩分濃度は0.5% ~5%ほどで、淡水と海水が混ざった液体ともいわれます。自然界では、川が海に注いでいる河口部分や、陸に入り込んだ湾などが汽水の水域にあたります。アクアリウムでは人工海水を用いて汽水を作ります。汽水で生きる魚はバンブルビーフィッシュやミドリフグ、ボラなど。
淡水とは
塩分濃度が0.5%未満の水のことで、真水とも呼ばれます。自然界では河川や地下水、湖沼などの水域が淡水にあたります。アクアリウムでは主にカルキ抜きした水道水を指し、汽水・海水に比べて取り扱いやすいといわれています。グッピーやエンゼルフィッシュなど幅広い魚を飼育できるだけでなく、水草の育成にも適しています。
海水とは
文字通り海の水のことで、塩分濃度が5% – 18%ほどある液体を差します。アクアリウムでは人工海水を用いて飼育水を作りますが、淡水に比べて管理が難しいという一面があり上級者向きともいわれています。海水で生きる魚は淡水魚よりも幅広く、カラフルな色彩をしているのが特徴です。映画で有名になったニモことカクレクマノミも海水魚の仲間です。
水温とは
飼育水の温度のことを指します。アクアリウムで飼育する全ての魚・栽培する水草には生存に適した水温があり、水槽内の水をそれぞれの適温に調整する必要があります。一般的に熱帯魚の適温は25度程度といわれており、ヒーターやクーラー、冷却ファンなどを使用して調節します。なお、常温で飼育できる魚には機械による温度調整は必要ありません。
水質とは
水の性質を表す指標のことですが、アクアリウムの場合は生物の飼育に関わる水の性質や状態を指すことが多いです。主なポイントは下記のようなものです。
pH値
飼育水のアルカリ性、中性、酸性を表す数値で、生体によって適正値が異なります。一般的に、熱帯魚や水草はpH7.0前後の中性の状態を好むといわれています。
硬度
水中に溶けているカルシウムやマグネシウムなどミネラルの量こと。ミネラル分が多いことを硬度が高いといい、硬度が高い水を硬水、低い水を軟水と呼びます。生体によって好む硬度が異なります。なお、日本の水道水は硬度の低い軟水です。
酸素
魚や水草が呼吸するときに必要とします。水面から溶け込むこともありますが、通常はエアレーションを行って人為的に水中に供給します。酸素量が少なくなると魚やバクテリアが酸欠を引き起こしますので注意が必要です。
塩素
殺菌消毒のために水道水に含まれています。魚やバクテリアなどに害を与えるため、カルキ抜きを使用して水道水を中和する必要があります。
アンモニア
餌の食べ残しや排泄物、枯れた水草などから発生する毒素のこと。有害な物質として知られ、アンモニアが蓄積すると生体が生きられなくなってしまうこともあります。なお、生体に有害なアンモニア濃度は0.5mg/l以上といわれています。
亜硝酸
アンモニアと同じく有害な毒素で、残餌や糞などから発生します。水中の亜硝酸濃度が0.8mg/l以上になると生体に悪影響を及ぼすといわれています。
硝酸塩
アンモニア・亜硝酸に比べて毒性は低いものの、蓄積すると生体に有害となる物質です。水中の濃度は10mg/l以下が適切とされ、25mg/l以上になると生体に悪影響を与えコケの発生原因になるといわれています。
水流
水の流れのこと。アクアリウムではポンプを用いて水槽内に水流を発生させます。生体によって水流を好む種類、好まない種類があります。
二酸化炭素
水草の光合成に必要な物質です。水草がメインの水草水槽では、水草の光合成を促すために人為的に二酸化炭素を添加することがあります。
底床とは
水槽の底面に敷く砂などのこと。必ずしも必要なアイテムではありませんが、自然の景観に近づけたり、水草を植えたりする際に使用します。また、砂に潜る習性のある生体を飼育する際は必ず導入します。底床には、ポピュラーで安価な大磯砂や珪砂、炭酸カルシウムが含まれたサンゴ砂、水草の育成に適したソイル、土を加工したセラミックなどの種類があります。素材によって水のpH値が変わることがありますので、飼育環境にあった底床を用いることが重要です。
混泳とは
同じ水槽で複数の生体を飼育することで、混同飼育とも呼ばれています。魚にはそれぞれ相性があるため、やみくもに混泳させるとケンカなどの原因になることがあります。飼育する生体の習性をよく把握し、同居に向いている魚を選ぶ必要があります。混泳のポイントは下記の4つを抑えておきましょう。
①回遊ゾーンの異なる生体を組み合わせる
回遊ゾーンとは水槽内で魚が泳ぐ場所のことで、主に水槽の底面、中層、上層を指します。行動範囲が異なる魚を混泳させることで住み分けができ、衝突などが起こりにくくなります。
②生体の食性に注意する
肉食性や雑食性の魚の場合、口に入る大きさのエビや魚を食べてしまうことがあります。共食いする魚もいますので、飼育する生体の食性を確認しておきましょう。食性が同じ魚であっても、体の大きさや性格の違いでトラブルが起こることもあるため注意が必要です。
③生体の性格を把握しておく
気の荒い魚は単独で飼育する、大人しい魚同士で混泳させるなど、生体の性格によって混泳を決める方法もあります。
④隠れ家を作る
魚の逃げ場や休憩場所になる場所を作っておくことで、小競り合いなどのトラブルが起こりにくくなります。
アクアリウムに必要な道具・器具は?
アクアリウムはコップに水と魚を入れるだけでも成り立つといわれています。しかし実際は魚の排泄物などによって水質が悪化し、魚が住みにくい環境になってしまうため、以下のような器具を使用して飼育環境を適切な状態に管理します。
水槽
飼育水を入れるための容器で、主にガラス製、アクリル製のものが流通しています。ガラス製は小型水槽~中型水槽に使用されることが多く、重くて割れやすいが傷がつきにくいなどの特徴があります。アクリル製は大型水槽に使用されることが多く、強度があり透明度は高いが傷がつきやすいなどの特徴がみられます。水槽の形状は長方体が一般的ですが、曲面や球面のあるタイプや立方体(キューブ水槽)、壁に埋め込む水槽、上から観賞するバーズアイ水槽、屋外水槽などの種類があります。また、らんちゅう水槽など特定の魚類の観賞に特化した水槽も販売されています。
サイズも様々で、デスクに置ける小型のものから2mを超える特注品など多岐に渡ります。水槽の規格サイズは、
● 60cm規格水槽(60cm×30cm×36cm)
● 90cm規格水槽(90cm×45cm×45cm)
● 120cm規格水槽(120cm×45cm×45cm)
● 180cm規格水槽(180cm×60cm×60cm)
の5種があります。規格水槽の中では60cm水槽が流通数も多く安価なため人気があるようです。なお、飼育水の量が多い方が水質が変化しにくく安定しやすいため、大きめの水槽を使用することが望ましいといわれています。
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ろ過器
飼育水の汚れを清浄する道具・設備のことで、フィルターとも呼ばれています。水槽の水は魚の餌の食べ残しや排泄物などによって汚れやすく、汚れやゴミなどが蓄積すると毒性の強いアンモニアなどが発生して生体の生育に悪影響を与えます。ろ過装置を使用して水を浄化させることで、水槽の水を飼育に適した状態に保つことが可能になります。ろ過器には、上部フィルター、外部フィルター、外掛けフィルター、底面フィルター、スポンジフィルター、投げ込み式フィルターなどの種類があり、飼育する生体や水槽環境などに合わせて使用します。水槽の下部にろ過装置を組み込んだオーバーフロー水槽もあります。ろ材にはウールやスポンジ、活性炭やゼオライトなどを利用したものがあり、ボール型やリング型などの形状で流通しています。なお、ろ過器のみでは飼育水の汚れや有害物質を全て取り除くことが困難なため、水換えや掃除を行う必要があります。また、ろ過器やろ材にも汚れが蓄積しますので、定期的に掃除や交換を行います。
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照明
水槽に光を当てるアイテムのこと。光を当てることによって生体の生活リズムを調整したり、水草やサンゴの光合成を促したりするなどの効果が期待できます。太陽光を直接水槽に当てると水温上昇や藻類の発生などを引き起こすため、照明器具を用いることが望ましいといわれています。また、水槽内を明るく照らすことで観賞性やインテリア性を高める効果にもつながります。蛍光灯、LED、メタルハライドランプなどの種類があります。
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温度管理
飼育水の温度を管理・調整すること。一般的に熱帯魚の適温は25度前後といわれていますが、日本では四季による気温の変化があるため一年を通して常温で25度前後に保つことは困難です。夏場の高温は生体の体力消耗や酸欠などの原因になり、冬場の低温には熱帯魚が耐えられず死んでしまうこともあります。飼育水の温度を適切に保つために、下記のような機具を使用して水温を調整しましょう。
ヒーター
飼育水の温度を上昇させる際に使用します。ヒーター単独では水温を上げるだけで温度のコントロールなどができないため、温度調節機能のあるサーモスタットと併用します。ヒーターには、ヒーターとサーモスタットと一体型になったタイプ、ヒーターとサーモスタットが分離したタイプ、底床に設置するパネルヒーターなどがあります。金魚用、テトラ用など、生体のジャンルに特化した製品も流通しています。また、ヒーターに当たって生体が火傷することがあるため、カバーを付けて使用することもあります。
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クーラー
飼育水の温度を低下させる際に使用します。30cm~60cmの水槽に向いているペルチェタイプ、90cmなど大型水槽に適しているチラー(コンプレッサー式)タイプなどがあります。また、比較的設置しやすい冷却ファンを使用する方法もあります。
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餌
人工飼料
文字通り人工的に作られた餌のことで、総合栄養食とも呼ばれています。人工飼料には様々な種類があり、飼育する生体によって使い分けます。
フレークタイプ
エビや魚類などが配合された餌で、最もポピュラーな人工飼料として有名です。浮遊性のため、水槽の中層以上を泳ぐ魚に適しています。
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顆粒タイプ
粒状の餌で、浮遊するタイプと沈下するタイプがあります。フレークに比べて水を汚しにくいというメリットがある反面、消化吸収しにくいという一面があります。
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タブレットタイプ
沈下性の餌で、水底で生活するコリドラスやプレコなどに適した餌です。コリタブとも呼ばれています。
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ペレットタイプ
比較的大きめに作られた餌で、オスカーやフロントーサなどの中型魚・大型魚に適した餌です。浮遊するタイプと沈下タイプがあります。
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パウダータイプ
稚魚や幼魚などに与える餌で、粉状に作られています。繁殖に成功した場合などに使用します。
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クリル
乾燥させたオキアミのこと。魚の発色をよくするアスタキサンチンが含まれているため、色揚げ効果が期待できるといわれています。
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アカムシ
ユスリカという蚊の幼虫のことで、生のものや冷凍されたもの、乾燥させたものがあります。ポピュラーなのは栄養価が高く取り扱いやすいブロックタイプの冷凍アカムシです。
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生き餌
肉食性の魚や動く餌を捕食する魚などに与える餌のことで、活き餌とも呼ばれます。メダカやアカヒレ、金魚などのほか、コオロギなどを与えることもあります。人工飼料に比べると餌付きやすいですが、取り扱いや保存が難しいというデメリットがあります。
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イトミミズ
ミミズの一種で、細く糸のような体をしています。生タイプと乾燥タイプがあり、熱帯魚が好む餌の一つとして有名です。
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ブラインシュリンプ
ホウネンエビに似た甲殻類の一種で、主に稚魚や幼魚に与えます。卵の状態で販売されているものを孵化して給餌するほか、孵化後のブラインシュリンプを冷凍したものを与えることもあります。動物性プランクトンの一つともいわれています。
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動物性プランクトン
ブラインシュリンプより小型の微生物のこと。ミジンコやゾウリムシ、イサザアミなどが挙げられ、インフゾリアとも呼ばれています。動く餌を食べる魚や、稚魚などに与えます。
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植物性プランクトン
光合成を行う微生物のことで、稚魚や動物性プランクトンなどの餌になります。飼育水に自然発生することもありますが、水に液肥を入れて光を当てるなど人工的に発生・培養させることも可能です。
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その他必要な道具
エアーポンプ
水中に酸素を供給するための道具で、ブクブクとも呼ばれています。特に、水槽に多くの魚を飼って過密飼育になっている場合や酸素消費量の多い魚を飼育している場合は、酸欠を防ぐためにエアーポンプを使って人為的に空気を送り込む必要があります。また、水流を発生させて飼育水を循環させる効果もあります。
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石
レイアウトアイテムの一つで、風山石や昇龍石、溶岩石など様々な種類があります。景観を良くするだけでなく、魚の隠れ家としても役立ちます。なお、石によっては水質に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
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ゼオライト
鉱物の一種で、沸石とも呼ばれています。毒性の高いアンモニアを吸着する働きがあるため、吸着材としてろ材や底床などに使用されることが多いです。イオン交換能を持つことから水質の軟水化に用いられることもあります。多孔質でミネラル成分を含みますので、バクテリアの繁殖や育成にも効果的です。また、魚を輸送する際にも使用されます。
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流木
レイアウトアイテムや生体の隠れ家として使用されています。ホーンウッドやブランチウッド、塊状流木などの種類があり、東南アジアやアフリカ、アマゾンなどから輸入されたものが流通しています。フミン酸などを含んだ灰汁が出るため、水槽に入れる前に灰汁抜きを行います。マングローブのように灰汁が出続ける種類もあるため注意が必要です。
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活性炭
水の黄ばみ(灰汁)やフェノール、魚臭などを吸着するアイテムで、フィルターにセットして使用します。吸着量が限られているため、1~2か月程度で交換する必要があります。
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水質試薬
飼育水のpHや塩素、アンモニア、硝酸塩、亜硝酸塩などをチェックするアイテムのこと。水質検査キットとも呼ばれ、試験紙や液体などのタイプがあります。
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比重計
水中の塩分濃度を測る道具で、汽水魚や海水魚を飼育する際に使用します。アナログ型、デジタル型、塩分濃度屈折計型などの種類があります。
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殺菌灯
強い紫外線を利用して病原菌や藻類、腐敗菌などを殺菌するアイテムのこと。筒形のケースの中に紫外線を放射するガラス管があり、筒形ケースの中に水を通して殺菌する仕組みになっています。病気の予防や飼育水の濁りを防ぐなどの作用があり、特に白点病の予防や手当てに効果的といわれています。
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オールインワンタイプ
熱帯魚飼育に必要な機器が内蔵されている水槽のこと。組み立ての必要がなく、周辺に取り付ける器具や配線の数などが最小限に抑えられています。見た目がスッキリとしてインテリア性が高い点も特徴的です。
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トリートメントタンク
飼育水槽とは別に使用する予備の水槽のことで、トリートメント水槽ともいいます。小型水槽のほか透明度の高いプラケースなどを用いる場合もあります。メイン水槽よりもシンプルな設備で使用でき、スポンジフィルター、エアレーション、ヒーターなどを用いて運用します。用途は下記の通りです。
予備飼育
生体を購入後、メインの水槽に入れる前に使用します。水合わせや、寄生虫・病原菌を事前駆除するための薬浴などに役立ちます。
病気手当て
魚の病気を薬浴によって手当てする際に使用します。また、病気を他の生体に感染させないための隔離場所として利用することもあります。
繁殖
繁殖を狙う際に使用します。繁殖行動や産卵を控えてナーバスになっている親魚を隔離したり、卵や稚魚を他魚の捕食から防いだりするために利用します。卵や稚魚の保護に関しては、メイン水槽に産卵箱やベビーボックスなどを設置する方法もあります。
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アクアリウムにかかる費用
アクアリウムにかかる費用は、主に初期費用と維持費用に分けられます。これらの費用は水槽のサイズや設置する機器などによって異なります。
初期費用はどのくらいかかる?
アクアリウムにかかる初期費用は飼育環境や水槽設備などによって異なりますが、最もポピュラーといわれている60cm水槽で淡水魚飼育をする場合は、主に以下のような費用がかかると考えられます。
- 水槽(60cm規格)3,000円程度
- 水槽台(スチール製)6,000円程度
- 照明(LEDライト)10,000円程度
- ろ過フィルター(上部式、ろ材付き)5,000円程度
- ヒーター(可変式オートヒーター)3,000円程度
- エアーポンプ 2,000円程度
- 水質調整剤 500円程度
- 水温計 300円程度
- 水質測定キット 1,000円程度
- ソイル(パウダー型8リットル)1,500円程度
- 水草 種類にもよりますが、3,000円程度あれば複数の種類を揃えることが可能です。
- 生体 種類にもよりますが、60cm水槽を満たすためには3,000円程度かかります。
- バケツ 100円程度
- プロホース 1,000円程度
- コケ取りグッズ(メラニンスポンジ等)100円程度
- 生体の餌 500円程度
合計40,000円程度
なお、ご紹介した価格はメーカーや製品、販売ショップなどによって多少前後します。また、水槽と必要機材がセットになった商品も販売されており、各アイテムを別々に購入するより費用が抑えられますよ。60cm水槽セットの価格は10,000円~20,000円前後です。
維持費用(月額)はどのくらいかかる?
アクアリウムの月々の維持費用については、おおよそ以下のような金額がかかると考えられます。※60cm水槽で淡水魚を飼育した際にかかる維持費用(月額)
- 上部フィルター(常時稼働) 170円程度
- ヒーター(150W、10時間稼働)1,200円程度
- 照明(LED、10時間稼働)120円程度
- エアレーション(3W、常時稼働)30円程度
- エサ(500円の製品を4,5か月で消費すると仮定)100円程度
合計1,620円程度
なお、上記の金額は製品のワット数や電力会社の基本料金などによって異なります。あくまでも目安として参考にしてください。
アクアリウムで飼育できる生き物の種類は?
アクアリウムでは、熱帯魚だけでなく爬虫類や両生類などを育成することも可能です。ここでは、アクアリウムで飼育できる主な生き物についてご紹介します。
熱帯魚
グッピー
ラテンアメリカ原産の淡水魚。熱帯魚の代表格ともいえる存在で、熱帯魚育成は「グッピーに始まりグッピーに終わる」ともいわれています。体長はオスが3cm程度でメスが5cm程度。オスの方が体色やヒレの形状・色彩などが豊富で美しく、観賞性の高い様々な改良品種が作られています。飼育しやすく繁殖も狙えるため根強い人気を誇っています。
コリドラス
南米に生息するナマズ科の淡水魚です。水槽の底床を泳いで餌の食べ残しを食べることから水槽の掃除役として知られています。100を超える種類があり、大きさやボディカラーなども様々です。また、顔立ちや泳ぎ方に愛嬌があるのも魅力です。主に水槽を掃除する脇役として親しまれていますが、水槽の主役としてもおすすめしたい魚です。
プレコ
アマゾン川などが原産の淡水魚です。水槽内に発生したコケを食べる習性があり、コリドラス同様水槽の掃除係として有名です。小型種、中型種、大型種があり、種類によっては1mを超えるものがあるため飼育の際は注意が必要です。体色や柄もバラエティに富んでいるため、コレクション性が高い魚としても人気があります。
アロワナ
一億年以上前から存在し、ほぼ姿を変えずに生き残ってきた淡水魚。古代魚の一つで、南米や東アジアなどに生息しています。大きな目や鱗、せり出した下あごなどが特徴で、他の魚にはない独特の存在感があるのが魅力です。中国では龍魚と称され、幸運をもたらす魚として知られています。様々な種類があり、シルバーアロワナやアジアアロワナなどが人気です。
エンゼルフィッシュ
菱形のフォルムや長く伸びたヒレが印象的な淡水魚です。ゆっくりと優雅に泳ぐ姿が魅力的で、熱帯魚の中でも特にポピュラーな存在として親しまれています。15cm~30cm程度の大きさに成長し、寿命は3年~5年ほどといわれています。観賞用の改良品種が盛んに作られており、柄やヒレの長さなどに幅広いバリエーションがあります。
爬虫類
カメ
カメ目に属する爬虫類で、甲羅を持っていることで有名な生き物です。生息地は南北アメリカ大陸やアフリカ大陸、アジアなど。カメには300ほどの種類がありますが、アクアリウムに近い環境で飼育できるのはミドリガメなどの半水棲亀やスッポンモドキなどの水棲亀です。種類を問わず寿命が30年以上あるため、長期飼育を見込んで導入する必要があります。
スッポン
カメの仲間ですが、甲羅が柔らかく鼻の先が長いという特徴をもっています。日本をはじめ東南アジアやロシア南東地域などに分布し、川や沼などを中心に生息しています。やや臆病な一面はありますが、愛嬌のある表情が人気でペットとして飼う人もいるようです。最大で30cm~40cmほどに成長し、寿命はカメ同様30年以上あるといわれています。
トカゲ
有鱗目トカゲ亜目に属する爬虫類の総称を指します。トカゲには2000を超える種類があるといわれていますが、水場のある環境で飼育できるのは半水棲のカイマントカゲやクロコダイルスキンクなどです。種類によっては最大体長が100cmを超えるものがありますので、導入の際は注意が必要です。
ヘビ
爬虫綱有鱗目ヘビ亜目に属する爬虫類の総称で、細長い体でニョロニョロと動く姿が特徴的な生き物です。ヘビには様々な種類がありますが、アクアリウムで飼育できるのはヒゲミズヘビなどの水棲ヘビです。また、アクアテラリウムのように水場と陸場を用意すればヒロクチミズヘビなど半水棲のヘビを飼うことも可能です。肉食性のため、熱帯魚との混泳は避けましょう。
両生類
ウーパールーパー
メキシコに生息するサンショウウオの仲間で、メキシコサマランダー、アホロートルとも呼ばれています。通常、両生類は体の形を変えながら成長しますが、ウーパールーパーは幼体のままで成熟するのが特徴的です。丈夫で比較的飼育しやすいためペットとしても人気があり、アルビノやゴールデンなどの改良品種も流通しています。
イモリ
有尾目イモリ科に分類される両生類のこと。イモリは北アフリカや中央アメリカなど世界各地に生息していますが、日本では固有種であるアカハライモリのことをイモリと呼ぶこともあります。イモリには陸上性と水中性がありますが、アクアリウムに近い環境で飼育できるのは水中性のイモリです。アカハライモリ、シリケンイモリなどに人気があるようです。
サンショウウオ
有尾目サンショウウオ上科に属する両性類の総称を指します。日本や中国、アメリカなどに生息し、200を超える様々な種類があるといわれています。ペットとして流通しているのはカスミサンショウウオやキタサンショウウオなど。幼生の頃は水中で生活しますが、成長すると陸上で生活するため水場と陸場のレイアウトが必要です。
カエル
両生綱の無尾目(カエル目)に属している生き物のこと。6000以上の種類があり、ペットとしても親しまれている両生類です。陸と水中の両方で生活する種類が多いですが、アクアリウムの設備で飼育できるアフリカツメガエルやバジェットガエルのような水棲ガエルも存在します。比較的容易に飼育できる点や、親しみやすい表情などに人気があります。
昆虫類
ゲンゴロウ
コウチュウ目ゲンゴロウ科に属する水生昆虫のことで、ナミゲンゴロウとも呼ばれています。かつては日本各地の水田などに多く生息していましたが、環境破壊などの影響で近年は絶滅が危惧されています。ペットとして人気があるため、ペットショップやネット通販などで入手することが可能です。遊泳が得意な生き物ですが、甲羅干しをするため水場と陸場を用意して飼育します。
タガメ
カメムシ目に属する水生昆虫で、鎌のような前足が特徴的な生き物です。最大全長が6cmほどあり、日本で最も大きな水生昆虫と呼ばれています。飼育の際は水位を低くして甲羅干しなどができる場所を用意します。水質の良い水田や池などに生息していますが、環境省のレッドリストでは絶滅危惧II類に指定され、自治体によっては絶滅危惧I類や絶滅種に指定されています。
ミズカマキリ
カマキリに似た姿をしていますがカメムシ目に属する水生昆虫です。日本国内のほか、東アジア・東南アジア、シベリアなどに生息しているといわれています。全長は5cm程度で、池や田んぼなどの水深の深い場所で生活しています。採取することも可能ですが、ペットとしての需要もあるためネット通販などで購入することもできますよ。
その他
エビ・シュリンプ類
川や海など幅広い水域で生息している甲殻類の一種。アクアリウムで飼育できるのは淡水エビと海水エビです。淡水エビでポピュラーなのはミナミヌマエビやヤマトヌマエビ、ビーシュリンプ類など。海水エビではフリソデエビやキャメルシュリンプなどに人気があります。コケを食べる種類もあるため、観賞用だけでなく掃除役として導入することもあります。
貝類
軟体動物のうち貝殻をもつ生き物のこと。アクアリウムでは主にコケの掃除や水質改善などの目的で導入されます。コケ取りとして人気があるのはイシマキガイやラムズホーンなど、水質改善に役立ってくれるのはヒメタニシやマシジミなどです。なお、種類によっては水槽内で繁殖し過ぎることがあるため注意が必要です。
ザリガニ
エビの仲間で、ハサミのような脚を持っているのが特徴的な生き物です。プラケースで飼育するほか、種類によっては通常のアクアリウムとほぼ同じ設備で飼育する例もみられるようです。ザリガニと聞くと赤い色をイメージするかもしれませんが、近年は白ザリガニや青ザリガニなど観賞用に品種改良された個体も流通しています。
カニ
十脚目短尾下目(カニ下目)に分類される甲殻類の総称で、ハサミのような前脚を持って横歩きすることで有名な生き物です。カニを飼育する際は水場と陸場の両方を準備することがポイントです。淡水カニと海水カニの2種類があり、淡水カニではサワガニやベンケイガニ、レオパードクラブなどが観賞用に市販されています。海水カニではカラッパなどが流通しています。
アクアリウムを初める準備と手順
アクアリウムを楽しむためには、熱帯魚を飼育する環境を一から作り上げる必要があります。ここでは、熱帯魚を水槽に迎えるための準備や作業の手順、魚のお世話などについてお伝えします。
1、レイアウトを考える
水槽を立ち上げる前にレイアウトを考えましょう。水槽のレイアウトには、水景を美しく見せるための構図があります。特に基本とされているのは以下の3つの構図です。
三角構図
文字通り水景が三角形に見えるようにレイアウトする構図のこと。左右いずれかに空間を持たせ、斜めからも観賞できるという特徴があります。最も容易に取り入れられるレイアウトとされており、初心者の方にもおすすめの構図です。
凹型構図
水景が凹の字に見えるレイアウトの構図のこと。水草を両側に配置し、中央に空間を持たせるという特徴があり、水草水槽でよく見られます。水槽の左右のボリュームバランスは6:4が理想的で、この比率を守ることでレイアウトに奥行や厚みが出るといわれています。
凸型構図
水景を凸型にレイアウトする構図のことで、中央部分を目立たせるように配置することがポイントです。ダイナミックな水景を演出してくれる構図ですが、バランスが取りづらいなどの理由で取り入れるのが難しいレイアウトとされています。
水草
また、水草も重要なレイアウトアイテムの一つです。水草の種類や植える位置などにこだわることで、より深みのある水景を作ることにつながりますよ。
前景草
水槽の前面にレイアウトする水草で、背丈が短くシンプルな色彩をしているのが特徴です。主な前景草はリシア、グロッソスティグマ、ヘアーグラスなど。なお、前景草の育成には高光量、二酸化炭素(CO2)の添加を必要とします。
中景草
水草の中景部分に配置する水草のことで、前景と後景をつなぐ役割があるといわれています。中景草としてよく使用されるのはパールグラス、ブリクサショートリーフ、アヌビアスナナなどです。
後景草
水槽の奥にレイアウトする水草のことで、前景草・中景草より背の高い種類が使用されます。後景草としてポピュラーなのはアマゾンソード、ミリオフィラム、グリーンロタラなど。後景を彩るだけでなく、水槽内の器具を隠してくれるなどの役割もあります。
2、水槽を立ち上げる
レイアウトが決まったら水槽を立ち上げましょう。ここでは一般的な水槽の立ち上げ方法を紹介します。
- 水槽を洗います。生体に悪影響を及ぼすため、洗剤は使用しないようにしましょう。自然乾燥させ、水槽が乾いたら水槽台にセットします。
- バケツなどに水を入れ、カルキ抜きして水質を調整します。※汽水・海水で飼育する場合は、人工海水や比重計などを用いて海水を作成します。
- 底床・流木・水草などのレイアウトを行います。
- 3でカルキ抜きした水(もしくは汽水・海水)を入れます。
- ろ過フィルターやヒーターなどを設置し、電源を入れます。
- 水だけの状態で、2週間~1か月程度空回ししましょう。酸素が循環してバクテリアが定着し、水質が安定しやすくなります。
- 上記の手順を終えたあとで飼育する生体を購入します。
- 生体を入手したら、水合わせを行って水槽に入れてください。
3、生体を水槽に入れる
生体を水槽に導入する際は、生体を水槽の水に慣れさせる「水合わせ」という作業を行います。生体を直接ドボンと入れてしまうと、急激な水温と水質の変化によって体調を崩すことがあるからです。水合わせの方法には、一般的に行われている方法と点滴方法の2種類があります。
一般的な水合わせの手順
- 生体が入ったビニール袋を開封せずに水槽に浮かべ、30分ほど待ちます。袋の水と飼育水の温度を近づけます。
- ビニール袋の水を3分の1程度捨て、捨てた分量の飼育水を袋に入れて10分程度待ちます。袋と水槽の水質を近づけて慣らします。
- 2の作業を3回ほど繰り返します。
- 生体を水槽に移します。入手元の水に病原菌や寄生虫などが含まれている可能性があるため、生体のみを水槽に入れることが望ましいです。
点滴方法(エビなどデリケートな生体向けの方法です)
- 水合わせを行う前に、エアチューブ、一方コック、キスゴム、エアストーンを用意します。エアチューブの片方に一方コックを、もう片方にエアストーンを付けておきます。
- 生体が入ったビニール袋を封をした状態のまま水槽に浮かべ、30分ほど待ちます。袋の水と飼育水の温度を合わせます。
- 生体を袋の水と一緒にバケツなどの容器に移します。
- バケツを水槽より低い位置に置いておきます。
- エアチューブのエアストーンが付いた方を水槽に入れます。チューブが動かないようキスゴムで固定しておきましょう。
- 一方コックを取り付けたチューブの空気を吸って、水槽水をチューブ内に誘導します。水槽水を飲まないよう注意しましょう。
- チューブ内に水が溜まってきたら、一方コック側のチューブをバケツへ入れ、水槽水の水を少しずつ移します。
- 一方コックを開閉しながら4秒に一滴程度のペースで水を移します。バケツの水が増えてきたら不要な水は捨てましょう。
- 7と8の作業を3~4回ほど繰り返すことで、水槽とバケツの水の水質がほとんど同じになってきます。
- ネットなどを用いて生体のみを水槽に移します。
4、管理
水換えの時期と手順
水換えの時期
水槽を立ち上げてから1か月程度は、水槽内のろ過機能が十分に整っていないため頻繁に水換えを行います。毎日~3日に1回、水槽の3分の1~4分の1ほどの水を換水しましょう。水質が安定したら1~2週間に1回、飼育水の3分の1ほどを水換えします。なお、水換えの頻度は水槽環境や飼育する魚などによって異なる場合もあるため、必要に応じて行いましょう。
水換えの手順
- ヒーターやろ過装置などの電源を切ります。
- ポンプやプロホースなどを用いて水槽の3分の1程度の水を抜き、バケツに溜めます。砂利の汚れも一緒に吸い上げましょう。バケツに移した古い水は捨てます。
- バケツに新しい水を入れ、水温を飼育水に合わせてカルキ抜きを行いましょう。
- (汽水・海水で飼育している場合は、塩分濃度の調節も行います。)
- 3の水を水槽に入れます。底砂が舞い上がらないよう、手で水の勢いを抑えながらゆっくり入れることがポイントです。
- 水を入れ終えたら、各器具のチェックを行って電源を入れます。
餌の与える量や頻度
餌は2~3分で食べきる量を与えましょう。つい沢山餌をあげたくなりますが、食べ残しが出ると水質の悪化やコケの発生につながります。また、食べ過ぎると太りすぎや寿命を縮める原因にもなるため、腹6分目~8分目程度を目安に給餌しましょう。少し足りないかなと思うほどの量でちょうど良いといわれています。餌の頻度は1日1~2回程度を目安にしましょう。できるだけ同じ時間に与えることが望ましいです。なお、種類にもよりますが照明を消すと眠りに入る生体が多いため、消灯の1~2時間前に給餌しましょう。
生体のトラブル
生体を飼育していると、病気やケガなど思わぬ事態が起こることもあります。熱帯魚がかかりやすい病気には下記のようなものがあります。
白点病
寄生虫によって引き起こされる病気で、体表に白い斑点ができ体を擦りつける動作をするようになります。水温の低下が原因で発症するといわれています。白点病を発見したら、塩浴や薬浴を行って手当てします。
水カビ病
外傷などに水カビが寄生することによって起こる病気で、ヒレや体表にコットンのような白い物体が付着するようになります。外傷のほか、尾ぐされ病などの患部に感染することもあります。手当てには薬浴や水換えが有効です。
尾ぐされ病
ヒレの先端や口の周りが白く濁ったようになる病気で、カラムナリス症とも呼ばれています。細菌の感染によって起こり、進行すると患部が欠けてしまうこともあります。対処方法は塩浴や薬浴などです。
エロモナス症
エロモナス菌によって引き起こされる病気で、松かさ病や穴あき病などの症状がみられるようになります。水質の悪化やストレス・免疫力の低下などが原因で発病するといわれており、経口投薬や薬浴などを行って手当てします。
なお、熱帯魚がかかる病気には、ディスカス病やグッピーのハリ病など魚の種類特有のものもあります。飼育する生体がかかりやすい病気や手当て法について事前にチェックしておくと安心ですよ。病気の他には、飛び出し事故やヒーターによる火傷、流木や器具などに挟まるなどのトラブルがみられます。日頃から水槽内をよく観察し、生体や水槽環境に違和感を持ったら早めに対処することが重要です。
アクアリウムが人に与えるメリット
リラックス効果
水景を眺めると脳にα波が出るという実験結果が出ています。また、青色や緑色を基調としたアクアリウムの色彩には気持ちを落ち着かせたり目を休めたりするなどといった作用もあり、心身へのリラックス効果が期待できます。
癒し効果・セラピー効果
水槽水の揺らぎや水草が出す気泡は、人に癒しを与えるといわれている「1/fゆらぎ」の一つとされています。1/fゆらぎとは規則性と不規則性が入り混じった揺れ動きのことを指し、例としてロウソクの火や風鈴の音、電車の揺れなどが挙げられます。また、熱帯魚を愛でたり世話をしたりすることで心の痛みや不安・ストレスが和らぐともいわれています。
リフレッシュ効果
関心や目的を持って熱帯魚を眺めることで脳がリフレッシュするという見解があります。また、水の音を聞くことで作業効率が上がったという実験結果もあります。
命の大切さを学ぶことができる
魚を飼育することによって命の大切さを学ぶことができます。ときには魚が死んでしまうこともありますが、生き物の生死に向き合うことにもつながります。
コミュニケーションの潤滑油になる
熱帯魚を眺めることで会話のきっかけが増え、家族や従業員の間でのコミュニケーションがスムーズになったという例が多くみられます。
アクアリウムの魅力
アクアリウムには様々な知識や作業が必要ですが、自分の理想の水景を創造できるという醍醐味があります。魚の成長を見守るのも楽しいですよ。ここでご紹介した内容を参考にして、アクアリウムの世界に足を踏み入れてみてくださいね。