ヤリタナゴの飼育方法:婚姻色の美しいのはオス?飼い方のポイントは?
日本のタナゴの中で最も目にするのがヤリタナゴです。婚姻色も鮮やかで、大きくならない点からも観賞魚としても人気の高い種類の魚です。
今回は、ヤリタナゴの飼育方法や飼い方のポイントなどを紹介していきます。
目次
ヤリタナゴとはどんな魚?
ヤリタナゴはコイ目コイ科アブラボテ属に属する魚です。日本の河川に全国的に生息しており、朝鮮(ちょうせん)半島にも分布しています。寿命は3年ほどで成長すると10cm前後になります。
繁殖期は春先と秋でカラス貝などの貝類に卵を産み付けます。雄は繁殖期になるとエラ部分から背にかけて鮮やかな赤色になり、美しい婚姻色に変化します。
緩やかな水流を好み水草が生い茂る場所を好みます。食性は雑食性で、水生昆虫や甲殻類、藻類など好んで食べます。
ヤリタナゴの飼育は難しい?飼い方のポイントは?
ヤリタナゴの飼育は簡単ですが、とても素早く動くため、飛び出し防止のふたは必ず設置しましょう。また水換えなどの際の移動ではなかなか捕まらないので、網を2つ用意するなどの工夫が必要です。雄は体色が鮮やかですが、雌は灰色になります。
ヤリタナゴの販売価格は?元気な個体の選び方は?
釣りをして入手する方法もありますが、ペットショップでもポピュラーな種類になりますので、400円前後で入手することができます。身体の発色がきれいなものを選び元気で大きめの個体を選ぶと丈夫に育つでしょう。特に雄は大きめ方が見栄えがします。
名前:ヤリタナゴ
税込価格:360円
ヤリタナゴに適した水槽は?
ヤリタナゴのみの飼育でしたら45cm水槽で問題ありませんが、混泳させる魚によっては60cm以上の水槽が必要になります。ヤリタナゴが休める環境を作るために、隠れ家や水草は多めにセットしましょう。ただし、雑食性のため水草はかじってバラバラにしてしまうので、定期的な植え替えが必要です。
繁殖期に雄の数が多いと雌を巡ってどう猛になり、争いが多くなることがあるので、ケガをしている個体がいた場合は隔離するなどの対策が必要です。
ヤリタナゴの飼育に必要なアイテム
ヤリタナゴを飼育する上で必要なものは以下のアイテムです。
- カルキ抜き
- ろ過装置
- 川魚の餌、赤虫等
- 温度計
- 隠れ家
砂利は浄化作用のあるものが良いでしょう。よくヤリタナゴは身体をこすり付けて汚れを落としたりしますので、細かい丸の砂利が良いでしょう。砂利にくぼ地をいくつかつけてあげると休憩スペースとしてうまく休めます。強い水流は苦手ですが、水を入れ循環させて常にきれいな水を送れるろ過装置の使用をおすすめします。
水槽の立ち上げ方は?
- 水道水にカルキ抜きを入れ、水が透明になったら洗って天日干しした水槽に砂利を敷き詰め静かに水を流し入れます。この時に隠れ家も設置しておきましょう。
- 水を入れてろ過装置を循環させて魚を入れる前に2日ほどおきます。酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着するので水質が安定し水が汚れにくくなります。
- 一晩放置します。
- 水が透明になっていることを確認し水合わせをします。
水合わせの手順。水温や水質は?
- 水槽のセットが完了したら入手してきたヤリタナゴを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- その後袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後ヤリタナゴを水槽に移し、袋の水は捨てます。
- ヤリタナゴは水槽導入時に飛び出して落ちてしまうことがありますので、網を二重にしたりして飛び出さないようにしましょう。水温は23℃〜28℃までが適温で、30℃以上の高温には耐えられません。
1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
1日の餌の量、回数は?
1日2回食べきれる量を与えます。口が小さいので細かくちぎって餌を与えます。残った餌は水質の悪化につながるので取り除きます。特に赤虫や糸ミミズなどは水が汚れやすいです。
水換えの時期は?
最低でも10日に1回は水槽の3分の1の水を新しいものに取り換えます。すべて換えてしまうと魚の負担になりますので、前の水を少量残すようにします。1ヶ月に1回は砂利を洗い水槽を清潔に保ちましょう。また隠れ家も藻や滑りをきれいに洗います。
ヤリタナゴを飼育する上での注意点は?
水槽の導入時に水が合わずにショックで白点病になる場合があります。水槽導入時は慎重に水合わせを行いましょう。自然界から導入したヤリタナゴは寄生虫がついている場合がありますので、食塩浴をして数日様子を見ます。
また繁殖期には雌を巡って攻撃的になる場合があり、弱いオスは負けてしまうことがあります。けがをしている個体がいた場合隔離して様子を見ましょう。隠れ家を多めに設置するなどして対策をするとともに、大きさをそろえて飼育するのが良いでしょう。
餌を食べない原因と対処法
ヤリタナゴは身体が小さいぶん量はそこまで食べません。腹部のふくらみを確認して消化不良を起こしていないかチェックします。数日絶食させて様子を見ましょう。
水質が悪化していないか、または水温が急激に変化していないかを確かめて必要ならば水換えをしましょう。水質は弱酸性〜中性になるように調節しましょう。また梅雨時期や湿気の多い夏季などは寄生虫がつきやすく、藻などが発生しやすい時期になりますので、水質が崩れやすくなります。
ヤリタナゴを飼育する魅力とは?
ヤリタナゴの飼育方法について紹介しましたがいかがでしたか?
ヤリタナゴやタナゴ種は婚姻色が鮮やかで熱帯魚とは違った魅力を持った魚です。適応環境も幅広く入手自体も安価でできるので初心者にもオススメな魚です。
この記事を読んでヤリタナゴに興味を持って頂けたら幸いです。