アユカケの飼育方法:飼い方のポイントは?どこで販売されているの?
アユカケはアユを頭のとげに引っ掛けて捕食するところから名付けられました。加えて、石化けといわれる周りの環境に擬態して捕食する性質もあり、とても観察しがいのあるお魚です。
今回は、そんなアユカケの飼育方法や飼い方のポイントなどをご紹介します。
目次
アユカケってどんな魚?寿命はどのくらい?
アユカケは日本固有のお魚で、秋田県(あきたけん)、茨城県(いばらきけん)以南の地域に広く生息しています。
アユカケは海で生まれて川に戻ってきて育ちます。アユカケの大きさは20cm程度ですが、中には30cmほどにまで成長する個体も存在します。
アユカケの寿命は3年程度です。現在、環境省が定める絶滅危惧種I類として指定を受けています。
アユカケの飼育はむずかしい?
アユカケの飼育は簡単と言われています。しかし、アユカケは水質の悪化に弱く、良質な水質の維持が必要になります。また、アユカケは低水温の環境に生息していますので、夏場の水温の上昇にも気をつけなければなりません。
繁殖は難しい
アユカケを稚魚から育てる場合は、海水での飼育から始め、成長するにしたがって淡水へと切り替える必要があります。自然界では時期がくると遡上(そじょう)しますが、アクアリウムではタイミングを見極めて水槽のお引っ越しや水の入れ替えなどを行わなければならないので、繁殖は難しいとされています。
アユカケはどこで販売されてるの?購入するときのポイントは?
アユカケはアクアリウムショップやペットショップで販売されています。購入するときには、まず稚魚かどうかを確認しましょう。アクアリウムショップでの飼育環境が海水であれば稚魚になります。
自然界に住むアユカケは一般的に、体長が3cmに成長すると遡上し川に戻っていきますので、大きさでの判断が微妙な場合はショップで確認しましょう。次にアユカケの体をチェックします。やせ細って元気がない個体は避けるべきです。また、体の表面にスレ傷がついている個体も要注意です。
スレ傷とは、水槽に設置してある岩やオブジェの角などで粘液とウロコがはがれ落ちてしまっている傷です。
アユカケに適した水槽は?
アユカケは成長すると30cmになりますので、水槽の大きさとしては60cmから可能ですが、90cm以上の水槽で泳がせてあげられると良いでしょう。
レイアウトでおススメなのは渓流を再現したものです。滝や湧き水をイメージしたものなど、見ていてワクワクするようなアクアリウムを作る方もいらっしゃいますので、挑戦してみても良いでしょう。
水槽以外に準備するものは?
水草
水草はヒーターなしでも冬を越せるオオカナダモやマツモはおススメです。水流を作る場合は、設置の間隔をあけたほうがきれいに見えます。
砂
底砂は川の砂を拾ってきても良いですが、アユカケは住んでいる場所に合わせて体の色を変える習性があります。この習性を生かして濃い色の底砂を敷くと体色をより美しく際立たせることができます。
水流
アユカケは流れのある場所に生息していますので、強めの水流を作ってあげると良いでしょう。
餌
アユカケは肉食で生き餌を好みます。アユカケの名前の通りアユが好物です。他にもメダカなどの小さな魚やエビなどを与えると良いでしょう。アユカケは石に同化して餌が近づくのを待ち伏せて捕食しますので、その様子も楽しめるかもしれません。
ポンプ
水流を発生させるためのポンプが必要です。いろんなタイプがありますが、滝を作るのであれば水をくみ上げるポンプを用いると良いです。また、酸素の供給のためにエアポンプを使用して、酸欠を防いであげましょう。
水槽の立ち上げの手順
アユカケを飼育するための水槽の立ち上げ方は、一般的なものと変わりません。
- 水槽に砂やオブジェクトなどを配置して、ろ過装置やエアレーションのためのポンプなどをセットします。
- カルキ抜きをした水を入れて、パイロットフィッシュを入れます。
- エアレーションをして空気を入れます。毎日アンモニアの濃度を測定し、0.25mg/lまで上昇したら水換えを行います。
- 1週間程度経過しますと、アンモニアの濃度が下がります。その代わりに亜硝酸が検出されますので、亜硝酸の濃度が0.5mg/lになったら水換えを行います。
- 硝酸が検出されれば水槽の立ち上げは完了です。
アユカケを水槽に移す手順!水温や水質は?
夏場だとアユカケを入れた袋の温度が上昇してしまう危険性がありますので注意してください。水合わせの手順を説明します。
- 水温を合わせます⇒アユカケの入った袋を水槽に浮かべます。
- 水質を合わせます⇒アユカケの袋の中の水を1/3捨てて、水槽の水を入れます。これを30分程度で1回、合計4〜5回繰り返してください。
- アユカケをゆっくりと水槽に移してください。
アユカケを飼育するうえで最適な水温は10〜22℃で幅は広いですが、高温には弱いですので、水温の上昇には注意しましょう。
1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
餌の量や与える頻度は?
アユカケは肉食性で生き餌を好みます。小魚やエビなどを与えましょう。水槽の中に餌を入れると、アユカケは待ち伏せして捕食しますので、餌が減ってきたら水槽に追加してください。
水換えの時期と方法は?
アユカケは水質の変化に弱いので1週間に1回、水槽の水を1/3程度交換してください。
アユカケを飼育する上での注意点は?どんな病気にかかる?
アユカケを飼育するうえで一番気をつけるべきことは水温です。高温に弱く27℃程度でも死んでしまうことがあります。夏場は水槽用のクーラーかもしくはお部屋全体を冷やして、水温が上昇しないように気をつけてください。
また、アユカケはスレ傷が原因で感染症を引き起こすことがありますので、アユカケの体表のチェックは怠らないようにしましょう。
餌を食べない原因と対処法
アユカケが人工飼料を食べない悩みは多いようです。メダカやエビなどの生き餌を水槽に放してあげてみてください。それでも食べない場合はアカムシなどをアユカケの目の前にピンセットなどで与えてみてください。
アユカケを飼育する魅力は?
アユカケは特徴のあるお魚ですので、行動をよく観察することで愛着も湧いてきます。また、アユカケの繁殖は非常に難しい分、成功したときは感動しすよ。ぜひ挑戦してみてくださいね。