ミナミヌマエビの飼育方法:餌は?混泳の注意点は?適した水温は?
ナミヌマエビは西日本などを中心に生息している日本固有亜種のエビで、「南沼蝦」とも表記されます。透き通った涼しげな体色がトレードマークで、水槽のコケや魚のエサの食べ残しなどを食べることから主に水槽の掃除係として親しまれています。
今回は、そんなミナミヌマエビの飼い方のコツや注意点などについてご紹介します。
目次
ミナミヌマエビってどんな魚?寿命はどのくらい?
ミナミヌマエビは十脚目ヌマエビ科に属するエビの一種。主に西日本の淡水域に生息していますが中国や台湾・朝鮮半島などにも亜種が分布しています。透明感のある体に薄い色味が付いており、背中から尾にかけて一本の白い線模様が入っているのが特徴的です。体長は最大で3cm程度、寿命は1年~2年ほどです。釣りの餌として使用されるほか、観賞魚としても人気があります。
ミナミヌマエビの飼育は難しい?
ミナミヌマエビは水温水質の変化に敏感な傾向はありますが、環境に慣れると丈夫で適応力も高いといわれています。コケや残餌を食べるため水槽の掃除係としても役立ってくれるでしょう。飼育の際は水合わせを慎重に行い、高水温や酸欠などに注意することがポイントです。
ミナミヌマエビと混泳はできる?
ミナミヌマエビは小型でおとなしい生体との混泳が適しています。混泳の際はウィローモスなどで隠れ家を作ってあげることをおすすめします。また、エビ類は魚に捕食されることが多いため、口に入る大きさの魚とは同居させないよう注意しましょう。繁殖を狙いたい場合はミナミヌマエビ単独で飼った方がいいといわれています。
ミナミヌマエビを購入するときの選び方は?
ミナミヌマエビは熱帯魚ショップやネット通販などで販売されています。活発に動いている元気な個体を選びましょう。移動中などの衝撃に弱いため、ネット通販で購入する場合は死着保証サービスのあるショップを利用するとなお安心ですよ。
名前:ミナミヌマエビ
税込価格:756円
ミナミヌマエビに適した水槽の大きさは?繁殖させる場合は?
ミナミヌマエビは全長が3cm程度のため、30cmサイズなどの小型水槽から飼育することができます。酸欠に弱いため、エアレーションや酸素供給力の高いフィルターを使用して十分に空気を取り込むことが重要です。また、稚魚がフィルターの吸込み口に吸い込まれることがあるため、スポンジなどを使って吸い込み口をカバーしましょう。
ミナミヌマエビの飼育に必要なアイテムは?
水槽設備に関する機器・道具
- 水槽台
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター
- 底砂
- 水草(ウィローモスなど)
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアーポンプ
なお、底砂には水質が安定しやすいソイルがおすすめです。最近はエビの飼育に適したソイルも販売されていますよ。
そのほかのアイテム
- 水温計、水質測定キット
- 掃除グッズ
- 水替えポンプ、バケツ
- 餌
水槽の立ち上げの手順は?
ミナミヌマエビの水槽立ち上げについて説明します。
- 水道水をカルキ抜きしておきます。
- 水槽やフィルターなどの機材を設置し、底砂・水草などのレイアウトを行います。
- カルキ抜きした水をゆっくり入れます。
- ろ過装置を作動させて水槽水を循環させます。数日間はそのまま水だけの状態で空回ししましょう。酸素が循環してバクテリアの繁殖・着生が促され、水質が安定しやすくなります。
- 上記の手順を終えてからミナミヌマエビを入手しましょう。
水合わせの手順は?ミナミヌマエビに適した水温や水質は?
なお、ミナミヌマエビに適した水温は22~27℃程度です。水質は弱酸性~弱アルカリ性の水を好みます。
点滴方法による水合わせ方法
用意するアイテム
エアチューブ、一方コック、キスゴム、エアストーン
(エアチューブの片方に一方コックを、もう片方にエアストーンを付けておきます)
水合わせの手順
- ミナミヌマエビが入ったビニール袋を水槽に浮かべて30分ほど待ち、袋と飼育水の温度を合わせます。
- 生体をビニール袋の水と一緒にバケツなどの容器に移します。
- バケツは水槽より低い位置に置いておきます。
- エアストーンが付いた側のチューブを水槽に入れ、動かないようキスゴムで固定しておきます。
- 一方コックを取り付けたチューブの空気を吸って、水槽水をチューブ内に誘導します。(水槽水を飲まないよう注意しましょう)
- チューブ内に水が溜まってきますので、一方コック側のチューブをバケツへ入れて水槽水を移していきます。
- 一方コックを開閉しながら4秒に一滴程度のペースで水を移します。
- 6と7の作業を3~4回ほど繰り返します。
- ミナミヌマエビのみを水槽に移しましょう。
ミナミヌマエビの餌は?餌の量は?
ミナミヌマエビは水草やコケ、他の魚の残餌などを食べますが、沈水タイプのフードやヌマエビ用フード、茹でたほうれん草なども食べます。餌の回数は1~2日に1回程度が目安です。
水換えの時期と方法は?
1~2週間に一度、水槽の3分の1程度の水を換水します。本種は水温水質の急激な変化を苦手としますので、慎重に作業を行いましょう。
- 水道水をカルキ抜きし、水温と水質を飼育水とほぼ同じに合わせます
- 排水します
- 新しい水を少しずつ入れます(より慎重に行いたい場合は点滴法で水を足しましょう)
ミナミヌマエビを飼育する上での注意点は?どんな病気にかかる?
ミナミヌマエビは高水温が苦手だといわれています。特に夏場の水温上昇に注意し、必要であればクーラーや冷却ファンを使用して水温を28度以下に保ちましょう。また、エビ類は薬品に弱いため無農薬の水草をレイアウトすることも重要です。その他、水カビ病や白濁などの病気にかかることがありますので注意しましょう。病気になった場合、薬浴や塩浴を行うと生体が弱る恐れがありますので水換えや水温水質を見直すことで対処してください。
ミナミヌマエビが餌を食べない場合はどうする?
ミナミヌマエビが餌を食べなくなる原因の一つに水温の低下が挙げられます。特に冬場は越冬に備えて餌を食べ控えるため、低水温によって食欲が落ちている場合は暖かい季節になるまで様子をみても良いでしょう。また、水質の急変や悪化が原因で餌を食べなくなることもあります。この場合は拒食から体調不良につながる恐れがありますので、水質のチェックや水換えなどを行って飼育水を生体に適した状態に整え直すことが重要です。
ミナミヌマエビの魅力とは
ミナミヌマエビは体色に個体差があるため、様々なカラーを楽しめるという魅力もあります。コケ取りとして飼育する場合は多めに導入すると良いですよ。ペットとしても人気がありますので、ぜひ育成に挑戦してみてくださいね。