クエの飼育方法:混泳はできる?餌は?寿命はどのくらい?
クエは大きな口と分厚い唇、ずんぐりした身体つきはかなりの重厚感があり水槽の中でもひときわ目立つ魚です。身体が大きいので水槽も大きなものが必要になりますが、混泳も可能な魚ですので数種類の海水魚飼育を楽しむことができますよ。
今回は、こちらのクエの飼育方法についてご紹介いたします。
目次
クエとはどんな魚?寿命はどのくらい?
クエはスズキ目ハタ科に属する海水魚で成長すると全長60cmほどに成長しますが、まれに1メートルを超える個体がいます。しかし、飼育下では成長しても80cm前後です。体色は緑褐色で身体に6本の黒しま模様が入っています。
西日本(にしにほん)から東シナ海に分布しており外洋に面した推進50メートル付近を中心に生息しています。野生の個体は肉食性で小魚やイカなどを丸のみにして生活しています。
寿命は10年前後で群れを作らずに単独で生活しており、夜間に主に活動します。
クエの飼育は難しい?飼うときのコツは?
クエは飼育自体はそこまで難しくありませんが、身体の大きさに反して臆病な面があり餌に餌付きにくところがあります。ライブロックなどを設置して隠れ家を作ってあげると水槽内でも落ち着いて生活することができます。
クエの価格は?購入するときの選び方は?
海水魚の取り扱いがあるペットショップなどでおよそ7,000円前後で販売されています。幼体は非常に免疫力が弱く水質に慣れるまでに時間がかかりますのでワンサイズ大きめの個体を購入しましょう。
混泳のルールは?
クエはおとなしい性格の魚ですが、肉食魚ですので、口に入る大きさの魚は捕食されてしまうことがあるので混泳は避けます。また遊泳スピードが速い魚との混泳は追突の危険があるので注意が必要です。同種同士での飼育は隠れ場所をめぐり争うこともあるので数カ所設置します。
クエの飼育に適した水槽の大きさは?
クエは大きく成長するので、最低でも120cm以上の水槽での飼育が望ましいです。おとなしい魚ですので、他の魚との混泳も可能ですが、隠れ家を複数設置することを考えるとさらに大きめの水槽が必要になります。
また、食欲旺盛で水槽の水をよごしやすいので、ろ過装置は浄化作用の高い上部フィルターやオーバーフローの状態で飼育しましょう。暴れると力は大変強い魚ですので、落下しないように頑丈なフタをつけて飼育します。
クエの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 人工海水の元
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
水を汚しやすいのでオーバーフローでの飼育がオススメです。
その他の道具
- 魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
- 比重計
水槽の立ち上げ方
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。人工海水の元を入れて海水を作ります。
- 砂利やアクセサリーを洗って水気を切り、レイアウトしましょう。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと水中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2ヶ月程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
- 水槽の立ち上げを完了してからクエを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?水温や水質は?
クエに適した水温は23℃〜25℃です。30℃以上の高温にはならないようにしてください。水質は中性に保つようにしましょう。ph8.0前後にします。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたクエを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後クエのみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
暴れないような目隠しをしながら水合わせをするとよいでしょう。
クエの餌は?
餌は肉食性なのでアジやイカなどを与えると良いでしょう。冷凍クリルなども食べますが身体が大きくなると栄養不足になってしまうことがあるので、しっかりとバランス良く与えます。
餌の与え方は?量は?
夜間によく活動するので夕方の給餌が良いでしょう。生き餌を中心に1日2回与えます。残したものは速やかに片付けましょう。
水換えの方法と時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 蒸発した分の水を足します。
- 淡水を比重計を使いながら以前の塩分濃度に戻るまで足し水します。
- 塩分濃度が適正値に戻れば水換え完了です。
月に1回は水槽、アクセサリー類を洗いましょう。滑りやコケなども取り除くようにして清潔に保ちましょう。
餌を食べない原因と対処法
クエは人工飼料に餌付きにくい面があるので、最初は生き餌を中心に与えて徐々に人工飼料に切り替えていくようにしましょう。イカやエビなどの甲殻類、アジやサバなどを好んで食べるので与えてみましょう。魚の切り身は油分が多水槽を汚しやすいので水質悪化に注意しましょう。
また、人見知りな面があり、いつも餌をあげている人以外が餌を与えた場合食べないことがあります。慣れてくると飼い主を認識して餌をねだるしぐさなども観察できますが、給餌はなるべく決まった人が与えるようにすると良いでしょう。
クエを飼育する上での注意点は?
強い光や音に敏感に反応して一度隠れてしまうとなかなか出てこなくなり、ストレスから拒食になることもあるので日中はなるべく風通しの良い静かな薄暗い空間で飼育するのが良いでしょう。
クエを飼育する魅力とは
水族館で見かけるクエは巨大で迫力があり水槽の中でも目立つ存在です。飼育には大きな水槽が必要になりますが、飼育の管理は簡単です。この記事でクエの飼育に興味を持って頂けたら幸いです。