アイナメの飼育方法:飼い方のコツは?生態は?価格はどのくらい?
日本の沿岸部に多く生息しているアイナメは釣り人にも人気な日本人に親しみやすい魚です。カサゴの仲間のアイナメは岩礁域などの岩場を好む性質の魚で、飼育スペースは岩やライブロックなどを組み立てて岩礁域を再現してあげる必要がありますが難しくはありません。
今回は、アイナメの飼育方法や生態などの特徴などについて紹介していきます。
目次
アイナメの生態は?寿命は?
アイナメはカサゴの仲間で、カサゴ目アイナメ科に分類される海水魚です。日本の岩礁域の塩分濃度が低い地域に多く分布しており、日本以外では朝鮮(ちょうせん)半島の方にも生息している魚です。寿命は8年前後で食性は肉食よりの雑食性です。
カサゴやカジカにくらべて背びれがとげ状に育たないため、触ってしまってもそれ程痛くならないので、取り扱いはアイナメの方が安全です。
カサゴの飼育は難しい?飼い方のコツは?
アイナメの飼育は岩礁域の再現さえできれば底性で生活する魚ですので、飛び出しも少なく飼育はしやすい魚になります。しかし、ヒレが傷つきやすく、うろこが硬いため、傷がついてしまうとほかの魚よりも治りにくい側面がありますので注意が必要です。
アイナメと混泳はできる?
同サイズの遊泳スピードの速くない魚でしたら混泳は可能です。しかし、同種類は縄張り意識が強く攻撃的になりやすいため混泳は避けた方が良いでしょう。特にカサゴなどとの混泳はお互いのヒレを損失してしまう場合がありますので避けたほがよいです。ライブロックなどで居住空間をはっきりと分けてあげることによりストレスなく混泳が可能になりますよ。
アイナメの価格は?購入するときの選び方は?
アイナメは海水魚を扱っているショップでも取り扱いが少なく、入手するまで時間がかかることがあります。ネットショップなどもチェックして元気なアイナメを購入するようにしましょう。価格は個体の大きさにもよりますが、1,000円前後になります。
アイナメの飼育に適した水槽の大きさは?
アイナメは最大60cmに成長するため、終生飼育するには90cm以上の水槽が必要です。ライブロックなどのアクセサリー類を設置しても余裕がある水槽を選びます。また、底性の魚でめったに海面に上がってくることありませんが、飛び出し事故は皮膚のけがにつながりますので、フタをしっかりしめて飼育してください。ろ過装置は流れがあまり出ない緩やかなタイプを用意します。
アイナメの飼育に必要な道具は?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 人工海水の元
- 照明器具
- ろ過装置
- ヒーター等
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
- 温度計
その他の道具
- 大型の魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
- 比重計
砂底は敷かずにベアタンクでの飼育が推奨されます。砂底を敷く場合には砂が良いでしょう。
アイナメの飼育を始めよう!まずは水槽の立ち上げ
アイナメの飼育準備ができたら水槽を立ち上げましょう。立ち上げ手順は下記を参考にしてください。
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。人工海水の元を入れて海水を作ります。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと水中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2ヶ月程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
水槽の立ち上げを完了してからアイナメを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?アイナメに適した水温・水質は?
アイナメに適した水温は25℃前後です。水質は中性に保つようにしましょう。ph8.0前後にすると適応しやすいです。導入時にヒレでけがをしないように注意しましょう。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたアイナメを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後アイナメを水槽に移し、袋の水は捨てます。
アイナメの餌は?与える量や頻度は?
餌は沈下性の人工飼料を、与えます。餌付くまでに時間がかかることが、ありますのでブラインシュリンプや赤虫などと併用して与えましょう。1日2回2~3分程度で食べ切れる量を与えます。
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 新しい水を用意します。
- 蒸発した分を足し水します。
- 比重計を使用して塩分濃度に問題がなければ水換え完了です。
アイナメは水換えの際に白点病にかかる場合がありますので手早く水換えをしてあげましょう。また、水換え中は飛び出しに注意しましょう。
アイナメを飼育する上での注意点は?どんな病気にかかる?
アイナメは丈夫な魚ですが、導入時にトリートメントを丁寧に行わないと白点病にかかる場合があります。また、皮膚が傷つくとそこから細菌に感染して弱って死んでしまう場合があるので、注意が必要です。
ライブロックなどを設置してアイナメが飼育環境に早くなじめるように工夫しましょう。アイナメは底性の魚ですので、水槽の底にとがったものを置かないようにしてアイナメが身体を傷つけないように考慮しましょう。
小さい魚とアイナメを混泳させる場合には小さい魚を多めに入れて群れさせます。
アイナメが餌を食べない原因は?対処法は?
人工飼料は沈下性のものを与えないと食べられずに栄養不足に陥る危険がありますので、初めは口元の近くに餌を落として慣らすようにします。藻類や甲殻類などは嗜好(しこう)性が高く食いつきやすいので、人工飼料になれていない場合にはこれらの餌を多めに与えて徐々に人工飼料の数を増やしていきましょう。
アイナメは痩せすぎてしまうと衰弱して拒食になってしまい、そのまま死亡してしまう危険がありますので、痩せさせないように栄養価の高い餌を与えます。
アイナメの魅力とは?
アイナメは身近な魚で、カサゴよりも取り扱いが簡単なので導入しやすい海水魚になります。ヒレが刺さる危険がありますので、取り扱いには注意しましょう。こちらの記事でアイナメの飼育に挑戦するきっかけになれば幸いです。