プレコの飼育方法:寿命はどのくらい?種類は?餌はいらないって本当?
水槽のお掃除屋さんとして有名なプレコは、他の魚の食べ残しやコケなどを上手に食べて、水槽をきれいに保つのに大変力を発揮してくれる魚です。また種類も豊富で、網目のような模様がきれいなセルフィンプレコから、マニアの間で人気が高い特徴的な形をしたロイヤルプレコまでさまざまです。
今回は、そんなプレコの飼育方法や種類、特徴について解説していきます。
目次
プレコとはどんな魚?寿命はどのくらい?
プレコはナマズの仲間で、南アメリカの熱帯地域に生息しています。プレコという名称は通称で、主に観賞魚として飼育されている種類のものをこう呼びます。成長すると30cm前後の小型な種類もいれば、1メートル以上の大きさになるものまで、種類によってさまざまです。
特に、ペットショップで売られているもっともポピュラーなセルフィンプレコは、1メートル以上と大きく成長しますので、飼育にはそれなりのスペースが必要になります。
寿命は10年〜15年程で、観賞魚として飼われているものは10年前後です。
プレコの飼育は簡単?
プレコは丈夫で飼いやすい魚ですが、種類別に気をつけることも異なり、どのプレコを飼うかによっても変わってきます。基本的には流木の下にいるのを好みので、隠れられるスペースを作ってあげると良いでしょう。
また、食べ残しの餌を食べてもらう掃除屋さんとしても活躍してくれますが、食べ残しだけでは足りませんので、プレコ用の餌もしくは沈むタイプの餌を与えましょう。餌を特に与えていない場合、栄養失調で突然死する恐れがありますので、しっかり餌は与えてくださいね。
プレコの値段は?購入するときのポイントは?
プレコは種類によって値段も幅広く、大きさで値段も変わってきます。小さいものは400円程度で安価に手に入りますが、ロイヤルプレコのような人気の種類や模様が鮮やかな観賞魚用として人気のプレコは希少価値も高く、6,000円〜数万円することもあります。自分がどのような用途でプレコが欲しいのかを明確にして購入するのが良いでしょう。また、その際は奇形な個体やぐったりしている個体は選ばないようにしましょう。
飼育に適した水槽は?
プレコは、大型になる場合がありますので、最低でも60cmの水槽を用意します。プレコの種類によっては気性が荒く、混泳できない種類もいます。単一で飼育する場合にはそのプレコがどのぐらいの大きさに成長するのかを見極めて水槽を準備してください。
他の魚と混泳させる場合には、プレコは大きくなると他の魚の身体をなめて弱らせてしまう場合がありますので、プレコを隔離する必要があります。また、プレコは成長すると気性が荒くなるので混泳には注意してください。
飼育するとき水槽のほかに準備するものは?
- ろ過フィルター
- プレコ用の餌、または沈下性のある餌
- ヒーター
- 温度計
- カルキ抜き
- 流木
底砂も敷いても問題ありませんが、かじりついて削りますので、細かくなった底砂がろ過フィルターに詰まらないようにしましょう。流木があれば隠れ家として利用するプレコがほとんどですので、設置してあげると良いです。フィルターは上部フィルターのようなろ過機能が高いタイプを選ぶようにします。
水槽の立ち上げ方
- まずカルキ抜きした水道水を水槽にゆっくりと入れます。底砂をひく場合は洗って乾かした砂を3cmぐらいになるように敷き詰め、水を入れます。
- フィルターを回しながらヒーターをセットして水温を24℃〜28℃ぐらいに設定します。phは6.5〜7.0に設定するようにします。
- そのままの状態で2日程魚を入れずに、循環させて水を安定させます。
プレコは急激な水質や水温の変化がなければ対応できる比較的強い魚ですが、水温が低すぎることには弱いので必ずヒーターで水温を上げてから迎えるようにしましょう。
水槽に入れるまでの手順
- 購入したプレコを袋ごと水槽に浮かべ、水温を合わせます。
- 1時間程置いたら、袋の水を少し捨て、水槽の水を入れます。そして40分程置きます。
- 水合わせを完了したらプレコのみ水槽に移します。
- 袋の水は汚れていて、菌が水槽に入り込む原因ですので、捨ててください。
迎えた初日はプレコにもストレスがかかっていますので、絶食させて様子を見ます。
1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
1日に必要な餌量は?
身体が小さいうちは1日1回沈下性の餌を与えます。プレコはゆっくりかじりついて餌を食べますので、1.2粒目安にあげましょう。ある程度の大きさに成長したら1日2回に増やすと良いでしょう。
水換えの時期は?
他の魚と混泳している場合もプレコのみで飼育している場合にも10日に一度は全体の3分の1の水は交換するようにします。この時に新しく足す水の温度と水質を一定にしてください。プレコの身体が大きくなるにつれて水が汚れるスピードも速くなりますので、成長に合わせて1週間に1回を目安に水換えを行います。
プレコを飼育する上での注意点は?栄養失調には要注意!
プレコは身体の皮が固く、少しの衝撃では傷つきませんが、成長とともに気性が荒くなるのでプレコ同士で争いになり、お互いに傷を作ってしまうことがありますので注意してください。
突然死してしまう場合がありますが、ほとんどの場合は栄養失調が原因です。食べ残しの餌だけでは十分な栄養をとることはできませんので、必ずプレコ用に沈下性の餌を与えるようにしましょう。
餌を食べない原因は水温?
水温が低くないか、または高すぎないかチェックしましょう。もし、水温が変化していた場合はヒーターを使って24℃〜28℃まで戻すようにします。夏場の急激な温度上昇にもプレコは弱いですので、クーラーやファンを使って温度を下げます。
プレコはほとんど動きがなく水槽に張り付いていますが、底でじっと動かない場合は身体が傷ついている可能性があるのでチェックしてください。また、餌が足りず、栄養失調になっている可能性もあるので沈下性の餌を与えて様子を見ます。
プレコの種類
プレコは焼く10種類ほど存在します。ここでは、それぞれの写真と特徴をご紹介していきます。
セルフィンプレコ
優雅な容姿が特徴的なプレコの一種。尾びれや背びれが大きく、成長すると30~50㎝にもなるといわれています。平均1年間に2cmの速さで成長するため、水槽の大きさには注意しましょう。
何でも食べる雑食性なので、「コケ」や「赤虫」などいろいろな餌を食します。長生きでも知られ、10年以上の寿命があります。35年以上生きた例も確認されています。さらに、セルフィンプレコは同族同士の混泳に向いており、大きさが同じくらいの熱帯魚だと混泳は可能です。
名前:セルフィンプレコ
税込価格:800円
ミニブッシープレコ
ミニブッシープレコは、最大の体長が15cmと、小さめでかわいらしい姿をしたプレコの一種です。
水質にも特にこだわるところはなく、餌付けも容易にできますので、初心者にも飼育しやすいというメリットがあります。餌に関しては、「コケ」や、他の熱帯魚の食べ残しなども食すので、水草のお掃除係としても活躍します。
また、性格も温厚といわれていますので、ミニブッシープレコが食べられない大きさの熱帯魚であれば混泳が可能です。
名前:ミニブッシープレコ
税込価格:800円
タイガープレコ
タイガープレコは、名前の通り虎のような模様の入っているプレコの一種で、最長で10㎝ほど成長する小型の熱帯魚です。
南米(なんべい)などに生息しているため、水温が下がると白点病になったり元気がなくなったりします。このため水温は常に28度程度に保っておくようにしましょう。
タイガープレコは混泳が可能ですが、魚によってはいじめられたり追いかけられたりするケースもあるため、土管など隠れられるシェルターを用意するようにしましょう。
名前:タイガープレコ
税込価格:1,300~
インペリアルゼブラプレコ
インペリアルゼブラプレコは、その名の通り、白と黒のゼブラ柄を有したプレコの一種です。
水槽のお掃除係として有名だったプレコを「観賞用の熱帯魚」に昇格させた革命児ともいわれています。最大で10cmほどにしか成長しないこともあり、水槽選びにとらわれることもなく、飼育しやすい熱帯魚として人気が高いです。
水温は24度前後に保つのが適切なようです。また、おとなしい性格で、縄張りに対する意識も高くないため、他の魚などとの混泳も可能です。
名前:インペリアルゼブラプレコ
税込価格:3,500円~
ロイヤルプレコ
ロイヤルプレコは、模様や肌の色が多岐にわたるプレコの一種。水玉模様を有するスポットロイヤルプレコ、黒地に緑色の模様を有したグリーンロイヤルプレコなどが代表的です。
体長が最大で60㎝程度まで成長するため、飼育には60㎝以上の水槽が必要です。また、吸盤のような口で水槽に吸い付く習性がありますので、傷のつきやすいアクリル水槽ではなく、丈夫なガラスの水槽を使用してください。
混泳について、小さいうちは複数のプレコとの混泳が可能ですが、体長が20㎝を超えると他の種類のプレコとは別々の水槽で飼育してください。
名前:ロイヤルプレコ
税込価格:2,300円~
ゴールデンブルーフィンプレコ
プレコの一種ですが、緑地に黄色いヒレという、他のプレコに比べると華やかなボディーの持ち主です。
ブルーフィン・プレコに黄色が有したように見えるため、ゴールデンブルーフィンと名付けられました。レモンフィンプレコとも似ていますが、背ビレ基底部が脂ビレと接触しているか否かが区別の決め手となります。体長は最大で20cmほどまで成長します。
飼育は比較的簡単で、育てやすいといわれています。温和な性格なので、体長が同程度であれば混泳も可能です。
名前:ゴールデンブルーフィンプレコ
税込価格:4,900円
サッカープレコ(ヒポプレコ)
プレコの中でも特に流通量が多い一種。アジアでの養殖が盛んで、定期的に輸入されています。「サッカー」とは、英語で「吸う者」という意味です。
水槽のコケ取りとして飼育されているケースが多いですが、最大で40cmほど成長するため、大型の水槽で飼育する必要があります。水温は22から28℃くらいが適温です。
丈夫な種類ですが、幼少期は痩せやすいため注意してください。混泳も可能ですが、成長に伴って気性が荒くなるため別々に管理するのが望ましいといえます。
名前:サッカープレコ
税込価格:800円
ウルトラスカーレットトリムプレコ
大きなボディーと勇ましいうろこ、赤色の鮮やかなヒレが人気のプレコの一種です。ウルスカとも呼ばれています。最大で30cm以上に成長しますので、水槽は90~120cmくらいの大型のものを用意してください。
成長に伴ってパワーも強くなるため、泳ぐたびに底砂を巻き上げてしまいます。水槽のレイアウトも崩れてしまうため、底砂も入れないベアタングで飼育するのが望ましいといわれています。また、気性が荒いため、他のプレコとの混泳は避けるようにしましょう。
名前:ウルトラスカーレットトリムプレコ
税込価格:24,000円
オレンジフィンレオパードプレコ
レオパード模様が特徴的なプレコの一種。とげがある種類で、トリム系とも呼ばれます。
気性の荒いのが特徴で、肉食の傾向もある種類です。このため、肉食魚用のフードや冷凍赤虫などを餌とします。コケ取りが目的での飼育には向いていませんので注意が必要です。
最大で30㎝ほどの大型魚に成長しますが、徐々に性格が荒々しくなり、テリトリー意識も強くなる傾向にあります。混泳も可能ではありますが、シェルターを確保するなど十分な配慮を必要とします。
アグアプレコ
最大で1mほどにも成長する、大型のプレコ。黒い体に白いスポット模様が特徴的ですが、成長に伴って白い模様は消え、ボディー全体が黒く変化します。胸ビレなどに鋭いトゲが発達するのも特徴のひとつ。
大型種のため、水槽は120cm以上の大型のものを用意します。傷がつくためアクリル水槽は使用しないようにしましょう。底砂はあっても差し支えありませんが、ベアタングでの飼育が適切です。餌は植物性のものが中心ですが、動物性のものも与えてあげましょう。攻撃的な性格のため、成長した後の混泳は避けるのが望ましいといわれています。
名前:アグアプレコ
税込価格:1,800円
プレコは優秀な掃除屋さん!
プレコは掃除屋さんとしても優れキレイな水を保つのに一役かってくれます。そんなプレコは種類も多岐にわたり、飼育方法も無限大です。ぜひこの記事を参考にプレコの飼育を検討してみてください。