水槽の掃除方法:魚への影響は?必要な道具は?頻度はどのくらい?
アクアリウムを管理していると、餌の食べ残しやコケなどによって水槽が汚れることが多々あります。汚れを放置すると水質悪化などの原因になるため、定期的に掃除や水換えを行って水槽内を清潔に保つ必要があります。
今回は、水槽の汚れや掃除に用いるアイテム、水槽や器材の掃除方法、水換えの方法などについてご紹介します。
目次
水槽の汚れの種類は?原因は?
1.コケ(藻)類
水槽の汚れで最も多いのはコケ(藻)といってもいいでしょう。コケには、茶ゴケ(珪藻)や斑点状藻、ヒゲ状藻・黒髭藻などの種類があります。コケが発生する原因には、ろ過バランスが崩れている、光量が多すぎる、水槽水が富栄養化しているなどが挙げられます。
2.細菌類
細菌類も水槽汚れの原因になります。有名なのはのり状藻といわれる細菌の一種で、藍藻・シアノバクテリアとも呼ばれます。水流のよどみや底床の汚れ、極端な水温の変化などが原因で発生するといわれています。
3.植物プランクトン
アオコなどの植物プランクトンは、主に飼育水の汚れの原因になります。アオコは、大量に発生すると水が緑色に濁って臭くなります。発生原因としては、水槽内の老廃物やろ過不足、水の富栄養化、光量が多すぎることなどが挙げられます。
4.生体の餌の食べ残しや排泄物
魚などが食べ残した餌や排泄物も、水槽汚れの原因になります。底砂などに沈殿しやすいため、ろ過器に吸収されにくく、水質の悪化にもつながります。
水槽の掃除に必要な道具は?
水槽を掃除する際は、主に次のような道具を準備しましょう。
スクレーパー
ガラス面に付着したコケを取り除く際に使用します。
メラニンスポンジ
ガラス面についた付着力の弱いコケや、ちょっとした汚れを拭き取るのに役立ちます。
ブラシ
パイプや岩などを掃除する際に使用します。
砂利用クリーナー
底砂に沈み込んだゴミを吸い込んでくれます。
ポンプ付きホース
水槽の水を吸い上げる際に使用します。
バケツ
新しい水をカルキ抜きする際などに使用します。
タオル
水槽や、アイテムなどの水気を取るために使用します。
水槽の掃除の方法は?
水槽の掃除は、次の手順を参考に行いましょう。
- 生体を、水槽の水と一緒にバケツなど別の容器に移します。
- ろ過フィルターなど、全ての器材の電源を切ります。
- ろ過装置、ヒーターなどの器材、水草やアクセサリー類を取り出して洗浄します。水道水などで洗うとバクテリアが減少してしまうため、飼育水をバケツなどに汲んで洗浄に使用しましょう。
- コケなど、ガラス面に付着した汚れを取り除きます。
- ホースなどを使用して水槽全体の3分の1程度の水を抜きます。同時に砂利の汚れも吸い上げましょう。
- 器材やアクセサリー類を配置し、新しい水を入れます。水温を飼育水に合わせ、カルキ抜きを行っておきましょう。
- 器材などをチェックして電源を入れます。
- 電源を入れて10分ほど経ったら、生体を水槽に戻します。
フィルター・ろ過装置の掃除方法は?
フィルターやろ過装置の掃除方法は、装置の種類によって異なります。
上部フィルター・外部フィルター
ウールマットを交換します。リングろ過材や目の粗いマットなどは、飼育水またはカルキ抜きをした水で洗います。ホースなどはブラシを使用して掃除しましょう。
外掛けフィルター
ろ過材を交換する際に、本体を取り外して洗浄します。ろ過材交換の3回に1回が掃除の目安です。
底面フィルター
底面フィルターは底にゴミが沈むため、フィルター自体を外して掃除します。大がかりな作業のため、水槽のリセットに近い掃除方法といえます。
ろ過装置に汚れがたまると、ろ過のバランスが崩れて水質が悪化しやすくなります。定期的に掃除を行って、ろ過能力を維持しましょう。また、ろ過バクテリアをなくさないために、水換えからおよそ1週間後にお手入れすることをおすすめします。
底砂や砂利の掃除方法は?
底砂を掃除する際は、かき混ぜずに砂利用のクリーナーなどでゴミを吸い出しましょう。水と汚れを一緒に吸い上げるタイプの製品を使用すれば、水換えと同時に砂利の掃除を行うことができます。水を抜かずに砂利のみを掃除する製品も販売されていますので、必要に応じて使い分けると便利です。
水草や隠れ家などの掃除方法は?
水草を掃除する際は、いったん水槽から取り出し、別の容器に水を入れてその中で洗浄します。ゆするように洗うことが望ましいです。
隠れ家や岩などは、セットしたまま掃除する方法と、取り出して洗う方法があります。レイアウトを崩したくない場合は、動かさずブラシなどで掃除しましょう。コケなどが頑固に付着している場合は、水槽から取り出して洗浄しましょう。
水換えの頻度は?掃除の方法は?
水槽の水換えは、一般的には2~3週間に1回程度行うのが望ましいといわれています。飼育する魚や、飼育水の状態などによって異なる場合もあるため、必要に応じて行ってください。
- ろ過装置やヒーターなど、器材の電源を切ります。
- 水槽全体の3分の1程度の水を抜きます。ホースなどを利用して、砂利の汚れも一緒に吸い上げましょう。
- バケツなどに新しい水を入れ、水温を飼育水に合わせてカルキ抜きを行います。
- (汽水・海水で飼育している場合は、塩分濃度も飼育水に合わせましょう。)
- 3の水を水槽に入れます。底砂が舞い上がらないよう、少しずつゆっくり入れましょう。
- 各器材のチェックを行い、電源を入れます。
水槽の汚れを予防する方法は?
水槽の汚れは、次のような方法で予防することが可能です。
1.ろ過機能を安定させる
水槽の富栄養化を防ぐため、水槽内のろ過機能を保ちましょう。定期的にろ過装置をお手入れすることも重要です。
2.生体の管理に注意する
水質の悪化や水の富栄養化につながるため、餌の与え過ぎや、過密飼育などは控えましょう。
4.適切な光量で管理する
光が強すぎるとコケが発生しやすくなるため、直射日光の当たらない場所に水槽を設置し、照明を当てる時間を一定に保つことも必要です。
5.定期的に水質をチェックする
飼育水の状態を把握するため、定期的にpH値やアンモニア濃度などを計測する習慣をつけましょう。
水槽の掃除をしないとどうなるの?魚への影響は?
水槽を汚れたまま放置すると、水質が悪化し、魚が弱ってしまいます。また、ガラス面やアクセサリー類、水草などにコケが付着して、見た目が悪くなってしまいます。コケは放置するほど除去にくくなりますので、早めに取り除くことをおすすめします。
ろ過装置の掃除を怠ると、ろ過槽が汚れで詰まってろ過能力が低下してしまいます。ろ過能力が落ちると、コケが発生しやすくなったり、バクテリアや魚などが弱る原因にもなるため、定期的にろ過装置をお手入れするよう心がけましょう。
まとめ
アクアリウムを楽しむためには、ガラス面や器材などの汚れを除去し、水換えを行って水槽内を清潔に保つことも重要です。ここでご紹介した内容を参考にして、定期的に水槽のお手入れを行い、飼育環境を良好に保ってくださいね。