ウナギの飼育方法は?混泳はできる?餌は?寿命はどのくらい?
ウナギといえば、栄養が豊富でスタミナがつく食べ物として古くから親しまれていますが、観賞用として飼育することも可能です。ウナギ特有の習性に注意して管理するなど、いくつかポイントは必要ですが、おおむね一般的な淡水魚と同じ方法で育成することができますよ。
今回は、ウナギの特徴や育て方のコツなどについてご紹介します。
目次
ウナギとはどんな魚?寿命はどのくらい?
ウナギは、ウナギ科ウナギ属に分類される魚で、東部太平洋(たいへいよう)・南部大西洋(たいせいよう)以外の世界各地の熱帯・温帯地域に生息しています。ボディは細長くてぬめりがあり、蛇のように体をくねらせて動くのが特徴的です。夜行性で、淡水域や汽水域、沼や池などで生活しています。体長は1m前後にまで成長し、寿命はおよそ10年以上といわれています。
ウナギの飼育のポイントは?飼育は難しい?
ウナギは淡水魚の一種なので、ナマズなどとおおむね同じ飼育方法で飼うことが可能です。飼育難度も低いといわれているため、ペットとして飼われることもあります。飼育の際は、ウナギの習性を考慮した水槽環境を整え、脱走に注意することが重要です。
ウナギはどこで販売されてるの?購入するときの選び方は?
ウナギはペットショップなどで購入できます。さまざまなサイズで販売されていますが、稚魚や幼魚の方が飼育しやすいといわれています。元気があって、体表に傷などがない個体を選びましょう。川などで入手することも可能ですが、都道府県によって大きさに制限を設けているので注意が必要です。
名前:ウナギ
税込価格:1,270円
ウナギとの混泳のルールや注意点は?
ウナギは肉食性のため、口に入る生体との混泳はおすすめできません。ウナギの口に入らないサイズで、遊泳ゾーンの異なる魚が望ましいです。同種間の混泳も可能ですが、共食いする恐れがあるため、サイズをそろえて同居させましょう。また、隠れ家になるような土管やパイプなどをレイアウトして、生体が落ち着く環境を整えることもポイントです。
ウナギの飼育に適した水槽の大きさは?
ウナギは最大で1m前後にまで成長しますので、90~120cm以上の水槽を準備することをおすすめします。脱走することが多く、わずかな隙間でも飛び出しますので、フタ付きの水槽を用意してください。砂に潜る性質を持っているため、細かい底砂を敷くといいでしょう。また、寝床や隠れ家になるような土管や塩ビのパイプなどを複数配置するとストレスの軽減につながります。
ウナギの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には、次のような器材を準備しましょう。
水槽設備に関する機器・道具
- 水槽台と水槽マット
- フィルター
- ろ材
- 底砂
- パイプ、土管、岩
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアーポンプ、電源タイマー など
そのほかのグッズ
- 水温計、水質測定キット
- ゴケ取りグッズ
- 水換えポンプ、バケツ
- 餌
なお、ウナギは光を好まないので、照明は必要ないといわれています。
水槽の立ち上げの手順
- 水道水をカルキ抜きしておきます。
- フィルターなど水槽器具を設置し、底砂やパイプなどのレイアウトを行います。
- カルキ抜きした水を入れます。砂がまき散らないように注意しましょう。
- ろ過装置を作動させ、水槽内の水を循環させます。その後、数日間は水だけの状態で空回ししましょう。酸素の循環によりバクテリアの着生が進み、水質が安定しやすくなります。
- 上記の手順を終えたあとで、ウナギを入手しましょう。
水合わせの手順は?ウナギに適した水温や水質は?
ウナギに適した水温は24度~28度で、水質は中性~弱アルカリ性を好みます。
ウナギは丈夫な魚といわれていますが、入手した直後は移動などで体力が落ちていることもあり、急激な水質変化が原因で体調を崩すことも考えられます。次の手順を参考に水合わせを行い、水槽に慣れてもらいましょう。
- 入手した袋のまま水槽に浮かべます(30分~1時間ほど)
- 袋の中に水槽の水を3分の1ほど入れて待ちます(1~2時間ほど)
- 2の作業を4~5回ほど繰り返します
- 水槽にウナギを移動させます
川などで入手した個体は寄生虫が付着していることが多いので、水槽に入れる前に殺菌することをおすすめします。
ウナギの1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
餌の量や与える頻度は?
ウナギは肉食性のため、小魚やエビ類、アカムシなどを食べます。環境に慣れると人工飼料にも餌付くようです。また、イトミミズなどの釣り餌はホルモンなどに漬けられているため、与えない方がいいといわれています。夜行性のため、夜に給餌しましょう。
水変えの時期と方法は?
水換えは一週間に1回程度、水槽の3分の1の水を目安に行います。
- バケツなどに新しい水を入れてカルキ抜きします。
- 水槽の3分の1の水を排水します。
- 1の水を水槽に補充します。
水換え時にはアクセサリー類やガラス面などを掃除して、水槽を清潔に保ちましょう。
ウナギを飼育する上での注意点は?
ウナギは、低水温下ではスレ部分などから水カビが発生しやすくなります。発見が遅れると全身に広がることもありますので、日頃から水温が下がり過ぎないよう注意しましょう。水カビ症状を確認したら、飼育水の半分程度の水換えを行い、ヒコサンZなどの薬品を用いて手当てします。高温にも弱い面があり、水温が32度あたりを超えると体調を崩すこともあるようです。適正水温を保ち、夏場など水温が上昇しやすい時期は特に注意して管理しましょう。
ヒコサンZ(1,240円税込)
ウナギが餌を食べない場合の対処法は?
生体を水槽に入れて間もない時期は、新しい環境に慣れず警戒して餌を食べないことがあります。ウナギの場合、数か月間は餌を食べなくても問題ないといわれていますので、給餌しながら様子をみることも可能です。ウナギがリラックスできる環境になっているか、レイアウトや水質など水槽内を見直してみることも重要です。単に餌が好みでない場合もあるため、普段とは違う餌を与えてみてもいいでしょう。また、冬の間は食欲が落ちるといわれています。
ウナギの種類と飼育方法は?
ウナギには多くの種類が存在しますが、名前に「ウナギ」とついていても、タウナギのように実はウナギの仲間ではない種類も存在します。
ウナギの仲間
ウナギの仲間ではない
ウナギの魅力とは
ウナギは落語や文学の題材にも使用されるなど、食以外にも幅広く日本の生活や文化に浸透している魚です。笑っているような、愛嬌のある表情も魅力のひとつ。この機会に飼い方のコツを覚えて、ウナギを育ててみてくださいね。