ボラの飼育方法:餌は何をたべる?寿命はどのくらい?
河口や沿岸などでよく見かけるボラ。成長過程で名前が変わる出生魚としても有名な魚です。主に食用として流通していますが、自宅での飼育も可能です。元気がよく、大きく成長してくれますので長期飼育にも向いています。水面の油膜を食べるという得意技も備えていますよ。
今回は、ボラの特徴や飼育のコツなどについてご紹介します。
目次
ボラとはどんな魚?寿命はどのくらい?
画像元:魚類図鑑
ボラは、ボラ目・ボラ科に属し、世界中の熱帯・温帯地域の海辺に生息しています。日本では北海道(ほっかいどう)以南に分布し、16種ほど生息しています。自然の中での寿命は5年ほど。白身の魚で、食用で漁獲されることが多く、卵巣がカラスミの主原料となることでも有名です。
大きさは最大で80cm以上に成長しますが、一般的に河口などで見かけるのは数cmから50cm程度です。砂や泥と共に藻類などを食べますが、甲殻類や多毛類なども食べます。水槽の水面の油膜を食べる性質を持ち、アクアリストたちから重宝されている一面もあります。
ボラの飼育は簡単?飼うときのコツは?
ボラの飼育は比較的簡単と言われています。ボラは海水か汽水で管理するのが一般的ですので、塩分濃度に注意して管理しましょう。油膜だけでなくコケも食べてくれるので、お掃除係としても活躍してくれます。性格も比較的温厚で、餌の食べ残しも食べてくれますので混泳にも向いています。
ボラは捕獲できる?購入するときの選び方は?
ボラは、北海道(ほっかいどう)以南の海辺や河口などで入手することが可能です。生息環境によっては臭う場合があるため、水質の良い地域を選ぶことが望ましいです。熱帯魚ショップなどでは、観賞用のオニボラを見かけることもあります。
飼育に適した水槽は?
ボラは最大で80cmに成長するといわれていますが、水槽内では成長速度が遅くなる傾向があります。それでも30cm程度には成長しますので、60cm以上の水槽が適しています。大きめの水槽の方が、気温の影響を受けにくく水温が安定しやすいなどのメリットがあります。また、ボラは泳ぎ回る性質を持っているので、遊泳スペースを確保するためにも、余裕ある大きさの水槽を選ぶことをおすすめします。飛び出しやすいので、フタ付き・フリンジ付きの水槽を用意しましょう。
飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には、主に下記のような器材を用意しましょう。
1.水槽設備に必要な器材
- 水槽台、水槽マット、フタ
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- 底砂など
- エアレーション
- 人工海水の素
- 比重計
- pH測定紙
- pH調整剤
- 熱帯魚用網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
最近では海水・汽水の飼育キットも販売されていますので、参考にしてみてください。
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水槽の立ち上げについて
- 水槽を洗って乾燥させます。
- 水道水をカルキ抜きしておきます。
- カルキ抜きした水に人工海水の素を加えます。比重計を用いながら塩分濃度を調節します。
- ろ過装置を作動させ、水を循環させます。バクテリアが発生・繁殖しフィルターに定着し始めます。塩分を含んだ水槽ではバクテリアが定着しにくいので、1か月~2か月程度は水だけを循環させましょう。
なお、水槽の立ち上げ作業が終わってから生体を入手してください。
水合わせの手順は?水温や水質は?
ボラは丈夫な魚だといわれていますが、急激な水質の変化にショックを受けることも考えられます。水槽に慣れてもらうためにも、丁寧に水合わせを行いましょう。
- 生体が入ったビニール袋を水槽に浮かべ、30分ほど待ちます(袋と水槽の水温を合わせます)
- 袋の水を3分の1ほど捨てて、捨てた分量の水槽水を袋に入れ、15分ほど待ちます。
- 2の作業を5回ほど繰り返してください。
- 水槽に生体を移します。生体が自分から水槽に入るよう、袋を横にするなど工夫して移すようにします。
水温については25度前後、水質は弱アルカリ性が適しているようです。
餌は何を食べる?量や与える頻度は?
ボラは人工飼料にも餌付きますので、市販の餌での給餌が可能です。一日何回かに分けて与えましょう。種類やサイズによっては口が小さい場合がありますので、粒の小さい餌を選んだり小さく砕いたり工夫して給餌しましょう。
水変えの時期と方法は?
下記の手順を参考に、水槽の3分の1ほどを目安に水換えを行いましょう。
- バケツで新しい海水・汽水を作ります
- 水槽の水を排水します
- 新しい水を少しずつ追加します
水槽を清潔に保つため、水換えと同時に水槽の掃除も行いましょう。
ボラを飼育する上での注意点
海水で管理する場合、海水が蒸発しやすいため、水位が下がって塩分濃度が上昇しやすくなります。水位の低下を確認したら、低下した分量の淡水を追加して塩分濃度を一定に保ってください。
また、ボラは食欲旺盛なため、餌を与えただけ食べる傾向があります。混泳させている場合は他の魚の分まで食べてしまい、餌が行き渡らないことも多々あるようです。ボラは口が小さいので、魚によって餌の大きさを変えるなど、餌の与え方を工夫しましょう。
餌を食べない場合はどうする?
ボラは群れで生息する習性を持っているので、水槽の環境に慣れにくい個体もあり、なかなか餌を食べない場合があるようです。飼い始めは生き餌を与えるなど、餌に変化をつけて様子をみてください。また、ボラは痩せやすい傾向があるようです。拒食を防ぐだけでなく、普段から少し多めに餌を与えるなど給餌に注意して管理しましょう。
水温や水質が合っていない可能性もありますので、水温計・比重計を用いてチェックし、必要であれば調整しましょう。
ボラを飼育する魅力とは
元気が良く、水槽のお掃除係としても優秀なボラ。生息地域や種類によって配色やサイズにバリエーションがあり、自分に合ったボラを選べるのも魅力のひとつ。飼い方のコツを参考にして、ボラの飼育に挑戦してみてくださいね。