ディスカスの飼育方法:水槽の立ち上げ方は?寿命はどのくらい?
ディスカスは、その美貌から、熱帯魚の王様と呼ばれているアクアリストにとって憧れの熱帯魚です。熱帯魚の中で最も飼育が難しいとされ、高価なことでも知られています。
原種が輸入されていた当初は、飼育機器や餌等など飼育費用が高い問題から、一部の人しか飼育できませんでしが、今はきちんとした飼育条件さえ整えれば、容易とは言いませんが、比較的安価で飼育することが可能ですよ。
今回は、そんなディスカスの飼育方法や飼い方のポイントなどをご紹介していきます。
目次
ディスカスとはどんな魚?寿命はどのくらい?
ディスカスは、アマゾン川に生息する熱帯魚で、とても神経質な魚として知られています。現在は、さまざまな品種改良の種が誕生しており、ペットショップにおいて原種を見ることは非常に珍しくなりました。エンゼルフィッシュ同様、親魚が卵から稚魚の世話をすることで有名で、体表から出すディスカスミルクなる栄養分で稚魚が育つという珍しい魚です。
寿命は5年程度が標準ですが、なかには10年近く生きた例もあります。
ディスカスの飼育はむずかしい?
ディスカスの飼育は難しいと言われており水質や水温に特に注意が必要です。水質はpH6前後が望ましく、pH調整剤で調整する必要があります。水質を常に保つ必要があるため、週に最低一度の水換えが必要です。水温は、30度前後で飼育する必要がありますからヒーターが必要となります。
ディスカスを購入するときの選び方は?
ディスカスの選び方のポイントは、背びれを広げている個体を選ぶのがお勧めですよ。また、餌嫌いを起こしやすい魚であるため、腹部が痩せていない個体を選びましょう。素早く泳ぐ魚ではないですが、優雅に水槽内を泳ぎ回っている個体はとても健康な状態ですから、そのような個体を選ぶようにしましょう。
種類:ディスカス
税込価格:4,200円~
ディスカスの飼育に適した水槽の大きさは?
成魚の大きさは、15~20cm前後になるので最低でも60cm水槽が必要です。余裕があれば75cm~90cmの水槽を選びましょう。また、ハイトタイプである高さ45cmの水槽を選ぶのが理想的です。ディスカスはとても体高が高いため、水槽の高さがあると上下にも優雅に泳げるスペースができます。
ディスカスの飼育に必要なアイテムは?
ディスカスは水質に敏感な魚ですから、酸性の軟水を維持する必要があります。pH調整剤や水質調整剤を用いる必要があります。また、成長期の場合は、ビタミンやミネラルが入った水質添加剤の使用をお勧めします。
- サーモスタット
- ヒーター
- 蛍光灯
- pH調整剤
- 水質調整剤
- ろ過装置
- ビタミン・ミネラル入りの水質添加剤
サーモスタットとヒーターは絶対に必要です。その他には、蛍光灯とろ過装置も必要です。ディスカスにおいては、ろ過装置は、非常に重要な役割を果たします。上部式でも問題ありませんが、できれば、外部式のろ過装置を購入をおすすめします。また、スポンジフィルターをエアーポンプで稼働させるのが理想的です。最も水質に敏感な熱帯魚ですから、ろ過装置を充実させて飼育しましょう。
水槽の立ち上げる手順は?
ディスカスを入手する前に、水槽の立ち上げを完了させておきましょう。
- 水槽を水槽台の上に設置します。
- ろ過器をセットします。
- 砂なしのベアタンクとするのが基本です
- 水を水槽に入れます。
- 蛍光灯を設置して、ライトをオンにします。
- ろ過器やエアーポンプの電源をコンセントに差し込んで、ろ過器を稼働させます。
- この状態で最低でも2、3日は、ろ過器にバクテリアが生息し、水質が安定するのを待ちましょう。
一週間程度、毎日水質を測定しながら、水質が安定したかどうか確認するのが望ましいです。
ディスカスを水槽に入れる手順は?水温や水質は?
ディスカスに適した水温は30度前後です。水質は弱酸性で、pH6に設定しましょう。
- ペットショップで購入した場合は、ビニール袋に酸素と水、ディスカスが入れられた状態になっています。蛍光灯をよけて、ビニール袋を水面に浮かせた状態で1,2時間待ちます。これは、水温とビニール袋内の温度を一緒にするために行う作業です。
- その後、ビニール袋の上のゴムを外し、少しずつビニール袋の中に水槽の水を入れていきます。そして、ビニール袋内に水槽の水が一杯になってきた所でビニール袋を寝かせて、魚自身が水槽の中に動けるような状態にします。すぐに移動するケースが多いですが、そうでない場合は、ビニール袋の下面を絞ってあげると、水槽内に移動してくれます。
- 水槽内に移動したら、ビニール袋から水を抜きながら、水槽から取り出し、蛍光灯を元に戻して作業終了です。
ディスカスの餌は?量や頻度は?
ディスカスは専用の人工飼料を与えます。頻度は1日2回2~3分程度で食べきれる量を与えます。時間帯は、朝方と夕方です。それが、忙しくてできない人は、朝の1回だけ餌を与えるようにしてください。タイマー式の餌やり機を使うのも手ですよ。
水換えの時期は?
水換えについては、最低でも週に一度、水槽の三分の一から二分の一を換える必要があります。2,3日に一度、水槽の四分の一から三分の一の水量を換えるのが望ましいです。ペットショップでは、毎日水換えしているところもあります。
ディスカスがかかりやすい病気は?
ディスカスは内蔵病になりやすいと言われています。内蔵病になった場合、薬を細かく砕いて餌に混ぜて与える必要があります。
熱帯魚で最も多い病気の白点病は、水温や水質の悪化が原因ですが、ディスカスを飼育する場合は、水温・水質を十分に注意しなければならないので逆に白点病にかかることは少ないでしょう。
ディスカスが餌を食べない原因と対処法
ディスカスは餌嫌いが激しいので好みの餌を与える必要があります。近年のディスカス用配合飼料は、かなり改良されましたが、それでも冷凍の餌に味覚ではかないません。冷凍の赤虫、ディスカスハンバーグ、冷凍シュリンプ等を使い分けると餌嫌いを起こしにくいと言われています。
それでも餌を食べないようなら、内臓の病気を疑う必要があります。
熱帯魚の王様!ディスカスを飼う魅力は?
ディスカスは、熱帯魚の王様として知られており、実に多くの熱帯魚ファンを魅了しています。品種改良によって、さまざまな種が作り出されているのも、その人気の高さ故にです。
とても飼育が難しい魚なので初心者向きではありませんが、お世話をする時間があればディスカスの飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。