ナマズの飼育方法:餌は何を食べる?水槽の立ち上げ方は?寿命は?
ナマズは親しみやすい顔や大きな口・長いヒゲがチャームポイントの魚で、鱗のない滑らかな胴体を意味する「ナマ」と、川や沼底に住むことを表す「ズ」が合わさったことが名前の由来の一つとされています。日本文化に馴染み深い魚でもあり、絵画の題材や食用に利用されるほか地震を予知する魚としても知られています。観賞魚としての人気も高く、水槽で飼育することが可能です。今回は、ナマズの飼育のコツや注意点などについてご紹介します。
目次
ナマズってどんな魚?寿命はどのくらい?
ナマズはナマズ目ナマズ科に分類される淡水魚で、日本や中国・東南アジアなどの川や沼などに生息しています。日本に生息するナマズ属にはマナマズ、イワトコナマズ、ビワコオオナマズの3種があります。平たい頭部と長いヒゲを持ち、体表が鱗ではなく粘液で覆われているのが特徴的です。最大全長は60cm程度。寿命は5年以上あり、平均で20年ほど生きるといわれています。
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ナマズの飼育はむずかしい?飼うときのコツは?
ナマズの飼い方は難しくないといえますが、寿命が10年以上と長いため長期飼育を前提に導入しましょう。大型に成長しますので大きめの水槽設備を用意することも必要です。また、刺激に敏感で暴れることがあるため、落ち着ける環境を整えて育てましょう。
ナマズの混泳のルールや注意点
ナマズは単独での飼育が望ましいといわれています。肉食性で口に入る大きさの魚を食べてしまう可能性が高く、食欲旺盛でナマズ同士でも共食いすることが多いため同種他種問わず混泳には高いリスクが伴います。また、ナマズには比較的攻撃性もありますので、他の魚を飼いたい場合は別の水槽を用意することをおすすめします。
ナマズを購入するときの選び方は?
ナマズは熱帯魚ショップやネット通販などで入手することができます。体表やヒレ・ヒゲに傷や欠けた部分のない元気な個体を選びましょう。川などで捕獲することも可能ですが、野生種は人慣れしにくく餌付けが難しい場合があります。
ナマズを飼うために適した水槽の大きさは?
ナマズは成長すると50cm以上の大きさになりますので90cm以上の水槽を用意しましょう。パワフルで突進力も強いため、衝撃に強いアクリル製の水槽を使用することを推奨します。水槽から飛び出すこともありますのでフタも設置しましょう。また、ナマズは刺激に敏感に反応するため驚いた際に暴れることがあります。静かな場所に水槽を設置し、土管などで隠れ家を作ってあげましょう。
ナマズの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外でナマズを飼育するために必要なものを紹介します。
1.水槽の外に設置する設備
- 水槽台、フタ
- ろ過フィルター
- 底砂(ベアタンクでも飼育できますが、底砂を敷いた方が落ち着く傾向があります)
- 隠れ家(パイプ、土管など)
- カルキ抜き
- 水質調整剤
- エアーポンプ
2.水槽内に設置するもの
- 水温計、水質測定キット
- 掃除グッズ
- 水替えポンプ、バケツ
- 餌
水槽の立ち上げ方は?
水槽や必要なアイテムを用意したら、以下の手順を参考に飼育環境をセッティングしましょう。
- 水道水をカルキ抜きします。
- 水槽に底砂や隠れ家などをレイアウトします。
- フィルターなどの機器を設置します。
- カルキ抜きした水を入れます。
- ろ過装置を作動させ、数日の間は水だけで空回しさせます。酸素が循環することでバクテリアが繁殖し、水質が安定しやすくなります。
- 上記の手順を終えてからナマズを入手しましょう。
水合わせの手順は?ナマズに適した水温や水質は?
ナマズを入手したら水合わせを行って水槽に入れます。ナマズは水温の差に驚いて暴れることがありますので、あらかじめ入手元と水槽の水温を合わせておきましょう。
- ナマズを袋ごと水槽に浮かべます(30分~1時間ほど)
- 袋の中に水槽水を3分の1ほど入れて水質を馴染ませます(15分ほど)
- 2の作業を3~4回繰り返します
- ナマズのみを水槽に移します
なお、ナマズは5度ほどの低水温でも生存できますが、飼育下では10度~26度が適温とされています。適応する水質は中性~弱アルカリ性です。pHは6~7程度に調整しましょう。
ナマズの餌は?量や与える頻度は?
ナマズは肉食性のため小魚やエビ、カエルなどの活き餌を食べます。人工飼料に餌付く場合もありますが、基本的には活き餌を好みます。人工餌をメインに飼育したい場合は、人工餌に餌付け済みのショップでナマズを購入しましょう。餌の回数は1日1回程度、4~5分で食べきれる量を与えます。
水換えの時期と方法は?
水換えは1週間に1回、3分の1程度が目安ですが、水槽水の汚れ具合を見て適宜調整しましょう。
- 水道水をカルキ抜きして新しい水を作ります
- 飼育水を排水します
- 新しい水を足します
水換えの際は、水槽のガラス面やレイアウト用品などの掃除を行って飼育環境を清潔に保ちましょう。
ナマズを飼育する上での注意点は?どんな病気にかかる?
ナマズは食欲旺盛な反面、排泄物が多いため水槽水が汚れやすくなります。水質の悪化は体表を覆う粘膜に悪影響を及ぼし、体調を崩す原因になるともいわれています。水質を保つためには、ろ過能力の高いフィルターを設置するほか定期的な水換えや掃除を行うことが重要です。また、ナマズ類は薬品に弱い傾向がありますので、病気にかかった際は水換えや塩浴で対応します。やむを得ず薬浴させる場合は、規定量の3分の1~4分の1ほどの量を目安に使用しましょう。
ナマズが餌を食べない場合はどうする?
ナマズは環境が変わると警戒して餌を食べなくなることがあります。水槽に導入して間もない間は様子を観察しながら給餌しましょう。ナマズは夜行性なので水槽を薄暗くして落ち着ける環境を作ることもポイントです。また、ナマズは口に合わなければ絶食することがあるため、気に入った餌に当たるまで根気よく給餌しましょう。生き餌や人工飼料のほか、ササミやハツなどを食べることもありますので幅広い餌を与えて様子をみてください。
ナマズの魅力とは?
ナマズはデリケートなため飼育環境に注意が必要ですが、飼い慣れると飼い主に懐く可愛らしい一面もあります。長寿ですので末永く可愛がってあげましょう。飼い方のコツを参考にして、ナマズの終生飼育に挑戦してみてくださいね。