タイリクバラタナゴの飼育方法:寿命はどのくらい?混泳はできる?
透明感のあるボディーが印象的なタイリクバラタナゴ。名前の「バラ」には「薔薇」の字があてられ、その名の通りオスの婚姻色が上品で美しい魚です。
環境への適応力が高く、手軽に入手できることから観賞魚としても高い人気を博しています。
今回は、タイリクバラタナゴの特徴や飼育方法、飼い方のコツなどについてご紹介します。
目次
タイリクバラタナゴどんな魚?寿命はどのくらい?
タイリクバラタナゴは、コイ科バラタナゴ属に属する淡水魚の一種。中国(ちゅうごく)や台湾(たいわん)を原産地とする外来魚ですが、1940年代前半に中国(ちゅうごく)からハクレンなどの種苗に混じって日本に入り、全国各地に分布するようになったといわれています。
体長は8cm程度で、繁殖期のオスに美しい婚姻色が現れるのが特徴的。流れの緩い河川を中心に、ため池や用水路などにも生息しています。寿命については、野生の生体は2年程度、飼育下では4年程度生きるといわれています。
タイリクバラタナゴの飼育は難しい?混泳はできる?
タイリクバラタナゴは飼育しやすい魚といわれています。容易に入手でき、淡水魚なので水槽環境も整えやすく、管理しやすいといえるでしょう。雑食性なので人工飼料にも餌付きやすく初心者にも向いています。性格も温和なため、同じような性格の魚との混泳も可能です。
タイリクバラタナゴはどこで販売されてるの?選び方のコツは?
タイリクバラタナゴは、熱帯魚ショップやネット通販で購入できます。また、河川や用水路などで釣ることもできるようです。数匹セットで販売されていることも多く、比較的安価で購入できます。選ぶ際はじっくりと観察し、元気な生体を入手しましょう。
名前:タイリクバラタナゴ
税込価格:950円
飼育に適した水槽は?大きさはどのくらい?
タイリクバラタナゴは最大で8㎝ほどに成長しますので、のびのびと育てるためにも45cm以上の水槽をおすすめします。多数飼育や、混泳をさせる場合も大きめの水槽を用意しましょう。
泳ぐのが好きな性質を持っているため、生体が密着しないよう、余裕のある環境を作ることがポイントです。また、大きめの水槽は水温水質が維持しやすいというメリットもあります。
そのほか、タイリクバラタナゴは飛び跳ねる習性がありますので、フタつきの水槽を用意しましょう。
飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には、次のような機器や道具を用意します。基本的には、一般的な淡水魚を飼育する器材とほとんど同じです。
- 水槽台、水槽マット、フタ
- 照明(設置した方がタイリクバラタナゴの体表が映えます)
- フィルター
- ヒーター、クーラー
- カルキ抜き
- エアレーション
- 底砂
- 水草
- 水温計
- 水質測定キット
- 餌
- ピンセット
- 水換えポンプ
- 熱帯魚用の網
- バケツ
- 掃除グッズ
水槽の立ち上げ方
水槽などの必要器材を準備したら、次にタイリクバラタナゴの飼育環境を整える作業を行います。
- 水槽を丸洗いして乾燥させます。
- 水槽に水道水を入れ、カルキ抜きを行います。
- ヒーター・ろ過装置等を設置し、バクテリアを入れます。
- ろ過装置を作動させ、水槽内の水を循環させます。バクテリアを繁殖させるため、数日間は水だけを循環させるようにしましょう。
- 上記の手順を終えたあとで生体を入手します。
水合わせの手順は?水温や水質は?
タイリクバラタナゴは水質の良くない場所にも生息するため、丈夫な部類といわれています。しかし急激な環境変化に体調を悪くすることもありますので、念のため水合わせを行いましょう。
- 生体の入っているビニール袋を水槽に浮かべます。
- そのまま30分ほど待ち、袋と水槽の水温を合わせます。
- 袋の水を3分の1ほど捨て、捨てた分量の水槽水を袋に入れ15分ほど待ちます。
- 3の作業を5回ほど繰り返します。
- 生体を水槽に移します。生体が自分から水槽に移るよう、袋を横にするなどの工夫をしてあげましょう。
なお、水温は20度~28度に、水質は弱酸性~弱アルカリ性を保つようにしましょう。
餌の量や与える頻度は?
タイリクバラタナゴは雑食性ですので、市販の人工飼料を与えることが可能です。食欲旺盛なため、こまめに給餌を行いましょう。冷凍アカムシなどの生き餌も食すようですが、人工飼料だけでも十分に育ってくれるようです。
水変えの時期と方法は?
飼育数などによって違いはありますが、目安としては1ヶ月に2回ほどの水換えが望ましいようです。水槽の水を3分の1ほど残して排水し、カルキ抜きした新しい水を入れます。水換えの際はコケなどの掃除もして、水槽を清潔に保ちましょう。
タイリクバラタナゴを飼育する上での注意点
タナゴ類は急激な水温上昇に弱い傾向があります。日頃から水温をチェックし、特に夏場は30度以下の水温を保って管理してください。水質についても、酸性・アルカリ性のどちらかに極端に傾くことのないよう注意しましょう。
また、スレ傷などに水カビ症状が出ることがあります。放置すると全身に広がり、死に至ることもあります。症状を確認したら、水槽の半分程度の水換えを行い、グリーンFゴールドなどを投薬して手当てしてください。
タイリクバラタナゴが餌を食べない場合はどうする?
タイリクバラタナゴは適応力が高いといわれていますが、個体差もあるようです。飼い始めて日が浅い場合は、新しい環境に慣れず警戒していることも考えられます。また、餌に変化をつけ、人工飼料だけではなく生き餌も与えてみましょう。
飼い始めて日がたっている場合は、水槽の環境が合っていない可能性があります。水温や水質をチェックし、必要であれば水換えも行いましょう。
タイリクバラタナゴは痩せやすい傾向がありますので、日頃から生態を観察し、餌切れに気をつけてください。
タイリクバラタナゴを飼育する魅力は?
品のある婚姻色が特徴的なタイリクバラタナゴ。他の熱帯魚とは一味違う、繊細な美しさが目を惹きます。入手しやすく、飼育しやすいのも魅力のひとつ。飼い方のコツを参考にして、タイリクバラタナゴを育ててみてくださいね。