イトウの飼育方法:飼い方のコツは?寿命はどのくらい?
日本最大級の淡水魚と知られるスマートな身体つきが特徴的なイトウ。自然界での数が減少していることから保護活動が盛んになっているいますが飼育が可能な魚です。水槽での飼育は迫力がありますし、成長過程が非常に緩やかな魚なので、長期にわたって飼育を楽しめますよ。
今回は、イトウの飼育方法や飼い方のコツなどについて紹介していきます。
目次
イトウとはどんな魚?寿命は?
イトウはサケ目サケ科イトウ属に分類される川魚です。日本では北海道(ほっかいどう)の一部の湖畔、樺太(からふと)や南千島(ちしま)に分布しています。成長すると最大1メートル以上になり、寿命も10年以上と長命です。
現在、イトウはダムによる川の寸断などにより北海道の尻別川(しりべつがわ)での自然繁殖は絶望視されており、数が急激に減少しています。
イトウの飼育は難しい?飼うときのコツは?
イトウは川の王様とも言われるほど大型に成長します。丈夫で環境にも慣れやすいので飼育自体は簡単ですが、大きな水槽が必要なことから経験者向きの魚であると言えるでしょう。 イトウは力が強いので水槽は頑丈なタイプのものを選びましょう。
イトウとの混泳はできる?
イトウは肉食性の魚ですので、基本的には口に入るものは全て捕食してしまいますので基本的に単独飼育になります。イトウ同士での混泳は可能ですが、身体が巨大になるため2匹以上となると水槽もかなり大きなものが必要になりますのでおすすめしません。
どうしても2匹以上飼育したい場合は、水槽が狭いとストレスがかかり暴れて水槽内に追突しケガをする原因になりますので、混泳させる際には十分なスペースを確保しましょう。
イトウの価格は?選び方のポイントは?
イトウは8,000円前後でペットショップやネット通販で販売されています。サイズの大きい個体は丈夫ですが、力が強いので暴れないように導入時は気をつけましょう。自然個体は貴重な存在ですので、販売されているイトウは養殖された幼魚が多く市場に出回っています。
イトウの飼育に適した水槽は?大きさは?
最終的に1メートルを超える大きさに成長しますので、水槽は120cm以上のものを選択しましょう。
また、強い流れは好みませんが、緩やかな流れをつけられるように循環型のろ過装置の使用します。身体が大きくなってくると水が汚れやすくなるので、浄化作用の高いろ過装置を使用しましょう。
イトウの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
- 隠れ家
その他の道具
- 熱帯魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
水槽はオーバーフローの状態でも飼育可能です。砂底を敷く場合には、大磯(おおいそ)砂などを使用しましょう。
水合わせの手順は?
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。
- 砂利やアクセサリーを洗って水気を切り、レイアウトしましょう。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2日程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
水槽の立ち上げを完了してからイトウを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?イトウに適した水温や水質は?
イトウに適した水温は22℃〜24℃前後です。30℃以上の高温には非常に弱いので、水温が上がらないように注意します。特に夏場や梅雨時期などの水温が上がりやすい時期はクーラーや冷却ファンなどを使用して水温を管理しましょう。
水質は中性に保つようにし、phは7.0前後にします。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたイトウを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後イトウのみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
イトウの餌は?1日に与える餌の量は?
イトウは肉食性ですので、小魚や水生昆虫、川エビや切り身などをよく食べますが、人工飼料も抵抗なく食べてくれる個体が多いです。
1日に与える餌の量は、1日2~3回2~3分程度で食べ切れる量を与えましょう。人工飼料は肉食性のものを選び、初めは生き餌から徐々に切り替えよう。
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 新しい水を作ります。
- 水槽の3分の1水を排水します。
- 排水した分の水を足し水して水換えが完了です。
月に1回は水槽、岩などを洗いましょう。歯ブラシなどを使用して細かい滑りなども取り除きます。
飼育する上での注意点は?どんな病気にかかる?
イトウは病気になることは少ない魚ですが、水質が悪化すると白点病になることがあります。白点病は放置しておくと水槽全体に広がりますので、症状が見られる個体はすぐに隔離して薬浴を行い手当てしましょう。必要があれば水換えも同時に行います。
水槽が狭いとストレスから衰弱してしまうことがあります。また、暴れて水槽から落下してしまうこと目あるので、フタはしっかりしましょう。
イトウが餌を食べない原因は?
イトウは堂々とした魚ですので、餌を食べない場合には強いストレスがかかり、拒食になっている可能性があります。一番の原因としては、水質の悪化や水温の急激な変化があげられますので、改善が必要な場合には早急に対応しましょう。生き餌の方が食いつきは良くなりますので、魚の切り身や生き餌を与えてみて様子みましょう。
イトウの魅力とは
イトウの飼育についてご紹介してきました。立派な身体に成長するイトウは長期にわたり、飼育を楽しむことができる人気の魚です。大きさも十分ありますので、王者の風格があり堂々とした動きは水槽内で大変魅力的ですよ。