セキショウの育て方:増やし方のコツは?トリミングの方法は?
セキショウは真っすぐに伸びた葉が印象的な水草で、アコルスとも呼ばれています。薬草としても知られていますが、庭やアクアリウムなど観賞用に育成されることも多い植物です。寒さに強く冬でも枯れないため、1年を通して深いグリーン色を楽しむことができますよ。
今回は、セキショウの特徴や育て方のコツなどについてご紹介します。
目次
セキショウとはどんな草?
画像元:楽天市場
セキショウは、ショウブ科ショウブ属に分類される植物の一種。日本をはじめ、中国(ちゅうごく)やベトナムなどに生息し、水辺や川の岸辺、水辺の岩・湿地などに自生しています。コシのある細長い草体が特徴的で、30cmほどに成長します。根茎は薬草として利用されることが多く、神経痛や健忘症などの手当てに使用されています。観賞用としては庭園などで栽培されることが多いですが、水中での育成も可能です。オープンアクアリウムや屋外水槽・アクアテラリウム・ビオトープに向いており、長さがあるためレイアウトの中・後景に用いられることが多いです。
セキショウの育て方はむずかしい?
セキショウの育成難度はさほど高くないといえるでしょう。成長スピードが緩やかで、寒さにも強く枯れにくいというメリットもあります。水中で育成する場合は、水槽のフタを外して葉先を水面に出すオープンアクアリウムのスタイルで育成することが多いようです。また、水中で栽培する際は二酸化炭素を投入することをおすすめします。
セキショウの増やし方のコツは?
セキショウは、株分けによって増やすことが可能です。セキショウは比較的成長の遅い水草ですが、ある程度株が大きくなったら株分けを行うのが望ましいです。
- 増やしたい草体の株を抜きます。
- 根を分けます(それぞれ2、3芽がつくようにします)
- 葉を半分程度に切り詰めます
- それぞれの株を植え直します(底床を厚くして植えましょう)
トリミングの仕方は?
セキショウは緩やかに成長しますので、普段のお手入れは特に必要ありません。古い葉が多くなったり、株が混むようになったりしたらトリミングを行いましょう。セキショウのトリミングは、春の新芽が伸びる前に行うのが理想的といわれています。
セキショウを購入するときの選び方は?
セキショウは、園芸店やアクアリウムショップなどで購入することができます。1株500円程度で販売されています。草体にハリがあり、変色した箇所や枯れた部分がないかなどをチェックして選ぶことがポイントです。
名前:セキショウ5本セット
税込価格:3,240円
セキショウに適した水温や水質は?
セキショウに適した水温は15~25度で、高温に弱い傾向があります。水質については弱酸性~中性の軟水~中硬水が適していますが、十分な二酸化炭素の投入によって弱アルカリ性の水質にも適応できるといわれています。
セキショウの水質浄化効果は?
セキショウは、屋外ビオトープを利用した水質浄化の実証実験などに用いられることもあり、水質浄化効果にも期待できる水草です。生体の排せつ物や餌の食べ残しから発生するアンモニアなどの有害物質を栄養分として吸収し、飼育水を浄化する働きを担ってくれるでしょう。富栄養化の予防にもつながり、良好な水質の維持にも役立ちます。
セキショウが枯れたり溶けたりする場合に考えられる原因と対処法
セキショウは枯れにくく、病気にもなりにくい丈夫な植物といわれています。直射日光や乾燥にも耐えるといわれていますが、日に当てすぎると葉が色あせる傾向があります。どちらかというと半日陰や日陰で育てた方が緑が濃くなりますので、葉が変色した場合は日当たりをチェックしてみてください。また、害虫が発生しにくいともいわれていますが、暖かい時期などは虫が付着することがあります。害虫を発見した際は、被害が広がらないよう薬剤などを塗布して駆除しましょう。
セキショウと相性のよい魚、悪い魚は?
相性の良い魚
セキショウと相性のよい魚の一つはメダカです。セキショウはメダカの冬眠場所になるといわれているため、メダカビオトープなどでおすすめされることも多いです。また、メダカは低温にも強いため、高温に弱いセキショウとの同居にはぴったりといえるでしょう。アクアリウムの場合も、ある程度低温に耐える魚と一緒に育成することが望ましいといえます。アカヒレやドクターフィッシュなど、幅広い水温下で生息できる魚を選ぶようにしましょう。
相性の悪い魚
セキショウと相性の悪い魚は、水槽外に飛び出す性質のある魚です。セキショウは葉先を水上に出して育成する場合が多いため、水槽にフタをしないオープンアクアリウムスタイルで管理されることが主流です。ナマズなど、飛び出し事故が起こりやすい魚との同居には向いていません。どうしても一緒に飼いたい場合は、水位を低くするなど対策を行って飛び出しを防ぎましょう。また、セキショウは高温を苦手とするため、暖かい環境を好む熱帯魚との同居には注意が必要です。
セキショウを育てる魅力は?
セキショウは中・後景に植えられることが多く、どちらかというと他の水草を引き立てる地味で控えめな水草です。しかし枯れずに冬を越すことが可能なため、常に緑色を保ってくれる貴重な存在でもあります。ぜひ育て方のコツを参考にして、セキショウをレイアウトしてみてくださいね。