ネコザメの飼育方法:餌は何食べる?寿命はどのくらい?
ネコザメは、猫の耳のような突起が印象的な小型のサメです。円筒型のボディーに、茶色いしま模様を有しているのも特徴のひとつ。水族館などでよく見かけますが、小型なので自宅での飼育も可能です。性格がおとなしく、寿命も長いので長期飼育にも向いています。
今回は、ネコザメの特徴や飼育方法、飼い方のコツなどについてご紹介します。
目次
ネコザメとはどんな魚?寿命はどのくらい?
ネコザメは、ネコザメ目ネコザメ科に分類されるサメの一種。太平洋(たいへいよう)の北西地域、日本の北海道(ほっかいどう)以南の沿岸などに分布しています。寿命は長く、10年前後生きるといわれています。
目の上部分に突起を有しているのが特徴的で、日本では猫の耳、英語では牛の角に見立てられています。背ビレが2つあり、大型魚からの捕食を防ぐためのとげを有しています。
体長は1.2m程度で、水深6-37m程度の浅い海底の岩場などに生息しています。サザエなどの硬い貝類や甲殻類などをかみ砕いて食すことから、別名サザエワリとも呼ばれます。夜行性のため、日中は岩陰などに潜んでいます。卵がらせん状の形をしていることも有名です。
ネコザメの飼育は初心者向き
ネコザメは、サメの中では小型で性格も温厚なため、飼育環境や餌など飼育のコツを覚えれば比較的育てやすいといえるでしょう。他魚との混泳も可能です。
ネコザメが水槽の底を泳ぐので、水槽の中層から上層を遊泳する魚を選びましょう。餌と間違わない程度の大きさで、おとなしい性格のタンクメイトを選んでください。
ネコザメの販売価格は?購入するときの選び方は?
ネコザメは、アクアリウムショップやネット通販などで購入できます。ベビーや幼魚など、生育過程ごとに分けて販売しているショップもあります。
値段はおおよそ3,000円~10,000円程度で、サイズによって価格に差があります。
適した水槽の大きさ
ネコザメは飼育下では成長しにくい傾向があり、1mに満たないといわれています。最低でも90cm、できれば120cm以上の水槽を準備するのが理想的です。
水槽のスペースが狭いとストレスを感じやすく、体調を崩す原因にもなります。また、ネコザメの飼育には海水を使いますが、海水環境ではバクテリアが発生・繁殖しにくく、ろ過が十分に行われにくくなります。
水量が多いと水質維持にも効果的なので、できるだけ余裕のある水槽を選ぶことをおすすめします。
飼育に必要なアイテム
水槽以外には、主に下記のような設備・道具を用意しましょう。
- 水槽台、水槽マット、フタ
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- サンゴ岩
- エアーポンプ
- 人工海水の素
- 比重計
- pH測定紙
- pH調整剤
- 熱帯魚用網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
特に、2の海水に関する器材は必ず用意してください。最近では、海水での飼育キットも販売されていますので、参考にしてみてください。
水槽の立ち上げ方
- 水槽を丸洗いし、乾燥させます。
- 水をカルキ抜きしておきます。
- 海水を作ります。カルキ抜きした水に人工海水の素を加え、比重計を用いて塩分濃度を調節します。
- ろ過装置を作動させ、水を循環させます。酸素によってバクテリアが発生・繁殖し、フィルターに定着します。1カ月程度はこのまま水だけで循環させ、環境を整えます。
なお、この手順を終えてから飼育するネコザメを購入するようにしましょう。
ネコザメを水槽に入れるまでの手順は?水温や水質は?
水槽を準備し、ネコザメを購入したら下記の手順で水合わせを行ってください。
- 生体が入ったビニール袋を水槽に浮かべて30分ほど待ちます(袋と水槽の水温を合わせます)
- 袋の水を3分の1ほど捨てて、捨てた分量の水槽水を袋に入れ、15分ほど待ちます。
- 2の作業を5回ほど繰り返してください。
- 水槽に生体を移します。生体が自分から水槽に入るよう、徐々に移すことがポイントです。
また、水温は23度程度、水質は弱アルカリ性が適しています。
餌の量や与える頻度は?
ネコザメは、貝類やウニ・甲殻類などの生き餌を好みます。魚の切り身なども食べますが、魚ばかり与えると、硬い餌をかみ砕く食べ方を忘れることがあります。ネコザメ特有の食べ方を維持させるためにも、数種類の餌を与えてあげましょう。
水換えの時期と方法は?
サメは水を汚しやすい傾向がありますので、2週間に1回、水槽の3分の1ほどを目安に水換えを行うのが望ましいです。
- バケツなどで新しい海水を作ります
- 水槽の水を排水します
- 新しい海水を少しずつ追加します
また、水換えと同時に水槽の掃除も行いましょう。
ネコザメを飼育する上での注意点
ネコザメは高温に弱い傾向があります。日頃から水温を適度に保ち、特に夏場の水温管理には注意しましょう。
水質の変化にも弱いので、日頃からpHをチェックし水質を保つことも重要です。食べ散らかすことが多く水も汚れやすいため、適宜水換えや掃除を行いましょう。
また、ネコザメはかみ砕く力が強いので、噛みつかれないように注意してください。背ビレのとげにも毒がありますので、素手で触らないなど取り扱いには気を付けましょう。
餌を食べない場合はどうする?
ネコザメは餌切れに弱い傾向があります。一度痩せたら元に戻りにくいため、普段から十分に餌を与えましょう。拒食になっていないか、日頃からチェックすることも重要です。
ネコザメの食欲がなくなってきたら、まず水槽環境をチェックしましょう。水温・水質を確認し、ネコザメに適した数値に調節しましょう。
また、サメは餌を食べない日もあるようなので、何日か様子をみてもいいでしょう。餌の種類を変えてみるという方法も試してみてください。
ネコザメを飼育する魅力とは
猫の耳のような突起と、淡いしま模様が印象的なネコザメ。もぐもぐと餌を食べる姿にも愛嬌があります。最近ではペットとして飼う人も増えているようです。ぜひ飼い方のコツをつかんで、末長く可愛がってあげてくださいね。