ホウボウの飼育方法:餌は何を食べる?水槽の立ち上げ方は?
ホウボウは高級魚として有名ですが、独特な形から飼育する、飼育したいという人も多いようです。ホウボウの名前の由来は、胸ビレ1番下の軟条3対が足のようになっており、海底を方々(ほうぼう)歩く姿からホウボウという名前がついたと言われています。
このページでは、ホウボウの飼育方法や餌の与え方など紹介していきます。
目次
ホウボウとはどんな魚?生息地は?
ホウボウはカサゴ科に属する海水魚です。北海道(ほっかいどう)南部から東シナ海(ひがししなかい)、南シナ海(みなみしなかい)などに分布しています。水域は浅瀬600メートルから深海まで幅広く、砂もしくは泥底部分に生息しています。
成長すると40cmほどに成長し、身体は頭が大きく尾にかけて円すい形の形をしており体色は赤いまだら模様になっています。胸ビレが特徴的に発達しており、半円形で大きく水平に広がります。
ホウボウの飼育は難しい?
ホウボウの飼育は温度管理や餌の量などに気をつけなければならないのでやや難しいでしょう。また、カサゴ科の中では最大のサイズで、胸ビレを翼のように広げることから水槽内では全長が大きくなります。そのため、ヒレが傷つかないように90cm以上の広い水槽を用意する必要があるので費用がかかります。
ホウボウはどこで入手する?
ホウボウは釣りで入手する方法が一般的になります。ペットショップではほとんど販売していませんので、自然界のものを入手しましょう。天然物を導入する場合はトリートメントをしっかりして、きれいに水合わせをする必要があります。
飼育に適した水槽の大きさは?
ホウボウは最終的に40cmと大きく成長しますので、最低でも90cm以上の水槽が必要になります。うろこが剝がれやすく、衝撃に弱いので水槽内で傷つかないようにライブロックなどの隠れ家は少なくして飼育しましょう。
混泳はできる?
ホウボウは、他の魚を捕食してしまう可能性があるので、混泳はできません。基本は単独飼育になります。
餌は何を食べる?与え方は?
餌は肉食性が強いので魚の切り身、クリルなどを与えるようにしましょう。人工飼料にはなれない個体が多いので基本的に生き餌での飼育になります。最初は給餌に慣れませんので、ピンセットで口元まで持っていき給餌しましょう。
飼育するとき水槽以外に準備するものは?
ホウボウを飼育する上で必要なものは以下のアイテムです。
- カルキ抜き
- 人工海水の元
- ろ過装置
- 魚の切り身、冷凍クリル等
- ヒーター
- 温度計
- 比重計
底砂は細かいサンゴ砂が良いでしょう。ホウボウが歩きやすいように隠れ家などが設置せずに広くとりましょう。また、底砂をはうように移動しますので、ヒーターでやけどしないようにヒーターにはカバーを設置します。
水槽の立ち上げ方は?
- 水道水にカルキ抜きを入れ水が透明になったら人工海水の元を入れて海水を作ります。
- 洗って天日干しした水槽に砂利を敷いて静かに水を流し入れます。
- 水を入れてヒーター、ろ過装置を起動させます。
- そのまま4週間〜2ヶ月ほど放置します。
放置することで、酸素が水槽内を循環することによってバクテリアが発生しフィルターに定着するので水質が安定して水が汚れにくくなります。水槽の立ち上げを完了してから水合わせを行わないと魚の負担になるんで注意が必要です。
水合わせの手順は?水温や水質は?
水温は23℃〜25℃に設定しましょう。 夏場の高温には耐えられないので30℃以上にならないようにファンなどを設置して対応しましょう。
水合わせの手順
- 水槽のセットが完了したら入手してきたホウボウを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温を合わせます。
- その後袋の水を少し入れて3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- 2〜3回繰り返します。
- ホウボウを水槽に移して袋の水は捨てます。
ホウボウはヒレが傷つきやすくストレスに弱い面があるので手早く静かに水合わせを行い、ホウボウに負担をかけないよう注意が必要です。また釣りで手に入れたホウボウは水槽水に慣れるまで時間がかかります。
1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
1日の餌の量や回数は?
1日2回食べきれる量に餌を与えます。残した餌は水質の悪化につながるので速やかに片付けて水が汚れないようにしましょう。
水換えの時期は?
塩分濃度が高くならないように蒸発した分、淡水を足し水して水質を一定に保つようにします。比重計を使い硝酸塩が高くならないように注意しましょう。水槽内の水質が悪化すると、ヒレが溶けてホウボウが弱って突然死することもありますのでホウボウの様子をよく観察して水換えをしましょう。
ホウボウを飼育は拒食状態に注意
ホウボウは環境に慣れないと餌を食べない拒食状態になってしまい、そのまま衰弱死してしまうことがあります。ホウボウを衰弱させないために給餌をしっかりと行い、抵抗力を下げないようにすることが大切です。
また、ホウボウは導入時にストレスを感じると白点病を発症することがあるので十分に水合わせをした上で水槽に入れましょう。特に夏季や梅雨時期などの水質が変化しやすい時期は要注意です。
ホウボウが餌を食べない原因は?
ホウボウは人工飼料にはほとんどなれないので基本的に生き餌での飼育になります。もし餌を食べないようなら日々の給餌を見直す必要があります。冷凍クリルや魚に切り身、小魚は好んで食べるので積極的に与えるようにしましょう。
また、風通しの良い日陰で飼育するように心がけ、水槽内の水が腐敗しないように日々のチェックはかかさないようにしましょう。ヒレなどが傷ついたり欠けたりすると動きが悪くなり、水底で動かなくなることがあります。手当てが必要な場合は薬浴して様子をみましょう。
ホウボウを飼育する魅力とは?
鮮やかで独特の見た目の海水魚、ホウボウについて紹介してきました。ホウボウはエラをボーボーと鳴らして独特の声を出す面白い魚です。こちらの記事を参考にホウボウに興味を持っていただければ幸いです。