水芭蕉とは?育て方や増やし方のコツは?トリミングの方法は?
水芭蕉は花びらのような白い仏炎苞が特徴的で、市区町村の花に指定されたり、群生地が観光スポットになったりと古くから日本人に親しまれてきた植物です。自宅で育成することもでき、主に水鉢やビオトープなどで育てられています。比較的育てやすく、管理次第では仏炎苞を楽しむこともできますよ。
今回は、水芭蕉の特徴や育て方や増やし方のコツなどについてご紹介します。
目次
水芭蕉ってどんな水草?
水芭蕉は、サトイモ科に分類される植物の一種。日本をはじめサハリンやカムチャツカ半島などに生息し、国内では北海道(ほっかいどう)・近畿(きんき)地方以北の日本海(にほんかい)側に分布しています。草体の長さは15cm~80cm程度で、葉の中央から白い仏炎苞を開き、その真ん中に小型の花が集合した花序をつけるのが特徴的です。花が咲き終わると葉が成長し、15cm~80cmほどの長さに伸びます。育成については、湿性・抽水性の植物であるためアクアリウム水槽などでの沈水育成には向いていません。ビオトープや水鉢などにレイアウトし、根元まで水に浸して育てるスタイルが適しています。
水芭蕉の育て方はむずかしい?
水芭蕉は比較的育てやすい水草だといわれています。根元まで水に浸し、水を絶やさないように注意して管理しましょう。また、花が咲くまでには数年程かかります。花を楽しみたい場合は気長に育成するか、開花見込みの苗を購入することをおすすめします。
水芭蕉の増やし方のコツは?
水芭蕉は、実生によって増やすことが可能です。
- 涼しい場所で熟した種を水に浮かべます(水が汚れたら取り替えましょう)
- 発芽したら、2,3週間ほど葉が伸びるのを待ちます
- 葉が伸びたら、苗を1本ずつポットに植えます(ポットは常時水に浸しておきましょう)
また、実生のほかに株分けでも増やすことができます。育成している水芭蕉に子株ができたら、分けて植え直しましょう。
トリミングの仕方は?
水芭蕉は、トリミングというよりは枯れた葉を取り除き、花がらを除去するなど必要に応じてお手入れを行うようにします。葉の汁にかゆみや水ぶくれを生じさせる成分があり、根茎には嘔吐や下痢を引き起こす成分が含まれていますので、取り扱いには注意しましょう。
水芭蕉を購入するときの選び方は?
水芭蕉を購入する際は、草体にハリがあるか、枯れた部分や変色している部分がないかなどをチェックしましょう。ポット苗で販売されていることが多く、ネット通販などでは開花見込みの苗を販売しているショップもあります。
名前:水芭蕉
税込価格:1,425円
水芭蕉に適した水温や水質は?
水芭蕉に適した水温は20度~28度といわれています。暑さに弱い面があるので、夏の間は半日陰など涼しい場所で育成してください。水質については、弱酸性~弱アルカリ性の軟水~中硬水が適しています。新鮮な水を好むため、小まめに水換えを行いましょう。
水芭蕉の水質浄化効果は?
水芭蕉の水質浄化効果については、今のところはっきり分かっていない部分が多いです。水草である以上、不要な栄養分を吸収するなど一定の水質浄化機能は備わっているはずですが、環境や育成状態によって差があるかもしれません。あまり過信せず、水換えを行ったり、水草浄化効果の高い他の水草と一緒に育てたりして水質を管理しましょう。
水芭蕉が枯れる・溶ける場合に考えられる原因と対処法
水芭蕉は、冬の間は葉を枯らし、根茎で越冬する習性があります。春になると新芽を出すといわれていますので、枯れたのが冬の時期ならば春まで待ってみましょう。葉が枯れてしまっても、水を切らさないように管理することが重要です。寒さには強いですが、暑さには弱いため夏場の温度管理に注意しましょう。日除けをして、半日陰の涼しい場所で育成することをおすすめします。水温を上げないよう、定期的に水換えを行うことも効果的です。
水芭蕉と相性のよい魚・悪い魚は?
相性のよい魚
水芭蕉は、メダカやアカヒレなど、ビオトープでの飼育に適している魚との相性がよいといえます。これらの魚は小型で適応力も高く、餌や排泄物の量が比較的少ないので飼育水が汚れにくいというメリットもあります。ミナミヌマエビなどのエビ類や、タニシやカワニナなどの貝類もビオトープでの飼育に向いており、水質の浄化やコケ対策にも役立つでしょう。また、飼育環境の広さにもよりますが、金魚など少し大きめの魚と一緒に育てることも可能です。
相性の悪い魚は?
水芭蕉は、ビオトープでの飼育に向かない魚とは総じて相性がよくないといえます。特に、アクアリウム水槽での飼育が適しているグッピーやエンゼルフィッシュなどとは同居させることが非常に難しいです。ミドリフグなどの汽水魚や、カクレクマノミのような海水魚も、生育する水質が異なるため一緒に育てることはできません。また、ビオトープにおすすめされる魚であっても、高温に弱く、屋外での飼育に向いていないヤマトヌマエビなどとの同居は控えるようにしましょう。
水芭蕉の魅力とは
大きな白い仏炎苞が魅力的な水芭蕉。花が咲くまで数年かかるといわれていましたが、最近では開花見込みの苗がネットなどで販売され、より気軽に育てることが可能になっています。ここでご紹介した管理のコツなどを参考にして、水芭蕉の育成に挑戦してみてくださいね。