ギンポの飼育方法:餌は何を食べる?寿命はどのくらい?
幻の魚と言われているギンポをご存じでしょうか?別名「海ドジョウ」とも呼ばれている長い身体つきが特徴の海水魚になります。古くは江戸(えど)時代に天ぷらの食材として親しまれてきたギンポは釣り人に認知されている魚で食用として流通していますが、鑑賞魚としても親しまれている魚です。
今回はギンポの飼育方法や飼い方のポイントについてご紹介いたします。
目次
ギンポとはどんな魚?寿命はどのくらい?
ギンポは瀬戸内海(せとないかい)や北海道(ほっかいどう)から長野県(ながのけん)にかけての浅瀬に生息しています。寿命はおよそ5年前後で全長約20cm前後まで成長します。餌は動物性たんぱく質を主に摂取しており、小型の魚や甲殻類、貝類などを捕食します。主に夜間に活動します。フタを開けて飛び出してくることが多いので、必ず重石をするようにしましょう。
ギンポの飼育は難しい?混泳はできる?
ギンポは丈夫で、ストレスにも強いので飼育は比較的簡単で。しかし、縄張り意識が強い魚で、うまく水槽の配置をしないと喧嘩してどちらか倒れるまで攻撃するので、混泳する場合は居住空間を完全に分ける必要があります。
ギンポの価格は?購入するときの選び方は?
ペット用として流通しているヤエヤマギンポなどは1000円前後で入手可能です。選び方の基本は、身体の体色がきれいなものを選びましょう。また、目が濁ってないものを選ぶと良いです。
名前:ギンポ
税込価格:950円~
適した水槽の大きさは?
ギンポのみの飼育でしたら60cm水槽でも可能です。混泳を検討しているようなら90cm以上の水槽を用意しましょう。水温は少し低めを好むので低めに設定すると良いでしょう。
餌は何を食べる?
ギンポの餌は個体によっては人工飼料を抵抗なく食べてくれますが、生き餌が基本になります。魚の切り身や冷凍クリルを与えましょう。これらの生き餌は水が汚れやすいので、残った餌はすぐに取り除くようにして水質が悪化しないように気をつけて飼育しましょう。
ギンポの飼育に必要なアイテムは?
ギンポを飼育する上で必要なものは以下のアイテムです。
- 人工海水の元
- カルキ抜き
- ろ過装置
- 人工飼料、魚の切り身、冷凍クリル等
- 温度計
- 比重計
- ライブロック等
- ヒーター、ファン
底砂を用意する場合にはサンゴ砂が良いでしょう。または大磯(おおいそ)砂など安価で手に入り、ろ過機能の高い砂になるのでおすすめです。
水槽の立ち上げ方法
- 水道水にカルキ抜きを入れ、カルキを抜いた水に人工海水の元を入れます。
- 水が透明になったら洗って天日干しした水槽に静かに水を流し入れます。この時に隠れ家、砂利も設置しておきましょう。
- 水を入れてヒーター、ろ過装置起動、循環させて魚を入れる前に4週間〜2カ月ほどおきます。酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着するので水質が安定し水が汚れにくくなります。
水槽の立ち上げを完了してから水合わせを行わないと魚の負担になり白点病などにかかりやすくなるので、注意が必要です。海水の場合は比重計で塩分濃度も調節しましょう。
水合わせの手順は?水温や水質は?
水合わせの手順
- 水槽のセットが完了したら入手してきたギンポを室温に慣らしてから袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- その後袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後ギンポを水槽に移し、袋の水は捨てます。
- ギンポは自然界から導入する場合白点病を発症しやすいので注意が必要です。念入りにトリートメントを行ってから水槽に移すようにしましょう。
適した水温・水質
水温は22℃〜25℃で設定しましょう。30℃以上の高温には耐えられません。夏にはファンを設置したり、部屋のクーラーで水温が上がらないようにしたり調節しましょう。混泳する魚は捕食してしまう可能性があるので中型の魚と良いです。
1日の餌の量や回数は?
1日2回食べきれる量を与えます。二カ所にわけて与えるなど水槽内で餌の量が偏らないように調節します。食べ散らかすので残った餌は手早く片付けましょう。
水換えの時期や方法は?
比重計を使い、蒸発した分の淡水を足して塩分濃度を上げないようにしましょう。最低で月に1回は砂利を掃除するような顔してたまった汚れを残さないように心がけます。隠れ家やライブロックも定期的に取り出して洗い、縄張りをリセットすると喧嘩防止になります。
ギンポが餌を食べない原因と対策は?
餌のより好みをして食べなくなってしまう個体がまれにいますので、数種類の生き餌を用意するなどして給餌するのが良いでしょう。種類によっては植物性の餌を好むギンポもおり、ライブロックなどについたコケを食べてくれるものもいます。
植物性の餌を好む種類は人工飼料を好むのでフレーク状の餌を与えると良いでしょう。沈下性のものが混じったものでしたら満遍なく水槽内に餌が行き渡るのでオススメです。残った餌は特に夏場は水槽内に残っていると腐敗して塩分濃度が高くなってしまうので給餌の度に掃除するようにしましょう。
ギンポを飼育する上での注意点
ギンポは丈夫でほとんど病気になりませんが、まれに餌を拒食して痩せて弱ってしまうことがあります。一度衰弱してしまうと回復は難しいので隔離して他の魚に攻撃されないようにして、様子を見ましょう。
また水槽内の魚が全て餌を食べられるように二カ所に餌をまいたり、浮遊性と沈下性の餌を用意したりするなどして工夫して給餌を行うと良いでしょう。定期的な水換えをして水質が悪化しないように保っていればよほどのことがないかぎり病気にはなりませんので、飼育は比較的容易です。
ギンポを飼育する魅力は?
ギンポは種類によって形や色が異なり幅広く楽しめる魚です。釣りをすることにより入手も可能ですので、釣り上げた際には飼育して見てはいかがでしょうか?非常に丈夫ですので、海水魚としては飼育しやすい魚になります。