クサフグの飼育方法:餌は何食べる?寿命はどのくらい?
釣りが好きな人の中にはクサフグに苦労をしいられた人も多いのではないでしょうか。餌の横取りがうまく、硬い歯でハリスを切り、釣りに行ってもかかるのはクサフグだけという日もしばしば。しかし、そんなクサフグもよく見てみると、ツヤツヤの体、ぷかぷかと泳ぐ姿など愛くるしい一面も見せてくれます。
今回は、そんなクサフグの飼育の仕方や飼い方のコツ、適した水槽の選び方などを詳しくご紹介します。
目次
クサフグとは?寿命はどのくらい?
クサフグは、フグ目フグ科に属する海水魚です。個体差はありますが体長は10cmから25cm程度で、寿命は5年から10年と少し長めです。クサフグという名前の由来は背中が緑っぽい色をしているためと言われています。生息地域は幅広く日本では北海道(ほっかいどう)道南から、沖縄(おきなわ)の浅い岩礁、砂地、汽水域に数多く生息しています。
生息地域からも分かるように、普段私たちが見るフグのほとんどは、このクサフグだと言われる理由もよく分かりますね。
クサフグの値段は?選び方のポイントは?
クサフグの相場は500~2,000円程度です。小さいクサフグは病気になりやすく飼育難易度は高めです。初めて飼育する方は、少し大きめのクサフグを購入することをおすすめします。
成長の早いクサフグに適した水槽の大きさは?
クサフグの成長は早く、飼い始めてすぐに体のサイズか変化します。そのため、飼い始めの大きさに合わせて水槽を選んでしまうとすぐ水槽が狭くなり、うまく泳げなくなってしまう事がありますので、少し余裕を持って水槽を選びましょう。
水槽の大きさは45cm以上あれば飼い初めのクサフグなら大丈夫ですが、すぐに成長することを考え60㎝位の水槽を用意しましょう。最近では、60cmの水槽は2,000円程度で購入できますし、水草や流木などの飾り付けを楽しむにも十分な大きさですよ。
クサフグの飼育に必要なアイテムは?
- 海水(人工海水でも可)
- ろ過器
- 海水比重計
- ヒーター
- エアレーション
- 底砂
- 紫外線ライト
ろ過器は海水用、淡水用どちらでもいいので一つ設置しましょう。ただし底に砂を敷き詰めるので底面ろ過装置を設置するようにしましょう。冬場はヒーターによる温度上昇で海水が蒸発し塩分濃度が高くなってしまいます。海水比重計を使って小まめに点検し濃度を一定に保ちましょう。
水槽の立ち上げ方
- 海水は雑菌が繁殖しないように事前に紫外線ライトなどで処理をしておきましょう
- 人工海水を作ります。もらってくるお店の塩分濃度に合わせておけば問題ありません
- 海水ができたら水槽にクサフグが隠れる事ができる程度に砂を敷き詰めます。そして海水を入れ水草や石、流木などを設置します。
- 最後に底面ろ過装置や温度調節器具を設置しバクテリアがある程度繁殖するまで置いておきます。
海水は淡水よりバクテリアの繁殖が遅いので、早めに水槽の準備を進めておきましょう。
水合わせの手順は?クサフグに適した水温は?
- 水槽のバクテリアが十分に繁殖したらクサフグを水槽にいれます。
- クサフグはあまりあついところを好まないので水温は25度前後に設定しておきましょう。
- 環境の急激な変化を防ぐためにもらってきた袋のまま水槽につけ温度を合わせます。
- 袋から水槽に移す時もいきなり袋から水槽に移すのでなく袋に水槽の水を加えながらゆっくり移し替えましょう。
初めは新しい環境になれず砂に隠れてしまうかも知れませんが一時間程度でぷかぷかと泳ぎ始めます。
クサフグの餌は?餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
クサフグは小さい時はあまり警戒心もなく配合飼料もよく食べますが、少し成長すると警戒心が強くなり、なかなか食べてくれなくなります。オキアミやゴカイなど自然の餌を与え、警戒を解いて徐々に配合飼料に切り替えていきましょう。
クサフグの餌の頻度は、3日から4日に一度お腹いっぱい食べさせてあげましょう。餌の量は個体差が出るので少しずつ与えて様子を見ましす。
水換えの時期は?
水換えは月に2回、水槽の3分の1程度の水を交換するのをおすすめします。海が近くにある方は、海水をくんできて交換するのがコストもかからないのでいいですよ。
ただ、天然海水は事前に雑菌の繁殖を無くすために光が通らない場所や容器に入れて保存し、紫外線ライトで殺菌、ろ過して使用しましょう。近くに海がない方は人工海水を使用します。
クサフグを飼育する上での注意点やポイント
クサフグは、ほかの魚より警戒心が強いという特徴があり、普段は砂の中に潜って生活しています。なので、クサフグがリラックスできるような環境を作るためにも、水槽には砂を敷いてあげましょう。また病気で気を付けなければいけないのは白点病です。クサフグは白点病に特にかかりやすく海水魚のクサフグにとっては命に関わる病気となります。
クサフグはウロコを持たないので白点病など雑菌に弱い面があり、水槽の水換えやバクテリアの減少などに気をつけなければいけない所があります。一番の白点病対策は水質や水温など水槽環境を安定させることです。水槽の中のバクテリアを豊富にし水温を一定にすることで白点病は事前に防ぐことができますよ。
餌を食べない原因は?
飼い始めの頃は、まだ環境になじめず、なかなか餌を食べてくれないかも知れません。まずは水槽の環境になれてもらうようにしましょう。ここで大切なのは水槽に砂を敷いて隠れることのできる場所を作ることです。砂は皮膚を傷つけないために海岸の砂やサラサラのサンゴ砂を敷くのをオススメです。環境をしっかり整えても餌を食べない場合は病気を疑ってください。
クサフグのかかりやすい白点病の症状に餌を食べなくなるというものがあります。餌を食べない時はしっかりクサフグを観察し変化に気づけるようにしましょう。
大きく育つクサフグの魅力は?
クサフグはうろこがなく環境が悪いとすぐに病気になってしまい飼育難易度は少し高いかも知れません。ただ、砂の中に一生懸命隠れる姿、ぷかぷかと水槽を漂う姿は見るだけで心が癒やされます。また、人にもなつき、餌の時間には水面近くまで寄ってくるかわいらしい魚です。寿命も長く、しっかりお世話をすればびっくりするくらい大きくなります。
手間はかかりますが、それ以上に癒やしを与えてくれるクサフグ。ぜひ飼育してみてはいかがでしょうか?