カワバタモロコの飼育方法:混泳はできる?繁殖の方法は?寿命は?
カワバタモロコは日本の固有種の川魚で古くから親しまれてきた魚です。サイズもあまり大きくならないので飼育しやすく、観賞魚向きの魚となります。水面の光に反射して輝く銀色のうろこは美しく、水槽内でも目立つ魚ですよ。
今回は、カワバタモロコの飼育方法や混泳のルール、繁殖の方法や寿命などの特徴について説明していきます。
目次
カワバタモロコとはどんな魚?寿命はどのくらい?
画像元:楽天市場
カワバタモロコはコイ目コイ科カワバタモロコ属に分類され、静岡県(しずおかけん)より以西の本州(ほんしゅう)や四国(しこく)の瀬戸内海(せとないかい)側、九州(きゅうしゅう)の北西部に分布していますが、生息は断片的で現在都道府県版のレッドデータブック(環境省が発表している絶滅危惧種)に指定されている魚で、その数は極めて少なく、年々減少傾向にあります。
自然下での寿命は、2~3年前後で、成長すると全長5cm前後に成長します。飼育下では、5年前後生きる個体もおり、体も7cm前後に成長します。
カワバタモロコの飼育は難しい?飼うときのコツは?
カワバタモロコの飼育は容易で初心者にも飼育しやすい魚です。しかし、30℃以上の高温には弱いので温度計を設置して水温が上がりすぎないように気をつけましょう。数匹の群れを成し生活しているので、複数で飼育するのが望ましいです。
カワバタモロコと混泳する場合の注意点は?
カワバタモロコは小さい魚ですので、口に入れられるほどの大きな魚ですと捕食されてしまう可能性があります。同じサイズのメダカやグッピーなどと混泳させるのがよいですよ。
カワバタモロコの価格は?購入するときの選び方は?
カワバタモロコは養殖したものが、1,000円前後で購入できます。メスの方がお腹が大きい傾向にあります。選び方のポイントは、身体の色がハッキリとしたもので元気な個体を選びましょう。
名前:カワバタモロコ(3匹)
税込価格:690円
カワバタモロコの飼育に適した水槽の大きさは?
カワバタモロコは、成長しても7cmほどですので、45cm程の水槽で飼育が可能です。沼地や湖、流れの緩やかな河川を中心に生息しているので水流をつけずに飼育することも可能です。また、隠れ家として水草を好みますので設置するとよいですよ。
飼育に必要なアイテムは?
カワバタモロコの飼育には、下記のアイテムが必要になります。
水槽設置に必要なアイテム
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
- 底砂
その他のアイテム
- 魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
底砂は大磯(おおいそ)砂など種類を選ばずに使用できますが、粒が細かいほうが好みます。
水槽の立ち上げ方は?
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。
- 砂利やアクセサリーを洗って水気を切り、レイアウトしましょう。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと水中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2日程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
- 水槽の立ち上げを完了してからカワバタモロコを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?水温や水質は?
カワバタモロコの適した水温は、23℃〜25℃前後です。30℃以上の高温にはならないようにしてください。水質は中性に保つようにしましょう。ph7.0前後にします。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたカワバタモロコを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後カワバタモロコのみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
静かに手早く水合わせをすることによりストレス軽減することができます。
カワバタモロコの餌は?与える頻度は?
カワバタモロコの餌は、雑食性で水生昆虫や甲殻類・藻類などを食べますが、人工飼料でも問題なく食べます。
餌の量は1日2回、2~3分程度で食べ切れる量を与えましょう。残したものは水質の悪化につながりますので速やかに片付けましょう。
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 新しい水を用意します。
- 水槽の3分の1水を排水して減らします。
- 新しい水を排水した分足して完了です。
月に1回は水槽、アクセサリー類を洗いましょう。滑りやコケなども取り除くようにして清潔に保ちましょう。
カワバタモロコが餌を食べない場合はどうする?
カワバタモロコは選り好みしないで餌を食べますので、食いつきが悪い場合は、病気にかかっていないかチェックしましょう。水質が悪化しているようなら水換えを行い、薬浴や食塩浴で手当てしましょう。
また、身体の小さな個体は餌を食べられない場合があるので、数カ所に分けて餌を与えてあげると良いでしょう。ミジンコや赤虫などの生き餌を与えて食いつきが改善するようなら、生き餌と人工飼料をまぜて少し様子をみましょう。
カワバタモロコの繁殖について
カワバタモロコの繁殖を考えている場合は、おとなしい性格の魚ですので繁殖期もメスを取り合って争いになることは少ないですが、数匹のオスとメスを同じ数入れてあげるとペアを作りやすくなります。その場合、水槽も大きくする必要があるので最低でも60cm以上の水槽を選びましょう。
産卵期は落ちた腐葉土の裏や水草に卵を産み付けるので、水性生の植物を水槽に入れると繁殖しやすくなりますが、卵の色合いが少し黒っぽく見つけにくいです。しかし、そのままにしておくと他の魚に食べられてしまう場合がありますので、注意深く観察して卵を発見したら別の水槽に移すようにしましょう。
また、春の繁殖期には金色に近い見事な婚姻色に色づきますが、繁殖を経験したカワバタモロコはその年に死んでしまう個体が多いことを覚えておきましょう。
カワバタモロコの魅力とは?
婚姻色が美しいオスは水槽に入れて季節を楽しむには最適の魚です。繁殖期も5月上旬〜7月初旬まで長く楽しめるのも魅力的ですよね。こちらの記事を参考にカワバタモロコに興味を持っていただけたら幸いです。