キヌバリの飼育方法:餌は何を食べる?寿命は?
キヌバリは、黄褐色の身体に黒いしま模様が特徴的なハゼの仲間です。吸盤をもっていますが、水槽のガラス面などに吸い付いたりすることはなく主に水草群の中を好んで生活します。美しいしま模様は水槽内でも目をひく存在で観賞魚としても需要のある魚ですよ。
今回は、キヌバリの飼育方法について紹介していきます。
目次
キヌバリとはどんな魚?寿命は?
キヌバリはスズキ目ハゼ科に分類される海水魚で、日本や朝鮮(ちょうせん)半島の岩礁域に生息しています。
寿命は3年前後で、成長すると15cm前後に成長し、7〜8本の黒いバンド模様が入ります。このバンド模様は生息域により数が異まります。
左右の腹鰭(はらびれ)は相して吸盤状になっており、水草や岩礁域を登ったりします。食性は肉食よりの雑食性で、ゴカイや甲殻類を捕食します。人工飼料も問題なく食べますので安心してくださいね。
キヌバリの飼育は難しい?飼う時のコツは?
キヌバリは温帯の魚ですので、温度変化に弱い面がありますが、温度管理をしっかりすれば飼育しやすい初心者向きの魚です。気が強い面があるので、隠れ家を設置してテリトリーを確保できるように飼育してあげるとストレスなく生活できます。
キヌバリとの混泳はできる?ルールは?
キヌバリは少々気が荒い面がありますので、混泳相手はサイズをそろえることが重要です。また、隠れ家を複数設置して混泳する魚同士が喧嘩しないように配慮しましょう。
おすすめの混泳相手としてはカサゴ類やクマノミなどですが、同サイズの魚でしたら混泳に挑戦してみてもよいでしょう。
キヌバリの販売価格は?選び方のコツは?
キヌバリは500円前後で販売されており、入手可能です。しま模様がはっきりしたきれいな個体を購入するようにしましょう。温度変化によるストレスで白点病を発症しやすい面があるので、抵抗力の高いワンサイズ大きな個体を導入するのがおススメです。
キヌバリに適した水槽は?大きさは?
キヌバリの飼育には最低60cm以上の水槽を選ぶようにしましょう。混泳を考えている場合には90cm以上の水槽を用意しましょう。海水の水質安定のためにも水槽は余裕のあるサイズを選ぶとよいですよ。
ろ過装置は上部フィルターなどの大きさのあるものを取り付けて水質が悪化しないように浄化作用が高いものを選ぶようにします。
キヌバリの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要なアイテム
- 人工海水の元
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
その他のアイテム
- 熱帯魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
- 比重計
砂底は海水魚用のものでしたら、どのようなものでも適応します。サンゴ岩などで岩礁域を再現してあげましょう。
水槽の立ち上げ方
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。人工海水の元を入れて海水水槽を立ち上げます。
- アクセサリーを洗って水気を切り、レイアウトしましょう。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2ヶ月程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
水槽の立ち上げを完了してからキヌバリを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?キヌバリに適した水温・水質は?
キヌバリに適した水温は25℃前後です。30℃以上の高温にはならないように気をつけて夏はクーラー等を使用します。水質は中性に保つようにします。ph7.5〜8.0前後にします。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたキヌバリを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- 2を2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後キヌバリのみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
キヌバリの餌は?1日に与える量や頻度は?
キヌバリの餌は、海水魚用の人工飼料で問題ありません。おやつに冷凍クリルやゴカイを与えると良いでしょう。1日2回2~3分で食べ切れる量を与えます。食欲旺盛で貪欲に食べますので、量はしっかりと調整しましょう。
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 新しい水を作ります。
- 水槽の蒸発した分を足し水します。
- 比重計を利用して塩分濃度に問題がなければ、水換えが完了です。
月に1回は水槽、岩などを洗いましょう。歯ブラシなどを使用して細かい滑りなども取り除きます。
キヌバリを飼育する上での注意点は?気をつける病気は?
キヌバリは導入時に水温が高いと白点病になる可能性がありますので、導入時にはしっかりとトリートメントをした上で水槽に放つようにしましょう。
温帯域に生息する魚ですので、低温には弱い面があります。水温管理は他の魚よりもやや気にして管理するようにしましょう。特に冬季などの水温が下がりやすい時期には、ヒーターを使用して温度変化が急激にならないように気をつけましょう。
またキヌバリが他の魚を攻撃してしまうこともありますので、混泳は様子をみながら行いましょう。
キヌバリが餌を食べない場合はどうする?
水温が下がりやすい時期は衰弱して動きがにぶり、餌を食べなくなる場合があります。ゴカイやクリルなどといった餌の方が、食いつきは良いので人工飼料を食べない場合には変更して与えてみましょう。
また、水温も急激に変化していないかチェックしましょう。白点病など病気を発症している場合は隔離し薬浴させましょう。
キヌバリは岩礁域を好み、その周辺を休憩場所にして休みます。サンゴ岩など落ち着けるよう設置してあげましょう。
キヌバリの魅力とは?
キヌバリの飼育方法について紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
キヌバリは見た目も目立ち水槽内でも目立つ存在で水槽内の彩りとしても最適です。混泳相手は相性を選びますが、複数飼育が可能ですので、海水水槽立ち上げの際には是非一員に加えてみて下さい。