ウツボの飼育:餌は何を食べる?寿命はどのくらい?
海のギャングと呼ばれるウツボは、大きく太い身体は貫禄と、迫力のある顔で観賞魚として大変人気のある魚です。ウツボの飼育は、ポイントを抑えれば決して難しいものではなく、初心者の人でも十分に飼育は可能ですよ。
今回は、そんなウツボの飼育方法や寿命、餌の種類などを紹介していきます。
目次
ウツボはどんな魚?寿命はどのくらい?
ウツボはウナギの仲間で、岩の隙間やサンゴの間に潜んで小魚やエビなどを捕食する肉食魚です。その種類はなんと200種類以上も。ほとんどの種類は、温暖な気候の海に生息しています。日本では四国(しこく)の高知県(こうちけん)などに生息し、一部の地域では郷土料理として食べられているようですね。
寿命は野生だと長命で40年ぐらい生きるものもいますが、飼育下では短く約20年です。一度お迎えすると長期の付き合いになりますので、継続して飼育できるか検討する必要があります。
ウツボを飼育するコツは?
ウツボの飼育は、1メートル以上にもなることから、広いスペースと大きなライブロックや隠れ家など、必要なものさえそろえれば、飼育自体は容易です。ウツボは肉食魚で口に入る魚は捕食してしまいますので、単独飼育が基本です。
ウツボを購入するときの選び方は?
ウツボはペットショップで、5,000円前後で手に入ります。小さい個体は水合わせの際に弱ってしまう場合がありますので、ワンサイズ大きな個体の購入をおすすめします。また、ウツボは身体が大きくなるほど暴れん坊になりますので、袋を二重にするなど購入後の移動には注意しましょう。
種類:イエロースポットウツボ
税込価格:4,320円
飼育に適した水槽の大きさは?
ウツボは大きくなると1メートル以上に成長するため、120cm以上の水槽を用意した方が良いでしょう。また、ウツボは身体が大きくなると力も強く気性も荒くなりますので、飛び出し防止のため、厳重にフタをします。
ウツボとの混泳はできる?
混泳は、口に入るものは貪欲に捕食してしまいますので、基本的には単独飼育です。ウツボ同士を混泳させる場合にはテリトリー確保のため1人では管理しきれない程の巨大な水槽が必要になり費用も高額です。
飼育に必要なアイテムは?
ウツボを飼育する上で必要なものは以下のアイテムです。
- 人工海水の元
- 比重計
- 温度計
- ヒーター、クーラー類
- カルキ抜き
- 水が循環する大型フィルター
- 小魚エビ等の生き餌、人工飼料
- ライブロックや隠れ家
- 重さのあるフタ
底砂を敷く場合は自然と近いサンゴ砂がオススメです。ライブロックや土管などをうまく組み立ててウツボの隠れ家を作ります。隠れ家がないとストレスで飛び跳ねたり暴れたりしますので、必ずテリトリーとなるスペースは用意してあげましょう。
ウツボは人工飼料の食いつきが悪くいので、魚の切り身、エビ、小魚などをあげましょう。また、グルメな一面があり、同じ餌は飽きて食べなくなりますので、複数の餌を用意しましょう。
水槽の立ち上げ方
- 水槽は一度洗って、天日干しで完全に乾かします。
- 水道水にカルキ抜きを入れてカルキを抜きます。
- 人工海水の元を入れて海水を作ります。
- 比重計を使い塩分濃度を確認して、静かに水槽に入れていきます。この時に洗った底砂、隠れ家をセットしてから入れましょう。
- 水を入れたらフィルターを起動させて水を循環させて酸素を流し、バクテリアを発生させてフィルターに定着させます。水が完成するまで1カ月〜2カ月かかります。
水合わせの手順は?水温や水質は?
ウツボが袋で暴れると破けてしまいますので、目隠しをしながらゆっくり行います。
- ウツボを水槽に袋ごと浮かべ、1時間程置いて水温を合わせます。
- 水温は25℃に設定します。
- 袋の中の水を少し捨て、水槽の水をいれます。
- 40分程置きます。
- 2、3回同じように繰り返します。
- 比重計で塩分濃度が一緒になったか確認したら、ウツボのみを水槽内に移します。
以上で飼育の準備が整います。
1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
1日の餌の量、回数は?
1~3日に一回与える程度で十分です。量は与えれば与えた分だけ食べるので餌の大きさにもよりますが、お刺身サイズの切り身でしたら一回につき5個程度を目安に与えると良いでしょう。人工飼料にはなれにくく、生き餌が基本になりますので費用はかかってしまいます。
水換えの時期は?
海水は水が蒸発していき塩分濃度が次第に濃くなっていくため、淡水を足し水して塩分濃度が高くならないようにします。比重計を使い、塩分が極端に上がらないように観察してください。砂利やライブロックなども月に1回は洗うようにしましょう。水換えの際に暴れた場合、水槽から飛び出してウロコを傷つけることがあるので気をつけてくださいね。
ウツボを飼育する上での注意点
ウツボは急激な温度変化に弱いため、冬場のヒーターは必須です。ヒーターが1つだと効きにくい場合がありますので、2台使用して水温の急激な変化は避けましょう。夏場はクーラーをつけて30℃以上にならないようにします。
また、隠れ家がないとストレスがかかり、衰弱死してしまう場合があります。テリトリーだと思えるライブロックや土管を設置して対策しましょう。
ウツボが餌を食べない場合はどうする?
ウツボは人工飼料に慣れづらく、生き餌しか受け付けない個体もいます。餌が好みじゃない場合は、食べなくなりますので、違う種類の切り身などに変えてみましょう。
また、身体に傷がないか確認しましょう。けがをしていると動きが鈍くなり食べなくなる場合がでてきます。もし、けがを発見した場合は手当てする必要があります。手当て薬はペットショップや通販で購入することができます。
水温が原因の場合もあります。その場合は、水温を少し高めにして様子をみましょう。
ウツボを飼う魅力は?
ウツボは迎えると長い付き合いです。根気と体力がいる魚ですが、長年のパートナーとして愛着がわく要素をたくさん兼ね備えた魚でもあります。この記事でウツボに興味を持っていただけたら幸いです。