金魚の飼い方:飼育のコツは?寿命はどのくらい?注意する病気は?
金魚は、日本の夏の風物詩として金魚鉢や縁日などでお馴染みの魚です。もともとの原産地は中国(ちゅうごく)で、室町(むろまち)時代に日本に渡ってきたという歴史ある魚でもあります。金魚にはさまざまな品種があり、観賞用の魚として国内外で高い人気を誇っています。
今回は、金魚の特徴や選ぶ際のポイント、飼い方のコツなどについてご紹介します。
目次
金魚とはどんな魚?寿命はどのくらい?
金魚は、コイ科フナ属に属する魚の一種。西暦3、4世紀頃の中国で突然変異した赤いフナ(緋ブナ)を改良品種化したものがルーツといわれています。日本には室町時代に輸入されましたが、飼育や養殖方法が備わっておらず定着しませんでした。江戸時代には養殖技術が進み、一般庶民の間にも広まるようになりました。その後、国産の品種も生まれ、今日に至るまで親しみやすい魚として定着しています。金魚には100を超える品種があり、ワキンやリュウキン、ランチュウなどが有名です。金魚の体長は、種類にもよりますが最大で25cmほどに成長し、寿命は8年~15年程度といわれています。
金魚の飼育は簡単?飼い方のコツは?
金魚は水温水質への適応力が高く、人にも慣れやすいため飼いやすく、初心者にもおすすめの魚です。飼育については、一般的な淡水魚と同じ方法で問題ないようですが、きれいに育成したい場合は色揚げ用の餌を与える必要があります。
購入するときの金魚の選び方は?
金魚を購入する際は、体形が左右対称か、体表に白い斑点や傷がないか、目が濁っていないかなどをチェックしましょう。また、泳ぎ方がおかしくないか、水面で口をパクパクする鼻上げをしていないかなどを確認することも、元気な生体を選ぶポイントです。
金魚の混泳のルールや注意点は?
金魚は比較的温和な性格をしているため、同種間や同じ水温水質を好む他の淡水魚との混泳が可能です。自分の口より小さなものを食べることが多いため、混泳させる魚のサイズに注意しましょう。同種間で混泳させる場合も、同じくらいの大きさを選ぶといいようです。異なる種類の金魚を混泳させたい場合は、動きが活発、視力が弱い、泳ぎが苦手などそれぞれの特性を考慮して同居させましょう。
金魚に適した水槽の大きさは?
金魚は、金魚鉢という言葉がある通り、単独であれば鉢のような入れ物で飼育することも可能です。ただ、水を汚しやすく、成長すると体長も大きくなりますので長期的な育成にはおすすめできません。金魚を長く飼うためには、できれば60cm以上の水槽での飼育をおすすめします。大きく育てたい場合や複数混泳させたい場合は、より大きな水槽を選ぶようにしましょう。
金魚の飼育に必要な道具は?
水槽以外には、次のような器材を準備しましょう。
水槽設備に関する機器・道具
- 水槽台と水槽マット
- ろ過フィルター、ろ材
- 照明
- 底砂
- 水草(金魚藻と呼ばれるマツモ、カボンバ、アナカリスがおすすめです)
- ヒーター
- カルキ抜き
- エアーポンプ、電源タイマー
そのほかの道具
- 水温計、水質測定キット
- 熱帯魚用網
- コケ取りグッズ
- ピンセット
- 水換えポンプ、バケツ
- 餌
水合わせの手順は?
- あらかじめ水道水をカルキ抜きしておきます。
- 水槽にフィルターなどの機材を設置し、底砂・水草などのレイアウトを行います。
- カルキ抜きした水を入れます。
- ろ過装置を作動させて水槽内の水を循環させます。その後、数日間は水だけの状態で空回ししましょう。酸素の循環によりバクテリアが繁殖・定着し、水質が安定する効果があります。
- 上記の手順を終えたあとで、飼育する金魚を購入しましょう。
水合わせの手順は?金魚に適した水温や水質は?
金魚は丈夫な魚ですが、急激な水温変化に弱い面があるため、水合わせを行って水槽に入れましょう。
- 購入した袋のまま水槽に浮かべます(30分~1時間ほど)
- 袋の中に水槽の水を3分の1ほど入れて待ちます(1~2時間ほど)
- 2の作業を4~5回ほど繰り返します
- 水槽に金魚を移動させましょう
金魚は幅広い水温に適応し、0度〜35度で生存が可能ですが、快適に動ける水温は15度〜28度といわれています。また、水質については弱酸性~中性を好むようです。
金魚の餌は?量や与える頻度は?
市販されている金魚用の餌を与えます。餌には粒タイプ、フレークタイプなど種類がありますが、飼育する金魚が食べられる大きさのものを選ぶことが必要です。給餌の回数は1日2,3回程度、生活のリズムを保つためにもできるだけ毎日同じ時間に与えましょう。また、金魚の色を維持したい場合は、色揚げ効果のある餌を選びましょう。
水変えの時期と方法は?
水換えは月に1,2回程度、水槽の3分の1程度の水を目安に行います。
- バケツに新しい水を用意してカルキ抜きします。
- 水槽の3分の1を排水します。
- 新しい水を水槽に補充します。
水換えの際は、水槽を清潔に保つためにガラス面などの掃除を行うことも重要です。
金魚を飼育する上での注意点
金魚を飼う上で注意したいのは、白点病や尾腐れ病などの病気です。白点病は体表やヒレなどに白く小さな斑点が付く病気で、水温が低下した際にかかりやすい病気です。白点病を発見したら水換えを行い、水温を30度程度まで上げてメチレンブルー水溶液などで殺菌します。尾腐れ病は尾やヒレが白く濁り、放置すると腐ったようになる病気です。尾腐れ病を確認したら、感染した個体を別容器に移しニューグリーンFなどで薬浴しましょう。水換えと水槽の掃除も行います。その他、水カビ病や松かさ病などにも注意が必要です。また、頻繁に鼻上げしている場合は酸欠やアンモニア中毒・えら病などが考えられますので、日頃からよく観察することが重要です。
金魚が餌は食べない原因と対策は?
金魚は食欲旺盛な魚として知られていますが、餌を食べなくなることもあります。特に、飼い始めて日が浅い時期や、大がかりな水換えを行った直後などはストレスを感じやすく、食欲が低下する傾向があります。そのような場合は給餌を控え、環境に慣れるのを待ちましょう。また、冬の時期には内臓の働きが鈍くなり、消化力が落ちるため餌を食べる量も少なくなるようです。無理に餌を与えると消化不良などを起こしますので、暖かくなるまでは餌の量を控えましょう。
金魚の魅力とは
古くから日本人に親しまれてきた金魚。最近では、金魚を用いたアートアクアリウムも人気です。さまざまな品種があるので、自分好みの金魚を選べることも魅力のひとつ。寿命も長いので、末長くかわいがってあげてくださいね。