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水槽に藻が発生してしまう8つの原因と5つの対策法

アクアリウムを楽しむうえで、避けては通れないのが藻の発生です。藻は、水槽のガラス面や水草・石や流木などに発生し、景観を損ねたり、水質を悪化させる原因になります。できるだけ藻の発生を抑え、快適な水槽環境を維持したいですよね。

今回は、藻の種類や藻が発生する原因、対策方法などについてご紹介します。

藻とは?

藻藻(藻類)とは、光合成を行う生物の一種で、地上に生息するコケ植物・シダ植物・種子植物を除いたものの総称といわれています。水槽管理においてよく耳にする「コケ」も、正確にはこの藻類に含まれます。適応力が高く、環境によっては大いに増殖する性質を持っています。環境が合わなくても、胞子として生き続けるという厄介な一面もあります。

水槽に付着する藻の種類

藻の種類

黒髭藻(ヒゲ状藻)とは

文字通りヒゲのように細長く、1cm以上に伸びる藻のこと。水槽内の汚れやすい箇所や、流木や岩・成長の遅い水草などに発生します。フィルターの排水付近など、水流の強い場所に発生することも多いです。活着力が強く、取り除きにくい傾向があります。

房状藻とは

水草や水槽のガラス面などに発生する房状の藻で、緑色や黒っぽい色をしているのが特徴的です。硝酸塩値やリン酸値が高く、エアレーションが多すぎる場合に発生しやすいといわれています。

糸状藻とは

糸や糸くずのような形をした緑色の藻で、主に水草などに付着します。光量が多すぎる、水槽が富栄養化している、ろ過バランスが崩れていることなどが原因で発生しやすいといわれています。繁殖力・活着力が強いのが特徴です。

ハケ状藻とは

ヒゲ状藻と似ており、フィルターの排水付近など水流の強い場所や、成長の遅い水草の葉先に発生しやすい藻です。一部に固まって発生することが多く、繁殖力はそんなに高くはないといわれていますが、活着力が高く、除去しにくい性質があります。

水槽に藻が発生する8つの原因

水槽に藻が発生する8つの原因

1.水槽内が富栄養化している

ろ過バランスの崩れ、肥料の与え過ぎなどが原因で飼育水の養分が過剰になり、藻が発生しやすくなります。

2.ろ過装置がうまく作動していない

掃除の怠りなどが原因で、フィルターなどのろ過機能が低下し、水質悪化や富栄養化を促進させます。

3.水槽に生体を入れ過ぎている

藻は生体のふんを養分にする性質があるため、生体の数が多いとふんの量も多くなり、藻の発生を加速させてしまいます。

4.生体に与える餌の量が多すぎる

生体に与える餌の量が多すぎると、食べ残しが増えて水の汚れを招く原因になります。

5.光量が高すぎる、または低すぎる

光量が高すぎることも藻の発生の原因になります。その一方、光量が低すぎると水草が光合成を行えなくなって弱体化し、藻が付着しやすくなります。

6.二酸化炭素(CO2)が不足している

二酸化炭素(Co2)不足により、水草が十分に光合成を行うことができず、弱って藻が付着しやすくなります。

7.水換えの頻度が少ない

水換えが十分に行われていないと、餌の食べ残しやふんなどが蓄積し、富栄養化や水質の悪化につながります。

8.水槽に直射日光が当たっている

強い日光も、藻の発生を促進させる原因になります。

水槽に藻の発生を抑制する5つの対策法

藻の発生を抑制する5つの対策法

1.水槽内の養分バランスを保つ=富栄養化を予防する

水槽内の養分が過剰にならないよう注意して管理し、藻の発生を抑えましょう。

2.適切な環境のもとで水槽を管理する

直射日光の当たらない場所に水槽を設置し、タイマーなどを用いて点灯時間を一定に保つなど、光量にも注意します。水草の成長をみて、必要なら二酸化炭素の添加も行いましょう。

3.生体の飼育管理に注意する

水槽の適正飼育数を確認し、生体の過密飼育をしないことが重要です。食べ残しを防ぐため、餌の与え過ぎにも注意しましょう。

4.水槽環境のメンテナンスを定期的に行う

ろ過装置の掃除を定期的に行い、ろ過機能の低下を防ぎます。また、水質を維持するために適度な水換えを行いましょう。

5.藻を食べる生体を導入する

藻を食べる生体を飼育することで、藻の予防につながります。詳しくは後述します。

水槽の藻を食べてくれるおすすめの魚は?

藻を食べるおすすめの魚は?

エビ類

エビ類は安価で入手しやすいこともあり、藻の対策係としてポピュラーな存在です。ヤマトヌマエビやミナミヌマエビが有名で、アオミドロやヒゲ状藻など、糸状の藻を食べる習性があります。また、魚の餌の食べ残しを処理してくれる性質も持っています。

熱帯魚類

藻を食べる熱帯魚としてまずおすすめなのは、ガラス面や水草・岩・流木についた茶ゴケなどを食べてくれるオトシンクルスやオトシンクルスネグロです。プレコ類も、ガラス面や流木などに発生した藻を食すため、水槽のお掃除係として人気があります。サイアーミーズフライングフォックスは、除去が厄介な黒ひげ藻をはじめ、茶ゴケや糸状藻なども食べてくれる万能なお掃除魚ですが、成長に従ってコケを食べなくなります。ブラックモーリーも、主食ではありませんが糸状藻や藍藻(らんそう)を食べる性質を持っています。その他、プラティやペンシルフィッシュも糸状藻などを食す性質を持っています。

貝類

貝類では、カノコ貝の一種であるイシマキ貝やフネアマ貝などが藻の対策係として有名です。糸状藻をはじめ、茶ゴケや斑点状藻を食べてくれます。また、サザエのような形が特徴的なサザエ石巻貝も、ガラス面や石などに発生した糸状藻・茶ゴケ・斑点状藻を食す性質を持っています。その他、ラムズホーンやヒメタニシなども藻対策におすすめの貝類です。

水草から発生する藻はトリミングで対策できる?

水草から発生した藻は、トリミングによって除去することが可能です。しかし、水草をカットした際に出る養分によって糸状藻が発生することがあるので注意が必要です。トリミングを行う際は、茎の途中ではなく、節状の部分からカットすると養分が溶け出しにくくなります。

種類別:藻の除去方法は?

除去したい藻の種類

茶ゴケ

水槽立ち上げの初期に発生しやすい茶色のコケで、珪藻(けいそう)とも呼ばれます。ガラス面や水草・底砂などに付着し、ぬめりがあるのが特徴的。小まめに掃除を行い、水槽立ち上げ直後は肥料を控えましょう。オトシンクルスや貝類などを導入するのもおすすめです。茶ゴケを確認した際は、ガラス面ならスクレーパーや定規など、水草は指やスポンジを用いて除去します。

アオミドロ

緑色で、釣り糸に似た形状の藻です。放置すると大きな塊になることもあり、景観を損ねます。エビ類やブラックモーリーなどを導入して対策しましょう。発生したら、ピンセットや歯ブラシなどで取り除きます。販売されている水草に付着している場合もありますので、事前によく確認しましょう。

藍藻(らんそう)

シアノバクテリアとも呼ばれ、底床や水草を覆うように発生する細菌の一種です。緑色、黒、こげ茶色など色がさまざまで、臭いがあるのも特徴的。対策魚にはブラックモーリーがおすすめです。発生したらホースなどで水ごと吸い出し、そのまま水換えを行いましょう。アルカリ性の水質で発生しやすいため、水質の管理にも注意する必要があります。

アオコ

植物プランクトンの一種で、発生すると水が緑色に濁り、臭みを持った状態になります。高すぎる光量や、水槽内の老廃物、ろ過不足などが原因で発生するといわれています。発生したら毎日換水を行い、照明時間を短縮する、栄養剤を控えるなどの対処が必要です。また、水草は枯れてしまいますが市販の除去剤を使用することも可能です。

斑点状藻

文字通り、斑点状に発生する緑色の藻です。ガラス面や固い水草の葉などに発生することが多く、茶ゴケよりも付着力が強いのが特徴的。水質が安定していても発生する厄介な存在です。高い光量が発生の原因になるので、照明時間に注意して管理しましょう。発生したら、ガラス面ならスクレーパーや定規など、水草ならスポンジ等を用いて除去します。

スポット状藻

スポット状に発生する緑色の藻で、ガラス面や成長の遅い水草などに付着します。光量の急激な変化や水換え不足などが原因で発生しやすく、付着力が強い傾向があります。ガラス面を動き回るオトシンクルスや貝類を導入して予防しましょう。発生した際は斑点状藻と同様、スクレーパーやスポンジなどを用いて除去します。

まとめ

発生すると厄介な藻ですが、日頃のメンテナンスや、藻を食べる生体の導入によって抑制することが可能です。藻の対策を通じて、水槽環境を整えることにもつながりますよ。ご紹介した対策法を参考にして、心地よいアクアリウム環境を保ってくださいね。





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