アサザの育て方:植え方や増やし方の方法は?トリミングの仕方は?
アサザは、可憐な花とハート形の葉が特徴的な浮葉性の水草で、水位の浅い場所に生息することから浅紗・浅々葉とも呼ばれています。溜め池などに生息する水草ですが、ビオトープや睡蓮鉢などで育成することも可能です。育成も難しくなく、和の雰囲気を楽しみたい人には特におすすめの水草です。
今回は、アサザの育て方や植え方、増やし方の方法や管理のコツなどについてご紹介します。
目次
アサザってどんな水草?
アサザは、ミツガシワ科に属する水草の一種。ユーラシア大陸の温暖な地域を中心に生息し、日本では本州(ほんしゅう)や九州(きゅうしゅう)などに分布、溜め池や水路など水位の低い場所を好んで生育しています。茎を分枝させながら60cm程度にまで成長し、スイレンに似た切れ込みのある葉を水面に浮かべるのが特徴です。5月~9月頃にかけて、キュウリの花に似た黄色(あるいは白)の一日花を咲かせることでも知られています。育成については、葉を水面に浮かべる特性を活かし、ビオトープや睡蓮鉢などのレイアウトに向いています。また、近年は生育環境の減少によって自生数が減り、2007年の環境省のレッドリストでは準絶滅危惧に登録されています。
アサザの育て方はむずかしい?
アサザを育てる難易度は低く、栄養が不足しなければ問題なく育つといわれています。水生植物用の土などを用意してアサザを植え込み、水を浅く張るか葉が沈み過ぎないよう水位を調整します。茎が横に伸びるため、広くて深さのある容器で育てることをおすすめします。日当たりのいい場所を好みますので、配置場所に注意しましょう。また、鉢植えを鉢ごと水に入れて育成する方法もあります。
アサザの増やし方のコツは?
アサザは、株分けによって増やすことが可能です。
アサザの株分け手順
- アサザの茎の節から根が出てきます
- 根が出た茎を適度にカットします
- カットした草体を植え直します
- 新しい葉が出たら肥料を与えてあげましょう(ゆっくり溶ける粒状のものを使用するのが望ましいです)
また、株分けの他には成長した茎をカットして増やす方法もあります。
アサザのトリミングの仕方は?
アサザは繁殖力が強いため、定期的なお手入れが必要です。葉が重なり合って水面を覆ったり、水面からせり出して株が弱ることもありますので、成長具合をみてトリミングや株分けを行いましょう。また、年に2回程度は株分けの際に植え替え作業を行うことが望ましいです。
アサザの選び方は?
アサザを購入する際は、茎や葉が弱々しくない草体を選びましょう。葉に変色や枯れた箇所がないかチェックすることも重要です。アサザはネット通販などでの購入が可能で、ビニールポットの3号や4号サイズで販売されていることが多いです。値段も600円前後と、入手しやすい価格で流通しています。
名前:アサザ
税込価格:648円
アサザに適した水温や水質は?
アサザは20度~28度ほどの水温を好みます。耐寒性があるため、冬の間も水中育成が可能です。葉は枯れたようになりますが、根茎で越冬する性質があります。水質については、弱酸性~弱アルカリ性の軟水~中硬水が適しているといわれています。
アサザの水質浄化効果は?
アサザは、光合成を行う際に窒素やリンなどを吸収する性質があるため、水質浄化効果にも期待が持てる水草です。アサザは、その保全管理の取り組みとして自治体が造成するビオトープなどで育成されていますが、生物の環境維持や水質浄化作用にも期待できます。自宅で育成する際も、水中の余分な養分を吸収して富栄養化を防ぎ、良好な水質維持に役立ってくれるといえるでしょう。
アサザが枯れる・溶ける場合に考えられる原因と対処法
アサザは、冬になると葉が枯れて根茎で越冬する習性を持っています。暖かくなると新しい葉が生えてきますので、枯れたのが冬場であった場合は春まで様子をみてもいいでしょう。また、肥料不足で弱る場合もあります。水生植物用の土に肥料が入っていない場合は、肥料を用土に埋めて育てましょう。植え替えの際も、市販の元肥を入れて栄養を補給してあげます。アサザは、栄養が足りていれば比較的容易に開花するともいわれているため、栄養補給を意識して管理しましょう。
アサザと相性のよい魚・悪い魚は?
相性のよい魚
アサザは、ビオトープや睡蓮鉢での飼育に向いているメダカとの同居がおすすめです。メダカは丈夫で水質にもうるさくなく、餌や排泄物が少ないので飼育水の悪化防止にもつながります。また、夏場にわきやすいボウフラを食べてくれるというメリットもあります。最近では、アサザとメダカのビオトープセットを販売しているネットショップもありますので参考にしてみてください。メダカの他には、アカヒレやミナミヌマエビ・貝類などとの同居にも向いています。
相性の悪い魚は?
アサザと相性が悪いのは、ライオンフィッシュなどの汽水魚や、ルリスズメダイのような海水魚です。これらの魚とは生育に適した水質が合わないため、アサザと一緒に育てることはできません。淡水で飼育できる魚であっても、体高のあるエンゼルフィッシュなどの魚やディスカスなどの大型魚はビオトープ環境に向かないため同居はおすすめできません。また、アサザを屋外で育てる場合は、高温に弱いヤマトヌマエビなどの導入は控えましょう。
アサザの魅力とは
アサザは、平安時代からこの名前で呼ばれており、和歌や俳句に読まれるなど古くから日本人に親しまれてきた水草です。育てやすく、開花させやすいという点も魅力的ですね。ここでご紹介した管理のコツを参考にして、アサザで和の風情を楽しんでみてくださいね。