ホテイアオイの育て方:枯れる理由は?株分けの方法は?
水草というより浮草としての知名度が高いホテイアオイ。古くから庭池などの観賞用に用いられ、現在でもビオトープなどで高い人気を博しています。育てやすい上に枯れることも少ないので、初心者の方にも向いています。水質浄化効果が高いのもポイントですよ。
今回は、ホテイアオイの特徴や育て方や増やし方、株分けの方法などについてご紹介します。
目次
ホテイアオイとはどんな草?
ホテイアオイは、ミズアオイ科に分類される水草の一種。原産地はブラジルで、世界中の温暖域の湖沼や川などに生息しています。水中に根を伸ばし、ロゼット状に生えた葉を水面から立ち上がらせるのが特徴的。長さは、環境にもよりますが15~150cmほどに成長します。葉が丸く膨らんで浮袋のように見えることから、七福神の布袋の腹に見立てて「布袋葵」と呼ばれるようになりました。水面に浮いて成長するため、ビオトープでの育成に適しています。アクアリウム水槽では、照明が草体に接触するため育成には向きませんでしたが、最近ではライトの種類が増えたため、照明を工夫すれば栽培が可能といわれています。
ホテイアオイの育て方はむずかしい?
ホテイアオイの育て方は難しくなく、初心者の方でも育てやすい水草です。水面に浮かべ、水を切らさず日当たりの良い場所で育成すれば枯れることはほとんどありません。二酸化炭素(CO2)の添加も不要なので、気軽に導入することができます。
ホテイアオイの増やし方のコツは?株分けの方法は?
ホテイアオイは株分けによって増やすことができます。ストロン(匍匐茎)を伸ばして子株を発生させますので、子株に根茎が生えたら茎を折るかカットして分けます。簡単に増やすことができる反面、旺盛な繁殖力が災いして青の悪魔とも呼ばれています。増やし過ぎた場合は安易に川などに捨てないでください。
トリミングの仕方は?
ホテイアオイは、トリミングというより間引きが必要な水草です。育成スピードが速く繁殖力も高いので、水面を覆うほど増殖する前に間引きを行います。根にもボリュームがあり、増え過ぎると生体が絡まることもありますので、水中で適度にカットしましょう。
ホテイアオイを購入するときの選び方は?
ホテイアオイを購入する際は、葉につやがあって色の濃い草体を選びましょう。また、根茎に貝類が付着していないかもチェックしてください。持ち帰ると繁殖してしまうことがありますので、事前に確認しておきましょう。
名前:ホタテアオイ
税込価格:680円
ホテイアオイに適した水温や水質は?
ホテイアオイに適した水温は18度~30度で、水質は酸性~弱アルカリ性の軟水~弱硬水が望ましいです。プランクトンを含んだ緑色の水を好みますが、週に1回程度は水換えを行って水が腐らないように管理しましょう。
ホテイアオイの水質浄化効果は?
ホテイアオイは、水質浄化効果の高い水草としても有名です。繁殖力が旺盛なため、水中の窒素やリンなどをより多く吸収する習性があります。その性質を活かして、河川などでの水質浄化活動に利用されることもあります。水面に浮べるだけで水質浄化に役立ってくれるため、ろ過装置を用いない水盆やビオトープなどの水質コントロールに適しています。
ホテイアオイが枯れる・溶ける場合に考えられる原因と対処法
ホテイアオイは暖かい気候を好み、冬になると枯れる傾向があります。5度以下では育成が難しいため、屋外で栽培している場合は気温10度を目安に室内に入れましょう。鉢植えにすると枯れにくい面があるので、冬場のみ土で育てることも可能です。枯れても株が生きていれば新芽を出すことがあるため、春まで待ってみるという手もあります。光量不足で弱ることもありますので、屋外では常に日光のよくあたる場所で管理してください。室内では窓際など日当たりのいい場所に配置し、エアコンの直風が当たらないよう注意しましょう。
ホテイアオイと相性のよい魚・悪い魚は?
愛称のよい魚
ホテイアオイは、メダカとの相性がよいことで知られています。メダカは根に卵を産み付ける、葉を日差し除けに利用する一方、アブラムシやボウフラを食べてくれる習性があります。ホテイアオイもメダカのふんを養分にしますので、お互いの特性を生かして同居できるでしょう。金魚との相性も悪くないようです。メダカと同じような相互作用が期待できるのですが、金魚はホテイアオイの根を食べますので、気になる方は管理に注意する必要があります。
相性の悪い魚は?
ホテイアオイをビオトープで育成する際は、ディスカスのような大型魚や、体高のあるエンゼルフィッシュなど水量が必要な魚との同居は控えましょう。アクアリウム水槽で育成する際も、上層部を泳ぐグッピーなどの魚は根に引っ掛かりやすくなる恐れがあるため、あまりおすすめできません。また、ホテイアオイの根は呼吸する性質を持っているため、増え過ぎると生体が酸欠を起こすことがあります。ニゴイなど、酸欠に弱い傾向のある魚との同居には注意しましょう。
ホテイアオイの魅力
七福神の布袋さんが由来となったように、ホテイアオイは柔らかで福々しい雰囲気を持った水草です。育成次第では、夏にワンポイント模様の入った藤色の花を咲かせてくれます。育て方のコツを参考にして、ホテイアオイで納涼を楽しんでみてはいかがでしょうか。