トビハゼ(マッドスキッパー)の飼育:寿命は?適した水槽は?
泥の上をピョンピョンと跳ねる姿がかわいいトビハゼは、別名「マッドスキッパー」というカッコいい名前があります。ですが、訳すと、マッドは「泥」、スキッパーは「跳ねるもの」という意味で、意外とトビハゼの特徴そのままの名前なんですよ。アクアリウムショップなどでは、英名のマッドスキッパーの名前で販売されていることが多いです。
今回は、そんなトビハゼの飼育の仕方や寿命、水槽の立ち上げ方などについて説明していきます。
目次
トビハゼってどんな魚?寿命は?
トビハゼは魚なのに水中ではなく、干潟の泥の上を這ったり飛び跳ねたりして移動するという特徴を持った少し変わった魚です。日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布し、日本全国の淡水と海水が混じり合った汽水域という干潟に生息しています。
寿命は、オスは約1年、メスは3年ほどと、性別によって大きく異なります。大きさは成長すると10cmほどになります。
トビハゼの飼育はむずかしい?飼うときのコツは?
トビハゼには泥地が必要になるため、水槽内の水深は浅くし、陸地を用意する必要があります。水深の浅い汽水で飼育するため、初心者とっては若干ハードルの高い熱帯魚と言えます。
また、縄張り意識がとても強いので、複数のトビハゼを同じ水槽内で飼う場合は、大きい水槽で広い陸地を用意してあげる必要があります。
トビハゼと混泳はできる?
トビハゼは汽水域で飼育しなければならない点と、他の魚のように水の中でずっと過ごすわけではないので、一般的な淡水魚・海水魚との混泳はできません。
トビハゼを購入するときの選び方は?
ショップでトビハゼを購入する際には、食欲があり、元気よくピョンピョン跳ねているトビハゼを選びましょう。食欲はタイミングもあり確かめるのが難しいので店員さんに聞いてみるとよいですよ。
名前:トビハゼ(ミナミトビハゼ)
税込価格:1,010円
トビハゼに適した水槽は?
個体の大きさによっても変わりますが、30~40cmの水槽で1~2匹を目安に飼育すると良いでしょう。トビハゼは自分のテリトリーを作りたがる習性があるので、広めの水槽を用意しましょう。
トビハゼの飼育に必要なアイテムは?
- 水槽のフタ
トビハゼは飛び跳ねるので、フタをしっかりと閉めておかないと、外に飛び出てしまうという事故が起こります。 - 水質調整剤
- 人工海水の素
- ヒーターとヒーターのカバー
- 水温計
- 砂利、流木、陶器の器など、安定した陸地を作れるもの
- 照明器具
- 水草
汽水での水草育成は高難度です。トビハゼの水槽に水草は特に必要ありません。 - 砂
弱アルカリ性の水質を維持する必要があるため、サンゴ砂がお勧めです。体を傷つけないように、角張っていない丸いものを選びましょう。もともとの生育環境を再現するために、泥を使う方法もありますが、泥は管理がとても難しいので特に初心者には不向きです。 - 水流
水流は必要ありません。エアレーションは水質の保持と、水温を均等化するために使います。 - 餌
トビハゼは人工飼料をあまり好まないため、餌は冷凍赤虫がおすすめです。 - ポンプ
基本的に定期的に水換えをすることによって水質を維持するので、ろ過装置、ポンプの必要はありません。
水槽の立ち上げの手順は?
トビハゼを飼育するために必要なものを揃えたら、水槽の準備をしましょう。水洗いをしてはいけないものを除き、器具は軽く水洗いをし、水槽を任意の場所に設置し、底砂を敷きます。
一番重要なポイントは汽水作りです。バケツに水を用意し、まずは水質調整剤(カルキ抜き)を入れよくかき混ぜます。その後、人工海水の素を入れ汽水を作ります。
水槽に水を入れる際には水深に注意します。水深の目安は、トビハゼの体長と同じ程度~体高の半分以上が浸かる程度です。
水合わせの手順は?トビハゼに適した水温・水質は?
トビハゼに適した水温は22度~28度、汽水の塩分濃度は海水の20~25%です。必要であればお湯を足すなどして水温、濃度の調整をしてください。水槽に移す時は、一般的な熱帯魚と同じように水合わせを行います。しかし、トビハゼはもともと水中で生活をしているわけではないので、一般の熱帯魚ほど時間をかけて慎重に行う必要はありません。
アクアリウムショップの袋ごと、水槽の水に浮かべて水温に慣らした後、水槽内に入れてあげましょう。
トビハゼの餌は?量や与える頻度は?
トビハゼのは人工飼料でも問題ありません。食いつきが悪い場合は赤虫などの生き餌を混ぜて徐々に人工飼料に慣れさせていきましょう。1日1~2回2~3分程度で食べきれる量を与えましょう。
どんな餌でもトビハゼの口に入るサイズに調整しましょう。食べ残しが多いと早く水が汚れます。
水換えの時期と方法は?
基本的に2週間に1度、水換えをしましょう。よほど水が汚れている場合を除き、水槽内の水を全部取り換えるのではなく、半量ぐらいずつの量を換えるようにします。
水換えをする時には、あらかじめ汽水を作っておきます。まず水深が半分ぐらいになるまで、水槽の水をすくって捨てます。この時、食べかすや目に見えるゴミがある場合は、できる限りすくって取り除いてください。それから新しく作った汽水を元の水深になるまでゆっくりと入れます。
また、トビハゼの水槽は他の熱帯魚と違い水深が浅いため、水が蒸発してしまうと塩分濃度が一気に上がってしまいます。毎日水深チェックをして、水が減っている場合は淡水を足して、水深を維持しましょう。
トビハゼを飼う上での注意点は?どんな病気にかかる?
水槽の水量が少ないため、水の塩分濃度と共に、水温にも注意が必要です。水温が上がり過ぎてしまうと、酸欠になることがあります。
また、ピョンピョンと飛び跳ねるため、角がある底砂や置石などがあると体を傷つけてしまうことがあるので注意しましょう。
トビハゼが餌を食べない場合はどうする?
トビハゼはストレスを感じると餌を食べないことがあります。まずは餌の大きさが適正か、口に入るサイズかどうか見直してみてください。それでも食べない場合は、水槽の周りを布や紙で覆い、落ち着いた環境で餌を与えてみて様子をみましょう。
トビハゼを飼育する魅力は?
陸で生きる不思議なトビハゼは、美しく優雅に泳ぐ熱帯魚とは違う魅力があります。可愛らしいジャンプを毎日観賞できるように、水質、水温チェックは欠かさずに行い、快適な飼育環境を保つようにしましょう。