ヌマムツの飼育方法:飼い方のコツは?どこで販売されてるの?
ヌマムツは日本の河川に生息する川魚で、オイカワやカワムツなどとともに人気の観賞魚です。オスは繁殖期になると美しい桃色の婚姻色に染まり、見た目も鮮やかになります。カワムツよりも水質の変化にもつよいヌマムツは、はじめて川魚の飼育を検討している人にとっても始めやすい魚です。
今回は、ヌマムツの飼育方法や特徴などについて紹介していきます。
目次
ヌマムツとはどんな魚?寿命は?
ヌマムツはコイ科コイ目に分類される淡水魚で、2003年までカワムツと同一視されてきた魚です。しかしカワムツとの交雑がないことや、うろこが細かい点、カワムツが河川上中流などに住む流水適応型に対しヌマムツは用水路などの緩やかな流れを好む止水適応型である事などから完全に別種として分けられました。
日本の多くの地方ではウグイやオイカワとひとくくりに「ハヤ」という名称でも親しまれており、成長すると15cm前後になり、寿命は2年前後となります。
ヌマムツの飼育は難しい?飼うときのコツは?
ヌマムツは緩やかな流れを好みますので、水槽での飼育に適した川魚と言えるでしょう。また、適応能力も高く水質の変化にも強いので初心者の人でも比較的簡単に飼育することができます。ただし、夏場の高温は苦手ですので、エアコンのある部屋で飼育してあげるのが望ましいです。
ヌマムツはどこで販売されてるの?値段は?
ヌマムツはペットショップ300円前後で入手可能ですが釣りなどで捕獲するのが一般的でしょう。オスを入れると繁殖期の春先には美しい婚姻色が観察できますので、オスを導入するのがおススメです。
選び方のポイントは、ヒレなどが傷ついてなく、元気よく泳いでいてうろこがきれいな剝がれていない個体をえらびましょう。
ヌマムツに適した水槽の大きさは?
ヌマムツは遊泳範囲が広い魚ですので、最低でも60cmの水槽があった方が良いでしょう。緩やかな流れを好みますので強い水流は必要ありませんが、循環型のろ過装置を使用して水槽内に水流を作り出してあげるのが理想的です。
また岩陰や流木のくぼみに身体を入れて休みますので、隠れ家を設定してあげるようにしましょう。いじめられてしまった場合にも弱い個体の避難場所にもなりますので、隠れ家は複数設置してあげるとヌマムツが快適に過ごせます。
飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要なアイテム
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
その他のアイテム
- 熱帯魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
底砂は浄化作用のある活性炭入りのものを使用すると水換えの頻度が減るので後の飼育が楽になります。大磯(おおいそ)砂などは安価で購入できます。
水槽の立ち上げ方の手順
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。
- 砂利やアクセサリーを洗って水気を切り、レイアウトしましょう。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと水中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2日程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
- 水槽の立ち上げを完了してからヌマムツを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?水温や水質は?
ヌマムツに適した水温は23℃〜26前後です。水温の変化にも幅広く対応できますが30℃以上の高温にはならないようにしてください。水質は弱酸性〜弱アルカリ性に保つようにしましょう。ph7.0〜8.0します。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたヌマムツを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後ヌマムツのみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
餌は何を食べる?与える頻度は?
餌は動物性を好む雑食性で、赤虫やミジンコなども好んで食べますのでおやつ代わりに与えると良いでしょう。川魚用の餌を主食に与えましょう。1日2回食べきれる量を与えましょう。全体に行き渡るように数カ所に給餌します
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- バケツに新しい水を用意します。
- 水槽内の3分の1水を排水します。
- 新しい水を3分の1入れて水換えしましょう。
水質の悪化には強い魚ですが、水槽内がコケなどで汚れてくるとカビや菌が繁殖しやすくなるので月に1回は水槽、アクセサリーもキレイに洗いましょう。
ヌマムツを飼育する上での注意点
ヌマムツはオイカワなど他の小魚との混泳も可能ですが、広さに余裕のある水槽を選んで飼育しましょう。狭い水槽はストレスになり暴れて落下事故や追突して突然死する原因にもなります。
また、身体が成長してくると自分より小さい個体を追いかけていじめることがありますので、サイズに開きが出てきた場合には別水槽に移して飼育してあげてください。
水質が合わないと白点病になってしまい、他の魚にも感染することがありますので、そのような症状が見られた時には手当てして様子を見ましょう。
餌を食べない原因は?対策法は?
他の魚に邪魔されて餌を食べられていないことがあります。餌をどうしても食べない場合は、水質や水温など環境に問題がないか確認しましょう。
また、水槽内が汚れていないかチェックします。汚れている場合は水換えをして様子をみます。水換えをしても元気がないときは、水槽内で酸欠になっている可能性がありますので、エアレーションをつけて水槽内の酸素を足してあげましょう。
ヌマムツを飼育する魅力とは
ヌマムツは日本の固有種で、キリッとした顔つきとすっきりとしたシルエットが魅力の魚です。水槽内で泳ぐ姿は涼しげで、婚姻色も美しく染まり風情があります。この記事でヌマムツに興味をもって頂けたら幸いです。