ハゼの飼育方法:飼い方のコツは?適した水槽は?餌は何を食べる?
ハゼは全世界のあらゆる水域に生息しているスズキ目ハゼ亜目の総称です。その数はなんと2000種類以上も存在しています。釣りでお馴染みなのはマハゼです。観賞用として飼育されているのは、テッポウエビと巣穴を共にして生活するイトヒキハゼやネジリンボウ、そして姿が美しい遊泳性のクロユリハゼやサツキハゼの仲間が多いです。
今回は、ハゼの飼育方法や飼い方のコツ、寿命などの特徴をご紹介します。
目次
ハゼとはどんな魚?寿命は?
ハゼの多くは円筒形の形をしているものが多いです。淡水だけでなく、汽水域に生息する種などもいます。ヨシノボリやムツゴロウもハゼの仲間ですし、ツムギハゼは毒を持っていますので、「ハゼ」といっても特徴は種によってさまざまになります。寿命は1~3年で、体長は小さいものはゴマハゼで1~2cm、大きいものだと50cmを越える種もいます。
ハゼの飼育は難しい?飼い方のコツは?
ハゼは大きく2つに分かれます。遊泳ハゼと呼ばれるクロユリハゼ科のハタタテハゼは、飼育が簡単で初心者におススメです。共生ハゼと呼ばれるネジリンボウの場合、共生の様子を観察するためにテッポウエビを一緒に飼育すると難易度は少し上がります。
ハゼとの混泳のルールや注意点
ハタタテハゼはおとなしい性格なので、自分より大きな魚だと襲われる危険性がありますが、小さい魚であれば混泳は可能です。ネジリンボウもおとなしい性格なので混泳は可能です。ただ、テッポウエビと共生する場合はテッポウエビが食べてしまうようなお魚を水槽に入れることは避けてください。同種だとペア以外は縄張り争いや殺し合いをしてしまうこともありますので避けてください。
ハゼを購入するときの選び方は?
ハゼをアクアリウムショップで購入する際は、入荷からしばらくたったもので餌をよく食べる個体を選びましょう。入荷直後だと水槽の環境に慣れていないため、ストレスを抱えていることも多いのです。
ハゼに適した水槽は?大きさは?
ハゼの大きさによって水槽は変わってきます。ネジリンボウはテッポウエビと共生させても30cm水槽で十分です。単体で飼育する場合でも30cm水槽であれば問題ないでしょう。体長が大きいマハゼや混泳する場合は45㎝以上の水槽で飼育してください。
ハゼの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外でハゼを飼育するために必要なものを紹介します。
1.水槽の外に設置する設備
- 水槽設備・・・水槽台、水槽マット、フタ
- ろ過装置・・・フィルター・ろ材
- 水温調節・・・クーラーや冷却ファン、ヒーター
- 水質調整・・・水質調整剤(カルキ抜き)、海水の素(海水飼育の場合)
- ポンプ・・・エアレーションや水流を発生させるため
- そのほか・・・照明、ライブロック(海水飼育の場合)
2.水槽内に設置するもの
- 水草・・・淡水で飼育する場合は、レイアウトと隠れ家も兼ねて水草を植えてあげると良いでしょう。
- オブジェ・・・ハゼはおとなしい性格のものが多いので、隠れ家として設置してあげましょう。
- 底砂・・・ネジリンボウなどの共生ハゼを飼育する際は、 砂に工夫をすると良いでしょう。サンゴ砂を基本にして、目が細かいものや粗いものを混ぜ合わせて水槽の床に厚めに敷くと良いです。パウダー系のものを敷いてしまうと、砂が崩れてしまい上手に巣穴をほることができません。
3.その他飼育に必要なもの
- 掃除や水換えグッズ・・・バケツ、プロホース、メラミンスポンジ
- 水温計
- 比重計(海水飼育の場合)
- 水質測定キット
水槽の立ち上げ方
ハゼの水槽立ち上げについて説明します。今回は共生ハゼを想定した水槽立ち上げです。
- 水槽を購入したら洗剤を使用しないで洗浄する
- 水槽を水槽台に置き、フィルターをセットする
- カルキ抜きした水に海水の素を入れて、海水を作る
- サンゴ砂を敷き、ライブロックをセットしたら、海水を入れる
- 水質を測定し硝酸が観測されれば、ろ過バクテリアが機能している
- 水槽の半分の水を交換する。1~2日に1回。3回程度行えば、立ち上げ完成です
水合わせの手順は?ハゼに適した水温は?
ハゼに適した水温は25℃前後です。
- 購入した袋のまま水槽に30分~1時間程度浮かべる
- 個体と袋の水をバケツなどの容器に移し、水を1/3程度抜いて、抜いた分の海水を水槽から補充する
- 20~30分程度したら再び、容器の1/3程度の水を入れ替える
- 2~3回繰り返した後、ハゼを水槽に移す
ハゼの餌は?1日に与える量や頻度は?
アカムシやイトミミズなどを食べます。市販されているドジョウの餌などの人工飼料も食べます。1日に2~3回2~3分で食べきれる量をあげましょう。
水換えの時期と方法は?
1週間に1度、水槽の1/3程度を交換しましょう。
ハゼを飼育する上での注意点は?どんな病気にかかる?
ハゼは水カビ病や白点病にかかりやすいので、水質をしっかり管理して、病気にかからないように注意しましょう。
ハゼが餌を食べない場合はどうする?
アカムシやイトミミズなどを食べます。市販されているドジョウの餌などの人工飼料も食べます。共生ハゼは臆病な性格のものもいます。餌をあげても食べに来ない場合がありますので、そういう時はスポイトを使用して直接ハゼの口元まで餌を運んであげると良いでしょう。底にいるハゼの仲間の場合は沈下性のある餌に変えてみましょう。
ハゼ科の仲間・種類
マハゼ
トビハゼ(マッドスキッパー)
ヨシノボリ
ウキゴリ
ワラスボ
ムツゴロウ
ゴクラクハゼ
キヌバリ
ハゼの魅力とは
ハゼは飼育が比較的簡単で、観賞用として優れている種もいます。また共生ハゼをテッポウエビと飼育すれば、生態を観察することができ、違った楽しみ方もできます。他にもいろいろな特徴をもったハゼの仲間がたくさんいますので、興味を持ったハゼを飼育してみてはいかがでしょうか?