オトヒメエビの飼育方法:餌は何を食べるの?混泳はできる?
赤と白のしま模様が美しいオトヒメエビは、水族館の展示などでも見かける海水域に生息する色鮮やかなエビです。ウツボに取り付き、口の中の食べ残しをとったりしてくれるクリーニング要員としても知られています。また、水槽内でも目立つ存在で、彩りを添えてくれますよ。
今回は、こちらのオトヒメエビの飼育についてご紹介いたします。
目次
オトヒメエビとはどんな魚?
オトヒメエビは十脚目オトヒメエビ科に分類される海水域のサンゴ礁に生息する甲殻類です。日本では房総(ぼうそう)半島より以南に生息しています。魚の体表にとりつき、動物性たんぱく質を餌として生活しています。真っ赤な身体と長いはさみ足が特徴ではさみ足でプランクトンなどを捕らえて口に運び食べます。
成長しても60ミリ程度にしかならず、小型の甲殻類であるため飼育も取り入れやすいです。寿命は3年前後で飼育下では5年程生きる個体も確認されています。
オトヒメエビの飼育は簡単?飼い方のコツは?
オトヒメエビは日本の気候になじみやすい魚ですので水合わせさえしっかりすれば、飼育はしやすいです。サンゴ礁の環境を好む魚ですので、水質管理は他の海水魚水槽よりも注意する必要があります。
オトヒメエビと混泳はできる?おすすめの魚は?
オトヒメエビは他の甲殻類とは縄張りを争いますので、混泳はできません。逆にウツボなどの凶暴な性格の魚類にもうまくとりついて共生関係になるので、だいたいの海水魚と混泳が可能です。小魚との混泳もできますが、オトヒメエビが捕食してしまわないように隠れ家などを用意する必要があります。
オトヒメエビの価格は?選び方のポイントは?
オトヒメエビは海水魚の取り扱いがあるショップでしたら3,000円前後で購入することが可能です。ネットショップですと種類が多いので、そちらで探して購入するのも良いでしょう。
名前:オトヒメエビ
税込価格:398円
オトヒメエビに適した水槽の大きさは?
オトヒメエビのみを飼育する場合には60cm水槽でも飼育が可能です。海水魚水槽を立ち上げる際には、ある程度水量がないと水質を維持することが難しくなりますので大きめの水槽を用意しましょう。
サンゴと混泳させる場合には広めの水槽と循環がきっちりできるろ過装置を用意します。流れが激しくないタイプのものを選びましょう。
オトヒメエビの飼育に必要な道具は?
オトヒメエビの飼育には下記の機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 人工海水の元
- 照明器具
- ろ過装置
- ヒーター等
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
- 温度計
その他の道具
- 魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
砂底を敷く場合にはサンゴ砂がオススメです。小粒の角が荒くないタイプのものを選んで使用します。
オトヒメエビの飼育準備!水槽の立ち上げ方
水槽の立ち上げを完了してからオトヒメエビを入手して水合わせをしましょう。
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。人工海水の元を入れて海水を作ります。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと水中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2ヶ月程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
水合わせの手順は?オトヒメエビに適した水温や水質は?
オトヒメエビに適した水温は23℃前後です。30℃以上の水温には適応できませんので注意が必要です。水質は弱アルカリ性に保つようにしましょう。ph8.0前後にすると適応しやすいです。酸素不足にならないように水換えを手早く行います。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたオトヒメエビを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後オトヒメエビを水槽に移し、袋の水は捨てます。
オトヒメエビの餌は?与える頻度は?
食べ残しのみではオトヒメエビが飢え死にしてしまうことがありますので、エビ用の餌を与えるようにします。沈下性のものを選びましょう。量は、1日1回ひとつまみ程度エビ用の人工飼料を与えます。一度に食べる量はそこまで多くはありません。ミジンコやブラインシュリンプなども食べます。
水換えの時期は?
オトヒメエビの水換えは、7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 新しい水を用意します。
- 蒸発した分を足し水します。
- 比重計を使い、塩分濃度に問題がなければ水換え完了です。
水槽のガラス面も掃除するようにして水が腐敗しないようにしましょう。サンゴ礁やオトヒメエビが傷つかないように慎重に水換えを行います。
オトヒメエビを飼育する上で気を付けるべき病気は?予防や対策は?
オトヒメエビは水槽導入時に水合わせを丁寧に行わないと白点病にかかってしまうことがあります。甲殻類には使えない薬剤もあり、病気にさせないことが大切です。
さらにはオトヒメエビは定期的に脱皮をしますが、うまく脱皮できないと脱皮不全に陥り、中途半端に脱皮してしまった部分が壊死(えし)して菌が内臓まで達してしまい死に至ることもあります。自然に脱皮できるのを促進させるために水温は常に一定に保つようにしましょう。
中途半端についた皮は無理やり剝がすとけがの元になりますので、隔離して様子をみましょう。
オトヒメエビが餌を食べない原因と対策は?
オトヒメエビは、一回の給餌量でそこまで食べませんので、食べ残したものは取り除くようにしましょう。食べ残しをそのまま放置すると水質が悪化してしまい、体調不良になり拒食になってしまうことがあります。
また、混泳相手の食べ残しのみですと栄養不足に陥り餌を食べなくなってしまうことがあります。オトヒメエビにもエビ用の餌を給餌するようにしてしっかり食べさせることが大事です。
また、急激な水質の変化はオトヒメエビの負担になりますので、水換えの際には三分の一だけにするようにします。
オトヒメエビの魅力とは
鮮やかな赤い身体が美しく、さまざまな魚の口周りを掃除してくれるオトヒメエビはタンクメイトとしても良き存在です。鮮やかな色彩の海水魚水槽を作りたい方にはオススメの甲殻類で、小型で飼育しやすいのも魅力的ですよ。