オショロコマの飼育方法:飼い方のポイントは?どこで販売されてるの?
オショロコマは見た目がシャケに似ていて、大きな口が特徴の川魚です。別名カラフトイワナとも呼ばれています。自然界での生態が少なくなっており、レッドリスト(※1)に登録されて保全活動が呼びかけられている希少な魚でもあります。
今回は、寒冷地帯に生息しているオショロコマの飼育について紹介させていただきます。
IUCN(国際自然保護連合)が管理する、絶滅危惧種のこと。
目次
オショロコマとはどんな魚?寿命は?大きさは?
オショロコマはサケ目サケ科に属する魚です。北極海(ほっきょくかい)および北部太平洋(たいへいよう)沿岸に分布しています。日本では北海道(ほっかいどう)全域、知床半島に分布しています。日本に住む個体は生涯を河川で過ごし、下降しない残留型がほとんどです。
寿命は5年前後で、成長すると20cm前後に成長します。産卵期は10月〜11月ごろで、河川の岩陰や水草の間に卵を産み付けます。
肉食性で、水生昆虫や落下してきた昆虫を捕食して生活します。
オショロコマの飼育は難しい?
オショロコマは寒冷地域に生息する魚になりますので、低温の水槽での飼育が基本になりますが、水質の変化にも強く、川魚飼育の入門としてもオススメの魚になります。飼育のポイントは、渓谷域に住む魚になりますので、水槽には流れをつけるようにしてあげましょう。
オショロコマとの混泳はできる?おすすめの魚は?
オショロコマを同種同士で混泳させることは可能です。しかし、数を増やす場合には追突の危険がありますので、広めの水槽を用意するようにしましょう。また、ナワバリ意識が強いところがありますので、隠れ家を設置しましょう。
おすすめの混泳相手は、イワナやヤマメなどの川魚との混泳もオススメです。流れがある水域に生息している、同サイズの魚との混泳は基本的に可能ですが、タナゴなどの緩やかな水域に生息する魚との混泳は避けましょう。
オショロコマはどこで販売されてるの?選び方のポイントは?
オショロコマは1000円前後で購入が可能です。しかし野生の個体は数が少なく保護が呼びかけられていますので、ブリードされた個体がネット通販を中心に販売されています。
見た目が似ている亜種も販売されていますので、オショロコマか確認してから購入しましょう。
名前:オショロコマ(1匹)
税込価格:1,590円
オショロコマに適した水槽は?大きさは?
オショロコマは20cm前後に成長しますので、水槽は60cm以上のものを用意しましょう。また、水槽内に流れをつけるために循環型のろ過装置を使用しましょう。
オショロコマは飛び出し事故が多い魚ですので、水槽にはフタをしっかり設置して落下しないようにしましょう。また、泳ぎが機敏な魚ですので水槽に激突しないように大きめの水槽で配慮しましょう。
オショロコマの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 照明器具
- ろ過装置
- ヒーター等
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
- 温度計
その他のアイテム
- 熱帯魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
砂底は大磯砂などを使用しましょう。角がとがっていない丸石のものを使用して、身体が傷つかないようにしましょう。
水槽の立ち上げ方
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと水中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2日程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
水槽の立ち上げを完了してからオショロコマ入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?オショロコマに適した水温や水質は?
オショロコマに適した水温は18℃〜22℃前後です。水質は中性に保つようにしましょう。ph7.0前後にすると適応しやすいです。夏場の気温が上がりやすい時期には、クーラーや冷却ファンを利用して水温が上がらないようにしましょう。
水合わせの手順
- 水槽のセットが完了したら入手してきたオショロコマを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後オショロコマを水槽に移し、袋の水は捨てます。
オショロコマの餌は?与える頻度は?
オショロコマの餌は、冷凍クリル・赤虫を中心に川魚用の人工飼料と併用して与えると栄養バランスがとれます。栄養バランスが偏ると身体が変形する原因になるので注意が必要です。量は、1日2回2~3分で食べきれる量を与えます。
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- カルキ抜きした水道水を用意します。
- 容器の3分の1を排水します。
- 排水した分、新しい水を足し水して水槽が満たされたら水換えが完了です。
月に1回は水槽もスポンジで掃除するようにして、滑りを取り除いて下さい。
オショロコマを飼育する上での注意点は?
オショロコマは病気になりにくい魚ですが、白点病などにかかる可能性があります。水質を悪化させないように定期的に水換えをして、水槽内の水質を保つようにしましょう。また、夏場などの水が高温になりやすい時期には特に注意が必要です。飼育スペースは風通しの良い日陰の部屋を選ぶようにしましょう。
オショロコマは、水槽に追突したり、混泳相手との接触によりショック死したりする可能性があるので、水槽内は最低限のレイアウトにとどめ、すっきりまとめるようにしましょう。
オショロコマが餌を食べない原因と対処法
混泳相手にいじめられていたり、けがをして弱ったりしていないか確認しましょう。もし、水槽内で立場が悪くなっている個体がいた場合、給餌の際に隔離するなど考慮します。
稀に人工飼料に餌付かない個体もいますので、赤虫や半ナマの餌を与えてみましょう。野生個体は水生昆虫が好物で捕食しますので、イトミミズなどの給餌は有効になります。
また、水温計を設置して常に一定の温度を保つように工夫しましょう。温度が急激に変化してしまうとストレスから拒食になる場合があります。
オショロコマの魅力とは?
オショロコマは、ヒレや胸部分の赤色が美しく、流れに乗って泳いでいる姿は優雅で上品な見た目で魅力があります。川魚の飼育に挑戦したい初心者の方にもオショロコマはオススメの魚になります。清流をイメージした水槽を作るとより美しさが際立ちますよ。
この記事を読んでオショロコマに興味を持って頂けたら幸いです。