水槽の白い藻の正体は?駆除の方法は?
アクアリウムを管理していると、水槽内に白い藻のようなものが発生することがあります。綿状のものや水を白く濁らせるものなど形状はさまざまで、放っておくと熱帯魚などに影響を及ぼすこともある厄介な存在です。普段から予防を行い、発見したら早急に対処しましょう。
今回は、水槽に発生する「白い藻」の正体とその特徴や発生原因、駆除方法、予防法などについてご紹介します。
目次
水カビの場合
水カビの特徴
水カビはカビの一種で、綿のように白くフワフワとした形をしているのが特徴です。流木などに付着し、水中の有機物の養分を吸収して繁殖する性質を持っています。また、魚の傷口などに付着して水カビ病を引き起こすこともあります。
発生する原因
流木の汚れが水カビの原因になりやすいため、導入した流木のあく抜きが十分でない場合は水カビが発生する可能性が高くなります。また、生体の過密飼育や、餌の食べ残し、排せつ物などによる水質の悪化や水の富栄養化なども、水カビの発生や繁殖を促してしまいます。
駆除方法
流木に付着した場合は、水槽から取り出してタワシやブラシなどでこすり落とし、その後煮沸します。煮沸できない流木もありますので事前に確認しておきましょう。水換えを行い、水槽内の洗浄を行うことも必要です。魚に水カビ病が発生した場合は、薬浴させて手当てする方法もあります。
予防法
水カビを予防するには、定期的な水換えを行って水質を清潔に保つ必要があります。餌の与え過ぎなどにも注意しましょう。また、流木を水槽に入れる前にあく抜きすることも効果的です。
ヒゲ状藻
ヒゲ状藻の特徴
出水パイプや岩、流木や水草の葉などに発生し、灰色のような色をしている場合はヒゲ状藻などである可能性があります。長さは1cm程度、またはそれ以上に成長することもあり、付着力が強く除去しにくいのが特徴です。
発生する原因
ヒゲ状藻などは、強すぎる水流やアルカリ性に偏った水質が原因で発生することが多いといわれています。生体の過密飼育や水換え不足などの場合も、水質の悪化につながり藻が発生しやすくなります。また、底床などの汚れや、ろ過能力の低下なども藻の発生を促す原因になります。
駆除方法
ガラス面に付着した場合はスクレーパーなどを用いて除去しましょう。流木などは水槽から取り出し、熱湯をかけて枯らせ、その後こすり落とします。木酢液を塗って駆除することも可能です。パイプなど器具に付着した場合は、タワシなどでこすり落とすか、漂白剤に漬け置きする方法もあります。
予防法
ひげ状藻などは、底床やろ材が老朽化しないよう定期的にメンテナンスを行うことによって、大量に発生しにくくなるといわれています。
バクテリアの場合
バクテリアの特徴
飼育水全体が白く濁っている場合は、バクテリアが減少し過ぎている恐れがあります。バクテリアが大量死し、その死骸が浮遊して水が濁ったような状態になるのが特徴です。
発生する原因
バクテリアが減少する原因としては、水温や水質の急激な変化や、外部フィルターの掃除、大量の水換えなどが挙げられます。また、底床やろ材などが汚れすぎている場合も、バクテリアが生息しにくくなる原因になるようです。
駆除方法
24時間エアレーションを行い、ろ過バクテリアを繁殖させます。水換えも必要ですが、大量の水を換えると濁りがひどくなることもありますので、少量の水を入れ替えましょう。また、2,3日ほどは生体への給餌も控えます。状況が変わらなければ、市販のバクテリア剤などを使用することも可能です。
予防法
バクテリアのバランスを保つためには、必要以上の水換えを行わない、ろ過器やろ材を過剰に洗浄しないなどの対策が挙げられます。
水あかの場合
水あかの特徴
白い汚れが水槽のガラス面、特に水面近くに付着する場合は、水あかである可能性が高いです。飼育水の水位が下がると目立つことが多く、放置すると固まりやすいのが特徴です。
発生する原因
水あかは、飼育水に含まれる炭酸カルシウムや塩分などが析出し、水面付近のガラス面などに付着するといわれています。また、炭酸カルシウムは硬水に多く含まれていますので、飼育水の硬度が高いと水あかが発生しやすくります。
駆除方法
あまり強固に付着していない場合は、水槽専用のクリーナーで落とすことが可能です。日がたって固くなっている場合はスクレーパーなどで削る方法もありますが、水槽に傷が付かないよう注意が必要です。また、水槽のリセット時などに限りますが、クエン酸やお酢などを含んだキッチンペーパーを該当箇所に当てて除去することも可能です。
予防法
水あかは、飼育水に含まれている成分によって付着するため予防は難しいようです。固着させないよう、小まめに除去しましょう。
水槽の白い藻は早期に取り除くことが大事
一口に白い藻と言っても、さまざまなものや原因、対策法があります。早期に発見して適切に対処できるよう、日頃から注意して管理するよう心がけましょう。今回ご紹介した内容を参考にして、良好なアクアリウム空間をキープしてくださいね。