ハスの飼育方法:飼い方のコツは?混泳はできる?寿命は?
ハスは見た目がオイカワに似ていますが、オイカワよりも飼育難易度が高い魚です。餌もコイ科の魚にしては珍しく肉食性で小さな魚を食べます。鋭い目つきをしており、遊泳スピードも速いので水槽ではとても目立つ存在になりますよ。
今回は、そんなハスの飼育について紹介させていただきます。
目次
ハスとはどんな魚?寿命はどのくらい?
ハスはコイ科コイ目ハス属に分類される魚で、東アジアと日本に分布する淡水魚です。国内の分布は琵琶湖(びわこ)と淀川(よどがわ)水系と福井県(ふくいけん)の三方五湖にしています。寿命は7年程で、成長すると平均で30cm前後に成長し、最大に40cmほどまでに成長します。オスよりメスの方が大型化しやすい傾向にあります。
食性は完全な肉食性でアユなどを追い込み狩りのように獲物を追い詰めて捕食する珍しい魚です。繁殖期は6月〜7月で幼魚はミジンコやプランクトンなどを食べて成長します。
ハスの飼育は難しい?飼い方のコツは?
ハスの飼育は少しコツが必要な魚になりますので、川魚の飼育経験者向きの魚になります。遊泳スピードが速い上に警戒心の強い魚なので、ちょっとした物音などでびっくりして、水槽内で追突する可能性があるので注意が必要です。また、よく水槽から飛び出しますので水槽のふたはしっかりしたものを選びましょう。
ハスとの混泳はできる?
ハスの混泳相手としては、特徴が似ているオイカワがオススメですが、避難場所として水草を設置はしておきましょう。同種同士の場合は餌を巡って争う場合があります。
ハスの価格は?選び方のポイントは?
ハスはペットショップにて500円前後で購入することが可能ですが取り扱っている店舗は少ないので取り寄せになる可能性があります。選び方のポイントは、口部分が傷ついていたり、欠損していたりする個体は避けましょう。
ハスの飼育に適した水槽の大きさは?
ハスは成長すると30cm前後になり、遊泳範囲も広い魚ですので、最低でも90cm以上の水槽を用意するようにしましょう。また、水槽内には追突防止のために、水草を設置したり飛び出し防止用にクッション付きの重さがあるフタで保護したりなどの対策が必要になります。
せわしなく泳ぎ回っている魚ですので、追突事故により死んでしまうケースも多く、飼育には細心の注意が必要です。水槽内部は水草など最低限のものだけにして、インテリアなどの障害物を増やさないなど工夫しましょう。
ハスの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- クッション付きガラスブタ
- 底砂は大磯(おおいそ)砂などで問題ありません。薄めに引いてあげましょう。
その他の道具
- 熱帯魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
水槽の立ち上げ方は
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。
- 砂利やアクセサリーを洗って水気を切り、レイアウトしましょう。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと水中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2日程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
水槽の立ち上げを完了してからハスを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?ハスに適した水温や水質は?
ハスに適した水温は23℃〜25℃前後です。30℃以上の高温にはならないようにしてください。水質は弱酸性〜中性に保つようにしましょう。ph7.0〜7.5前後にします。また、複数購入する場合には1匹ずつ袋に入れてもらうようにしましょう。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたハスを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- 2を2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後ハスのみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
ハスの餌は?1日に与える量や頻度は?
餌は小魚や赤虫を中心に与えましょう。人工飼料になれるまでかなり時間がかかりますので、最初は生き餌を与えて徐々に人工飼料に切り替えましょう。人工飼料を中心に1日2回2~3分程度で食べ切れる量の餌を与えます。
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 新しい水を用意します。
- 水槽の3分の1水を排水して減らします。
- 排水した分足して完了です。
月に1回は水槽、アクセサリー類を洗いましょう。歯ブラシなどを使用して細かい滑りなども取り除きます。
ハスを飼育する上での注意点
強い光や音に敏感なので風通しの良い日陰がある部屋で飼育するようにしましょう。初期の段階では環境に慣れるまで目隠しなどをして落ち着いて過ごせる環境を作ってあげることが重要です。すり傷や酸欠など、水質の悪化にも弱いため、よりメンテナンスの必要な魚になります。
ハスが餌を食べない原因と対処法
ハスが病気にかかっていないかチェックしましょう。水質が悪化しているようなら水換えを行い、薬浴や食塩浴で手当てしましょう。身体に白い点や棉のようなものがみられたら白点病や水カビ病にかかっていることがらあるので、症状が出た個体は隔離して手当てしましょう。
人工飼料を餌として認識するために時間がかかるので、生き餌と併用して徐々に人工飼料に慣れさせると良いでしょう。幼体は赤虫なども好んで食べるので、おやつ代わりに与えるようにすると喜んで食べます。
ハスの魅力とは?
ハスは活発に動き回り見た目も力強いのですが、温度変化などに弱く飼育難易度は高めの魚になります。こちらの記事を参考にハスに興味を持っていただけたら幸いです。