ウォータークローバーの育て方:株分けや増やし方は?適した水槽は?
ウォータークローバーは、四つ葉のクローバーに似ていることで有名です。幸運をもたらす水草として贈り物に用いられることが多いですが、自宅での育成も可能です。外観のかわいさに加えて育てやすいため、特にビオトープに用いる水草として人気がありますよ。
今回は、ウォータークローバーの特徴や育て方、増やし方のコツなどについてご紹介します。
目次
ウォータークローバーってどんな草?
ウォータークローバーは、デンジソウ科に属する水草の一種で、水田や湿地などの水辺に生息しています。水シダ類の仲間で、草体の長さは5cm~15cmほど。水上では四つ葉のクローバーに似た葉をつけ、水中では小さな三つ葉や四つ葉をつけます。水深が浅い場所では葉を水面から伸ばして育ち、水深が深い場所では葉を水面に浮遊させて育つ抽水・浮葉植物です。水中育成も可能ですが、完全に沈水させて育てるためには多量の二酸化炭素(CO2)と強い光量が必要です。このため、どちらかというとビオトープ、またはアクアテラリウムでの育成に向いている水草です。
ウォータークローバーの育て方はむずかしい?
ウォータークローバーは、全体を沈水させて育成するのは難しいのですが、アクアテラリウムやビオトープでは容易に導入しやすい水草です。寒さに弱く、冬は一見枯れたような状態になりますが、地下茎は生きており春が来ると再び成長し始めます。日当たりを好むため、室内の日当たりの良い場所で管理すれば枯れずに緑を保ってくれるようです。
ウォータークローバーを購入するときの選び方は?
ウォータークローバーを購入する際は、草体と葉の状態をチェックすることがポイントです。草体が弱っていないか、葉に変色している部分や穴の空いた箇所がないかを確認しましょう。また、葉の裏に虫や虫の卵がついていることもありますので、導入前に目を通しておくと安心です。
名前:ウォータークローバー
税込価格:740円
ウォータークローバーの増やし方のコツは?株分けの手順
ウォータークローバーは、株分けによって増やすことが可能です。成長すると根茎が塊のような状態になりますので、いくつかに分けて植え替えます。
ウォータークローバーの株分けの手順
- 根茎を傷つけないよう丁寧に抜き取り、根についた泥などを落とします。
- 根茎部分を手で分けるか、ハサミやカッターなどでカットします。
- それぞれの株を植え直します。
- 植え直した草体が成長したら、再び株分けを行って増やします。
株分けの作業は、植物の植え替え時期でもある5月から9月頃を目安に行いましょう。
ウォータークローバーに適した水槽は?水温や水質は?
ウォータークローバーに適した水温は20度~28度程度、水質は弱酸性~弱アルカリ性の軟水~中硬水が適しているといわれています。耐寒性に乏しいため、特に冬場は水が凍らないように注意しましょう。また、屋外でも越冬は可能ですが、根茎のみが成長し、葉は枯れたような状態になります。冬場も観賞を楽しみたい場合は、室内で育成することをおすすめします。
ウォータークローバーの水質浄化効果は?
ウォータークローバーは、水質浄化効果にも期待できる水草です。沼地などの富栄養化対策に抽水植物が利用されることが多いため、ウォータークローバーにも同様の働きが望めるといえます。また、繁殖力にも長けているため、リンや窒素のような余分な栄養分を吸収するなど、水質のコントロール役として活躍してくれるでしょう。
ウォータークローバーが枯れたり溶ける場合に考えられる原因と対処法
ウォータークローバーは、冬越えする際に葉を枯らし、根茎のみで育つ傾向があります。枯れたのが冬場の場合は、根茎が生きていることを確認し、春まで待ってみてもいいでしょう。寒さを苦手とするので、水温をチェックすることも重要です。普段屋外で育成している場合は、冬の間は室内の日当たりの良い場所で管理すると枯れずに育ってくれるようです。そのほか、導入直後で環境に慣れていない、水質が悪化しているなどの可能性もありますので、日頃から状態を観察して管理するよう心がけましょう。
ウォータークローバーと相性のよい魚、悪い魚は?
相性の良い魚
ウォータークローバーと相性がよいのは、ビオトープやアクアテラリウムに向いている小型の魚です。ビオトープであればメダカやアカヒレ、アクアテラリウムならテトラ類やグラミー類などがおすすめです。これらの魚は水質変化にも強く、少ない水量でも飼育が可能です。また、小食のため食べ残しや排せつ物も少なく、水質が悪化しにくいというメリットもあります。そのほか、ミナミヌマエビやドジョウなども同居に適しているといえるでしょう。
相性の悪い魚は?
ウォータークローバーをビオトープやアクアテラリウムで育成する場合は、体高のあるエンゼルフィッシュやディスカスのような大型魚など、アクアリウム向けの魚との相性がよくない傾向があります。また、コリドラスや淡水ヒラメなど、砂に潜る習性を持った魚との相性もよいとはいえません。特にアクアテラリウムでは、水上部分のレイアウトがゆがんだり崩れたりする原因にもなりますので、これらの魚の導入は控えましょう。
ウォータークローバーの魅力とは
ウォータークローバーは抽水性・浮葉性の2つのタイプを有し、お好みの育て方ができる汎用性の高い水草です。睡眠運動を行い、夜になると葉を閉じるというかわいらしい習性も魅力的です。育て方や管理のコツを参考にして、ぜひウォータークローバーを育ててみてくださいね。