カボンバの育て方:植え方や増やし方は?トリミングの方法は?
カボンバは、金魚藻のひとつとして有名な水草です。金魚のほかにも、メダカ水槽や熱帯魚水槽などのレイアウトに広く用いられています。初心者向きの水草ともいわれていますが、マツモ・オオカナダモなど他の金魚藻に比べると管理に注意するポイントが多いです。
今回は、カボンバの育て方のポイントや植え方、増やし方のコツやトリミングの方法などについてご紹介します。
目次
カボンバってどんな水草?
カボンバは、ハゴロモモ科に属する水草の一種。原産地は北アメリカですが、日本でも外来種として関東(かんとう)以西の河川などに多く自生しており、和名でフサジュンサイとも呼ばれています。草体の長さは1~4cmほどで、細い葉を広げた姿が樹木のように見えるのが特徴的です。沈水植物のため水中での育成が可能で、日本では金魚藻として金魚水槽やメダカ水槽のレイアウトに多く用いられてきました。熱帯魚水槽でのアクセントにも使用され、アクアリウム全体を通して人気のある水草です。成長速度が速いので、中景・後景のレイアウトに使用される傾向があります。
カボンバの育て方はむずかしい?
カボンバは初心者向きの水草と紹介されることもありますが、マツモやオオカナダモのような他の金魚藻に比べると育成難度が上がります。屋内水槽で育成するためには、最低でも20Wの2本~4本程度の光量を与え、二酸化炭素(Co2)を添加するのが望ましいといわれています。色鮮やかに育てたい場合は液肥の添加も必要です。また、適応する水質が狭い傾向があるため、水質管理にも注意が必要です。
カボンバの増やし方のコツは?
カボンバは、トリミングと差し戻しによって増やすことが可能です。
- カボンバを底床に根付かせ、脇芽がある程度増えるのを待ちます
- 茎の節の下から5mm程度の部分をカットします
- カットした脇芽を別の場所へ植えます(差し戻しといいます)
- 母体となった草体、新しく植えた脇芽双方が成長します。
- 4の脇芽が伸びたら、2と3の手順を繰り返します。
上記のほかに、長いカボンバの茎をカットして差し戻しする方法もあります。
カボンバのトリミングの仕方は?
カボンバは成長スピードが速いため、定期的にトリミングを行う必要があります。カットする際は、繊維をつぶさないようによく切れるハサミを使用しましょう。また、カボンバはトリミングに強くない面がありますので、短くカットし過ぎず、10cmほど残しておくのが望ましいです。
カボンバを購入するときの選び方は?
カボンバを購入する際は、茎が丈夫で弱々しくないか、草体に変色箇所や溶けている部分がないかなどをチェックして選びます。また、購入したカボンバの根元が鉛やスポンジなどで固定されている場合は、固定部分の草体が腐ってしまうことがあるため、きれいに取ってから底砂に埋め込みましょう。
名前:カボンバ
税込価格:810円
カボンバに適した水温や水質は?
カボンバに適した水温は15度〜28度程度といわれています。水質についてはやや敏感で、酸性~弱酸性の軟水を好んでアルカリ性や硬水を苦手とします。このため、硬度を上げる性質のあるサンゴ砂などの導入は控えましょう。なお、日本の水道水は軟水なので適応しやすいといわれています。
カボンバの水質浄化効果は?
カボンバは、成長が早いので水質浄化効果にも期待できる水草です。生体の食べ残しや排せつ物などから発生した、水槽内の過剰な栄養分を吸収し、富栄養化を防ぐ働きをしてくれるでしょう。しかし、枯れたり溶けたりするとカボンバ自体が亜硝酸やアンモニアなどを発生させ、飼育水の状態を悪化させてしまいますので注意が必要です。
カボンバが枯れる溶ける場合に考えられる原因と対処法
カボンバが枯れる原因としては、まず栄養不足が挙げられます。大磯(おおいそ)砂などの砂利に植えている場合は、栄養分を十分に吸収できていない可能性が考えられます。底床用の肥料を添加するか、ソイルで育成しましょう。水質が適切に保たれていない場合も草体の不調につながります。カボンバはアルカリ性と硬水に弱いため、水質をpH5.5〜7ほどに保って管理するようにしましょう。また、光量不足で弱ることもありますので、定期的に照明の具合をチェックし、十分な光を与えて生育してください。
カボンバと相性のよい魚・悪い魚は?
相性のよい魚
カボンバは金魚藻といわれている通り、金魚との相性がよい水草です。水温や水質が合うのはもちろん、金魚の寝床としても活躍します。メダカも相性がよく、カボンバを産卵床に使用するため繁殖にも役立ちます。ミナミヌマエビなどのエビ類との同居もおすすめです。ただ、金魚やエビ類はカボンバを食すことが多いので気になる方は注意してください。また、ブラックルビーなど、弱酸性の軟水を好む熱帯魚との相性もよいといえるでしょう。
相性の悪い魚は?
カボンバと相性が悪い魚は、アルカリ性や硬水の水質を好む魚です。特に、アフリカのタンガニーカ湖などに生息する、フロントーサなどの魚との同居は控えましょう。熱帯魚の大半は弱アルカリ性を好みますが、最近では中酸性を好むグッピーなども流通していますので、事前にチェックすると安心です。また、海水や汽水環境ではカボンバが育たないため、海水魚や汽水魚との相性もよくありません。底床に潜るコリドラスなどの魚も、カボンバの根を荒らす可能性が高いため同居には向いていないといえます。
カボンバの魅力とは
カボンバは枝のように伸びた葉が美しい水草です。ほかの金魚藻とは違って少々気難しい面もありますが、独特の存在感で水槽のアクセントになってくれますよ。ぜひ育て方のコツを参考にして、カボンバをレイアウトしてみてくださいね。