メジナの飼育方法:餌は何を食べる?適した水温は?
メジナは大変おいしいことで知られている魚ですが、実はその存在感のある身体から観賞魚としても飼育される人気のある魚なんですよ。
今回は、メジナの飼育方法や餌、適した水温などのついて紹介します。
目次
メジナとはどんな魚?寿命は?
メジナはスズキ目スズキ亜科イスズミ科に属する海水魚です。日本全国で確認することができる魚ですが、北海道(ほっかいどう)の南部から台湾(たいわん)の沿岸部に生息しており、磯釣りの代表格として親しまれている魚です。まれに琉球(りゅうきゅう)半島でも生息を確認することができます。
寿命は10年前後と長寿です。自然界では成長すると全長60cmほどになりますが、飼育下では40cm前後にとどまることが多く、その容姿はクロダイと似ています。体高が高く、体色は青みを帯びた緑ですが、腹は黒いです。顎には柔らかいくし状の歯が確認できます。
メジナの飼育は難しい?
メジナの飼育はさほど難しくはなく、急激な温度変化や水質悪化がなければ飼育は簡単です。しかし、餌の好みが季節により変化するなどの特徴があるため、人工飼料になれない場合があり給餌に苦労する個体がいます。
メジナを購入するときの選び方は?
メジナは自然界から釣り上げて導入する形が一般的で、磯釣りではメジナ用の釣りざおもあるほどメジナ釣りはポピュラーです。自然界から導入する際にはしっかりとトリートメントを行い、寄生虫などを殺菌した上で水槽に移しましょう。
飼育に適した水槽の大きさは?
メジナ飼育には最低でも90cm規模の水槽を用意する必要があります。これはメジナを単体で飼育した場合のサイズで、水槽に他の海水魚を混泳させる場合には120cm以上の水槽を用意しましょう。水槽は海水に強く丈夫なガラス水槽がオススメですが、ガラス水槽は重さもあり高価なため、初期設備の費用はアクリル水槽に比べて割高になります。メジナは飛び出す可能性があるので、重量のあるガラスぶたを使用するのが良いでしょう。
メジナの飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 人工海水の元
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- 比重計
その他の道具
- 熱帯魚用大型の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
底砂はサンゴ砂など海水魚にあった砂を使用して、ライブロックなどでメジナが休める隠れ家を設置してあげましょう。
水槽の立ち上げの手順
- 水道水にカルキ抜きを入れ、次に人工海水の元を入れて海水を作ります。
- 流木などのアクセサリーを洗います。
- アクセサリーを設置して水を泡立たないように静かに入れていきます。
- 水を入れてろ過装置起動、ヒーターを循環させ4週間〜2ヶ月置きます。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着するので水質が安定し水が汚れにくくなります。
- 水槽の立ち上げを完了してから魚を入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?適した水温は?
メジナに適した水温は20℃〜25℃前後です。メジナを環境にならすため、暗めの静かな部屋でトリートメントした後、水合わせをして水槽に移してください。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたメジナを室温に慣れさせてから袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- 2を2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後メジナのみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
餌は何を食べる?与える頻度は?
オキアミを中心に甲殻類、海藻などを与えます。冬は、藻類など海藻や植物性たんぱく質も好んで摂取します。慣れてくれば人工飼料でも食いつくようになりますが時間がかかります。朝夕2回の給餌が良いでしょう。
水換えの時期は?
メジナは身体が大きくなると水を汚しやすいので、こまめに水槽を清潔に保つために水槽内の砂利なども1ヶ月に1回は掃除します。
メジナを飼育する上での注意点
メジナは体高が高いので高さのある水槽でないと飛び出して落下してしまうことがらあります。メジナが飛び出さないようにしっかりとフタを固定しましょう。
メジナは混泳できる?
混泳に関してはそこまで気を使うことはなく、さまざまな魚と相性を確認しながら混泳させることが可能です。しかし水槽内でもアクティブな泳ぎ方をしますので、カサゴのようなウロコが弱い魚との混泳は逆にメジナが追突してしまう恐れがあるので、同種のスズキ目類の魚が望ましいです。
メジナが餌を食べない原因は?
最初から人工飼料で給餌をしてしまうと、餌だと認識できなくて拒食になる恐れがあります。最初は冷凍クリルなどをピンセットで口元まで持って行き、給餌をしてあげましょう。時間をかければ人にも慣れてくるので餌も与えやすくなります。慣れるまでの期間少しでも餌を食べるように数種類用意して好みを探るのが良いです。
水質、水温があっていないこともありますので、確認して必要があれば水換えやヒーター、ファンなどを用いて温度管理をしてあげます。
メジナを飼育する魅力とは
メジナはカラフルな熱帯系の海水魚と比べると地味な魚ですが、黒光りする身体は重厚感もあり存在感のある魚です。釣りで捕獲する場合は、足場が不安定な磯場での釣りとなりますので、滑らないように十分に気をつけてくださいね。