ヤマノカミの飼育方法:どこで販売されてるの?餌は何をたべる?
ヤマノカミは、ゴツゴツしたボディとチャーミングな顔が印象的な魚で、東アジアと有明海(ありあけかい)に流入する河川のみに生息しています。数が少ないため絶滅危惧種に指定され、手に入りにくい魚ですが、独特の風貌などが人気で観賞魚として飼育する方も多いようです。
今回は、ヤマノカミの特徴や水槽の立ち上げ方、飼育のコツなどについてご紹介します。
目次
ヤマノカミとはどんな魚?寿命は?
ヤマノカミはカサゴ目カジカ科に分類される魚の一種で、東アジアと日本の有明海に流入する川にのみ分布しています。体全体がゴツゴツしており、褐色や灰色地のボディに斑点模様などが入るのが特徴的で、産卵期になるとえらブタが赤くなるという性質があります。また、オスが卵を守るという特異な習性も持っています。産卵が終わるとオスメスともに死んでしまうため寿命は1年ほどですが、飼育下では2年生きた例があるようです。なお、ヤマノカミは生息数が少ないため、絶滅危惧IB類に指定されています。
ヤマノカミの飼育は難しい?飼い方のポイントは?
ヤマノカミは、飼育そのものについては比較的難しくはないと考えられます。しかし絶滅危惧種に指定されているため入手しにくい点や、寿命が長くても2年と短命である点などから、長期の飼育には向いていないといわれています。
ヤマノカミはどこで販売されてるの?購入するときの選び方は?
ヤマノカミは流通数が少ない魚ですが、アクアリウムショップやネットショップなどで購入できます。購入の際は、体表やヒレに傷がついていないか、弱々しくないかなどをチェックして選びましょう。なお、河川などで入手する際は、自治体によって制限を設けているので注意が必要です。
ヤマノカミとの混泳はできる?
ヤマノカミは、口に入る大きさの魚や甲殻類などを食べる習性を持っています。自然界では単独で生活するためどちらかというと単独飼育をおすすめしますが、混泳させたい場合はヤマノカミの口に入らない程度の大きさの生体を選びましょう。また、小競り合いなどを防ぐために性格の穏やかな魚をタンクメイトにすることをおすすめします。
ヤマノカミに適した水槽は?大きさは?
ヤマノカミは、単独であれば比較的小型の30cmや45cm水槽でも飼育が可能です。他の魚と混泳させたい場合は、魚たちの遊泳スペースを確保するためにも60cm以上の水槽を用意しましょう。なお、水量が多いほど水温や水質が変化しにくく、飼育環境を管理しやすい傾向がありますので、余裕ある大きさの水槽を選ぶことをおすすめします。
ヤマノカミの飼育に必要な道具は?
水槽以外には、次のようなアイテムを準備しましょう。
水槽設備に関する機器・道具
- 水槽台、フタ
- フィルター
- 照明
- 底砂
- 水草
- 岩など隠れ家になるもの
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアーポンプ
- ヒーター、冷却ファン
そのほかの道具
- 水温計、水質測定キット
- コケ取りグッズ
- ピンセット
- 水換えポンプ、バケツ
- 餌
ヤマノカミの飼育!水槽の立ち上げ方は?
- 水道水をカルキ抜きしておきます。
- 水槽やフィルターなど水槽器具を設置し、底砂や隠れ家、水草などのレイアウトを行います。
- カルキ抜きした水を入れます。底砂がまき散らないようゆっくり注ぎましょう。
- ろ過装置を作動させ、水槽内の水を数日間空回しします。酸素が循環してバクテリアが繁殖・着生し、水質が安定しやすくなります。
- 上記の手順を終えたあとで、飼育するヤマノカミを入手しましょう。
水合わせの手順は?ヤマノカミに適した水温や水質は?
ヤマノカミを入手したら、次の手順を参考に水合わせを行い、徐々に水槽に慣れてもらいましょう。
- 生体が入った袋をそのまま水槽に浮かべます(30分~1時間ほど)
- 袋の中に水槽の水を3分の1ほど入れて待ちます(1~2時間ほど)
- 2の作業を3~4回ほど繰り返します
- 水槽にヤマノカミを移動させます
ヤマノカミに適した水温は20度前後といわれています。水質については弱酸性~弱アルカリ性が適しているようです。
ヤマノカミの餌は?与える量や頻度は?
ヤマノカミは小魚や小型の甲殻類、水生の昆虫などを食べる習性があります。飼育下では冷凍のアカムシを好んで食べますが、クリルや小型のエビ類を食べることも多いようです。1日に2回、食べ残しが起こらない程度の量を給餌しましょう。
水換えの時期は?
水換えは1、2週間に1回、水槽の3分の1程度を換水しましょう。
- バケツに新しい水を用意してカルキ抜きします。
- 水槽の3分の1の水を排水します。
- 新しい水を水槽に入れます。
ヤマノカミは清流域のような環境を好むといわれています。定期的に水槽やアクセサリー類の掃除を行って、飼育環境を清潔に保ちましょう。
ヤマノカミを飼育する上での注意点は?気をつけるべき病気は?
ヤマノカミは、スレ傷などから水カビ病を引き起こすことがあります。水カビ病は放置すると全身に広がって助からないこともありますので、見つけ次第手当てしましょう。水カビ病を確認したら、水槽の半分程度の水換えを行い、ヒコサンZなどを投薬して手当てしてください。また、ヤマノカミの飼育水について、ここでは淡水での管理についてご紹介しましたが、成長の過程で海水や汽水域に入ることもあるため、入手する個体がなじんでいる水質を確認した上で飼育しましょう。
ヤマノカミが餌を食べない原因は?
ヤマノカミを飼い始めて日が浅い場合は、新しい環境に慣れず警戒して餌を食べない可能性があります。様子をみながら根気よく給餌を続けてみてください。用意している餌が好みではない可能性もありますので、違う種類の餌を与えてみてもいいでしょう。飼い始めて数か月たって拒食になった場合は、飼育環境が合っていない恐れがあります。水温や水質をチェックし、必要に応じて調整しましょう。また、ヤマノカミは低水温を好むため、夏場は水温が上がり過ぎないよう注意が必要です。
ヤマノカミの魅力は?
ヤマノカミは希少価値の高い魚です。寿命も長くて2年ほどと短命ですが、短い間の育成を楽しむのもヤマノカミ飼育の醍醐味かもしれません。ここでご紹介した内容を参考にして、ヤマノカミの育成に挑戦してみてくださいね。