フグの飼育方法:水槽の大きさや立ち上げ方法は?寿命は?
フグは食用としてのイメージが強い魚ですが、観賞用の種類もたくさん流通しており、自宅での飼育も可能です。また、フグといえば毒を持っていることでも有名ですが、体内に入らない限りは大きな影響はなく、飼育するだけなら特に問題はないといわれています。
今回は、フグの飼育方法や適した水槽の大きさや立ち上げ方、寿命などの特徴について紹介していきます。
目次
フグとはどんな魚?寿命はどのくらい?
フグは、フグ目フグ科に分類される魚です。世界中の熱帯・温帯地域の沿岸に生息していることが多いですが、種類によっては汽水・淡水域にも生息しています。威嚇のために体を丸く膨らませ、ほとんどの種類において皮膚・内臓・血液・筋肉などにテトロドトキシンという毒を持っているのが特徴です。
寿命は種類や飼育環境にもよりますが、平均的には5年~10年ほどといわれています。
フグの飼育は難しい?飼うときのコツは?
フグは、種類によって飼育の難易度が異なります。アベニーパファーなど淡水での飼育が可能な種類は管理しやすいですが、ミドリフグなど汽水を好む種類や、クサフグなど海水を好む種類は塩分を含んだ水で管理する必要があります。フグは意外と種類が多いので、飼育したい個体に適した管理方法を事前に確認しておきましょう。
フグを購入するときの選び方は?
フグは熱帯魚ショップやネット通販などで販売されています。食欲があって、元気そうな個体を選ぶことをおすすめします。種類によっては移動中の衝撃に反応して毒を出してしまい、個体自身が弱ることがあります。購入後は静かに移動させるようにしましょう。
フグとの混泳のルールは?
フグは、種類を通じて気性が荒いため混泳には向かないといわれています。ハコフグなど皮膚から毒を発生させる種類もあり、水中に毒が溶けて他の生体が弱ることも考えられます。また、歯も鋭くかみ切る力も強いため、他の魚にケガをさせる可能性もあります。種類によっては同種間の混泳が可能な場合もありますが、基本的には単独での飼育をおすすめします。
フグの飼育に適した水槽の大きさは?
フグは種類によって飼育する水槽のサイズが異なります。3cmほどの小型種の場合は45cm程度の水槽でも飼育が可能ですが、大型や成長が早い種類は60cm以上の水槽を用意することをおすすめします。また、汽水や海水で管理する場合は水量が多い方が水温水質の維持がしやすいといわれていますので、できるだけ余裕のある水槽を選びましょう。
フグの飼育に必要なアイテムは?
フグの飼育に必要な器材は種類によって異なります。
淡水で飼育する場合
- 水槽台、フタ
- 照明
- 底砂
- 流木など(種類によっては隠れるのを好むので、隠れ家になるようなものをレイアウトしましょう)
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアーポンプ、電源タイマー など
- 熱帯魚用網
- ピンセット、バケツ
- 餌
汽水・海水で飼育する場合(上記に加え次の器材も準備しましょう)
- 人工海水の素
- 比重計
- pH測定紙
- pH調整剤
最近は汽水・海水を作るキットも販売されていますのでチェックしてみてください。
水槽の立ち上げ方法
- 水道水をカルキ抜きしておきます。(汽水・海水で管理する場合は、カルキ抜きが終わったら人工海水の素を加え、比重計を用いて塩分濃度を調整します。できれば入手元と同じ塩分濃度に合わせることをおすすめします。)
- 水槽に器具を設置し、底砂などを入れ、カルキ抜きした水(または汽水・海水)を入れます。
- ろ過装置を作動させ、水槽内の水を循環させます。淡水の場合は数日、汽水・海水の場合は一か月程度、水だけの状態で水槽内を循環させてバクテリアを繁殖させましょう。
水合わせの手順は?水温や水質は?
フグを入手したら、次の手順を参考に水合わせを行います。
- 30分~1時間ほど、購入した袋のまま水槽に浮かべます
- 袋の中に水槽の水を3分の1ほど入れ、1~2時間ほど待ちます
- 2の作業を4~5回ほど繰り返します
- 水槽にフグを移動させます
水温については、種類にもよりますが平均して24~28度を好みます。水質については、淡水で管理する場合は弱酸性〜弱アルカリ性、汽水・海水の場合は弱アルカリ性を目安にしましょう。
フグの餌は?量や与える頻度は?
フグは種類によって好む餌に違いがあります。大半は生き餌や冷凍餌を好む傾向がありますが、人工飼料を食す種類もいます。飼育するフグが何を好むのか、事前に確認しておくと安心です。餌の頻度についても1日に2,3回、3,4日に1回など種類によって異なることがありますので注意が必要です。
水変えの時期と方法は?
10日に1回、全体の3分の1程度を目安に水換えを行いましょう。汽水や海水で管理している場合は、水槽水と新しく追加する水の塩分濃度をできるだけ同じにすることがポイントです。
フグを飼育する上での注意点
フグにはウロコがないため、種類を通して白点病にかかりやすい傾向があります。白点病を確認したら、水温を30度程度まで上げ、メチレンブルー水溶液などで殺菌しましょう。白点病は水槽環境を安定させることで予防が可能ですので、水温や水質を一定に保って管理することが重要です。カラムナリス病などに弱い一面もあるので、水を清潔に保つなど菌の繁殖を予防するように心がけましょう。また、ペーハーショックで死に至ることもありますので、水換え時などの水質変化にも注意が必要です。
餌を食べない場合はどうする?
フグは、種類にもよりますが食いだめができる性質を持っているといわれています。個体によっては3日程度餌を食べないこともありますので、飼育するフグの習性を確認して様子をみることも必要です。餌の好みが合わない可能性もありますので、普段とは異なった種類の餌を与えてみてください。また、飼育環境に対するストレスが原因で拒食になることもあるため、日頃から水温や水質をチェックし、フグに適した環境で管理することが重要です。
フグを飼育する魅力とは
一口にフグと言っても、種類によってサイズやデザインなどにさまざまなバリエーションがあります。飼育環境や管理についても種類差・個体差があり、なかなか奥の深い魚です。飼い方のコツを覚えて、お好みのフグを育ててみてくださいね。