水槽の藻の種類:それぞれの原因と予防・対策法は?
アクアリウムライフを送るうえで必ずと言っていいほど直面する、水草の藻。藻は水槽のガラス面や水草などに付着し、景観を損ねる原因にもなります。非常に厄介な存在ですが、発生原因や対策方法を把握することで、ある程度は予防することが可能です。
今回は、水槽に発生する藻の種類や発生原因、主な対策法についてご紹介します。
目次
糸状藻
糸状藻は、水草の葉先やガラス面、パイプなどの器材に発生しやすい藻です。色は明るいグリーンで、糸や糸くずの玉のような形をしているのが特徴です。
発生原因
糸状藻の発生原因には、水槽の富栄養化、ろ過バランスの崩れ、強すぎる・弱すぎる水流、長すぎる照明時間などが挙げられます。また、水草のトリミング時に切り口から出る養分も発生原因の一つといわれています。
予防・対策法
ろ過環境を整え、水中の富栄養化を防ぎましょう。照明時間を適切に保つことも重要です。水草をトリミングする際は、養分の流出を抑えるため茎の途中ではなく節部分をカットします。ヤマトヌマエビなどを導入するのもおすすめです。発生したら、絡まっているものはパイプクリーナーなどで絡め取り、ガラス面に付着したものはスクレーパーなどを用いて除去します。
アオミドロ
アオミドロは、水草の葉などに発生しやすい藻です。緑色でフサフサしており、一直線に細長く成長するのが特徴です。
発生原因
光合成によって成長するため、水槽に直射日光が当たる、照明時間が長すぎるなど光量が多い環境で発生しやすくなります。水槽の富栄養化も発生原因になるといわれています。また、販売されている水草に付着しているケースもあります。
予防・対策法
直射日光の当たらない場所に水槽をセットし、ライトの強さや点灯時間に注意します。富栄養化を防ぐため、ろ過環境を整えることも重要です。成長スピードの速い水草を入れたり、浮き草を浮かべるのも効果的です。エビ類やブラックモーリーなどを導入してもいいでしょう。水草を購入する際は、アオミドロが付着していないかよくチェックしてください。発生した場合は、歯ブラシやピンセットなどで除去しましょう。
茶ゴケ(けいそう)
茶ゴケ(けいそう)は、ガラス面や水草・底床など水槽のあらゆる箇所に付着しやすい藻で、茶色でぬめりがあるのが特徴です。
発生原因
茶ゴケは、ろ過能力が整っていない環境で発生しやすい藻です。特に、水槽の立ち上げ初期はバクテリアや水草の作用が十分でないため、水中の養分を分解・吸収しきれず、茶ゴケ発生の原因になります。また、ろ過器材に手を加えたり、水槽の大掃除を行ったあとに発生することもあります。
予防・対策法
バクテリアが安定すれば自然に減少しますので、ろ過環境に注意して管理してください。貝類やオトシンクルスなどを導入するのも効果的です。光量を増やしたり照明時間を長くすることも有効ですが、ほかの藻の発生を促す恐れがありますので注意が必要です。発生したら、ガラス面はスクレーパーや定規など、水草は手やスポンジを用いて除去しましょう。
のり状藻
のり状藻は、底床や水草などに発生する細菌の一種で、藍藻・シアノバクテリアとも呼ばれます。色は緑、黒、こげ茶色などで、ヘドロ状に付着し臭いがあるのが特徴です。
発生原因
のり状藻は、水流のよどみやアルカリ性に偏った水質、底床の汚れなどが原因で発生することが多いといわれています。また、季節の変わり目など水温変化が激しい時期にも発生することがあります。
予防・対策法
砂利クリーナーをかけるなど、水流のよどみや底床の汚れを防ぐよう管理します。水質がアルカリ性に傾かないよう調整することも重要です。対策魚については、ブラックモーリーがよく食べてくれるようです。発生したらホースなどで水ごと吸出し、そのまま水換えを行います。藻類駆除剤などの薬剤を用いることも可能ですが、水草や他の生体への影響に注意したうえで使用しましょう。
アオコ
アオコは植物プランクトンの一種で、大量に発生すると水が緑色に濁った状態になります。藍藻系のため、臭みがあるのが特徴です。
発生原因
アオコは、直射日光が当たる・照明時間が長いなど光量が多すぎる環境で発生しやすいといわれています。また、水槽内の老廃物やろ過不足、富栄養化などが原因で発生することもあります。
予防・対策法
ろ過能力の低下を防ぐため、フィルターを定期的に掃除しましょう。照明時間を適切に管理することも必要です。発生したら、濁りがなくなるまで毎日水換えを行い、照明時間を半分ほど短縮します。水草用の肥料の添加も控えましょう。市販の除去剤を使用することも可能ですが、水草が枯れてしまうことがあるので注意してください。
斑点状藻
斑点状藻は、ガラス面や水草の葉などに斑点状に発生する藻です。緑色で、付着力が強いのが特徴です。
発生原因
直射日光が当たっている、照明時間が長いなど、強い光量が原因で発生することが多いようです。また、水質が安定している良好な環境でも発生しやすいといわれています。
予防・対策法
水槽の設置場所に注意する、照明時間を短めにするなど光量に配慮して管理しましょう。定期的な水換えや、水草用の肥料を控えることも予防に役立ちます。イシマキ貝やオトシンクルスなどを導入する方法もあります。発生した場合、ガラス面はスクレーパーや定規などで取り除きます。水草はスポンジ等を用いて除去しますが、取りにくい場合は患部ごとカットしましょう。
水槽の藻の種類についてまとめ
藻は、発生すると完全に取り除くことが難しいといわれています。水質管理や水槽器材のメンテナンスを小まめに行うなど、日頃から予防を心がけたいものです。ご紹介した対策法を参考にして、藻が発生しにくい環境を整えてくださいね。