プラティの飼育:水槽の立ち上げ方は?寿命はどのくらい?
可愛らしく、そして美しく、金魚のような見た目の熱帯魚、プラティ。大きな水槽が用意できなくても飼うことができ、比較的飼育がしやすいため、アクアリウム初心者にも人気が高い熱帯魚です。そんなプラティはどのような熱帯魚で、どのようにして飼育すれば良いのでしょうか?
今回はプラティに適した水槽の立ち上げ方や飼育方法など説明していきます。
目次
プラティってどんな魚?
プラティ(正式名称:サザンプラティフィッシュ)はメキシコ原産の熱帯魚で、ホンジュラス、ベリーズ、グアテマラなどに生息しています。原種の尾びれの付け根に半月の黒色の斑点があったことからムーンフィッシュとも呼ばれています。現在ペットショップなどで販売されているものの多くは、品種改良された斑点のない品種です。
プラティは育てやすい?繁殖の注意点は?
プラティは病気に強く繁殖力も高いので、初心者でも育てやすい熱帯魚です。性格も温厚で他の魚と混泳することも可能です。ただし、プラティは近縁種との交配が可能であるため、雑種の魚が生まれてしまう可能性がありますので注意が必要です。
寿命はどのくらい?
プラティの寿命は1~2年と長くはありませんが、プラティのメスが月に1回のペースで20~100個の卵を産卵しますので、個体の増えすぎにも注意が必要です。
購入するときの選び方は?
プラティを元気な状態で長く飼育するためにも、購入時の健康状態のチェックは大切です。
背びれのチェック
元気なプラティは背びれがピンと立っていて、上下にハリがあります。背びれが閉じているプラティは体調を崩していたり病気にかかっていることが多いです。
尾びれのチェック
プラティの尾びれが白く濁り、欠けていたりしないでしょうか?この症状がある場合は尾ぐされ病に感染している可能性があります。尾ぐされ病は水槽内で感染しますので、尾びれを観察し、病気にかかっている疑いがある個体は選ばないようにしましょう。
うろこのチェック
プラティのうろこが逆立って体が膨れているように見える場合、エロモナス病に罹っている可能性があります。発症すると死んでしまうケースもある恐ろしい病気です。人間にも感染することがありますので、うろこの確認はしっかりと慎重に行いましょう。
種類:プラティ(ミックス)
税込価格:594円
プラティに適した水槽は?
プラティは小型魚なので、極端に大きい水槽は必要ありません。5匹程度であれば、30cmの水槽で十分に飼うことができます。ただし、プラティは繁殖力の高い魚です。数を増やしていきたい場合は、60cm程度の水槽の方が、増えた時にも慌てずに済みます。
水槽のほかに準備するものは?
- フィルター
- クーラーまたはヒーターなど、水温を保つ器具
- 水質調整剤
- 水温計
- 照明器具
水草
グッピーの飼育に向いていることで有名な、アメリカンスプライトやウォータースプライトがプラティにもよく合います。どちらも初心者向けの水草で、一株700円前後~販売されています。
底砂
プラティの水槽に敷く底砂は、水質に影響を与えない大磯砂がお勧めです。金魚の飼育にもよく使われるほどメジャーな底砂なので、大抵のアクアリウムショップで取り扱っています。
水流
プラティの場合、水流の強さにそこまで神経質になる必要はありませんが、強い水流は好みません。様子を見て調整するようにしましょう。
餌
プラティは何でもよく食べる大食漢です。メダカ用の餌や、グッピー用の餌など、喜んで食べてくれます。市販の餌を何種類か用意し、ローテーションを組んで与えると良いでしょう。
ポンプ
外掛け式のフィルターがあるようでしたら、水流が起こり空気を含むのでエアーポンプなしでも飼育することができます。しかし、水槽の大きさや水の量、魚の密度にもよりますが、酸欠防止のためにあるに越したことはありません。
水槽の立ち上げの手順は?
さて、プラティを飼うために必要なものを揃えたら、いよいよ水槽の立ち上げです。
まず、器具は洗ってはいけないものを除き(器具に書いてある注意書き参照)、軽く水洗いをします。水槽を任意の場所に設置し(水槽台がある場合は水槽台へ)、底砂を敷き詰めます。水槽に水を半分ぐらい入れたら、水草などをレイアウトします。その後、残りの水を入れてから水質調整剤(カルキ抜き)を入れます。フィルターの動作確認後、通常であれば、このまま1週間程度おいておく方が良いでしょう。
適した水温や水質は?
水槽の準備ができたら、プラティを買いに行きましょう。プラティにとって、突然環境の違う水の中に放たれるということはとてもストレスです。いくら水槽の水がプラティ用に調整してあるからといって、買ってきた袋から、突然プラティを水槽に入れてはいけません。
水温は25度前後
プラティの飼育に適している水温は25℃前後(23~28℃)なので、季節や住んでいる環境によっては、クーラーやヒーターで水温を調整する必要があります。飼育に適した水質は弱アルカリ性なので、水道水のカルキを抜くだけで使うことができます。以上の準備が整ったら、プラティを持ち帰ってきた袋ごと、水槽に浮かべておきます。こうすることによって、水温を合わせることができるのです。水温に慣れてきたら、今度を水質に慣れさせなければいけません。
水質に慣れさせる
水槽の水を袋の中に少しずつ入れて放置。これを2時間ほどかけて数回繰り返します。プラティに徐々に環境に慣れさせて、ストレスを与えずに水槽に移すことが大切です。
1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
餌の量や与える頻度は
餌やりは、1日2回が理想です。1回の餌の量は、プラティが2~3分で食べきれる量が適量です。
水換えの時期と方法は
水槽の水換えの頻度は週に1度を目安に行いましょう。
水槽の全ての水を1回で一気に換えてしまうことは、プラティに限らず、どの熱帯魚にとっても大きなストレスとなります。水を換える際には予めカルキを抜いて水温を調整した水を、水の汚れ具合にもよりますが、水槽の1/3~1/4程度の量を換えるようにしましょう。
飼育の注意点は?どんな病気にかかる?
プラティは丈夫な熱帯魚なので、病気の予防として特別なことをする必要なことはありませんが、一般的な熱帯魚の病気にはかかります。感染症に罹ってしまった場合は、同じ水槽内で飼育されている熱帯魚に移ってしまうこともありますので、毎日よく観察し、病気の早期発見に努めましょう。
常に水槽内を最適な状態を保ち、様子がおかしい個体がいる場合は、どのような病気に罹ったのかを判断し、それぞれに合った手当てをすることが大切です。
餌を食べない場合はどうする?
プラティが餌を食べない原因として考えられるケースは、まずは「水槽に慣れていない」ということです。立ち上げ直後や水換えの後など、新しい環境に慣れていないと餌を食べてくれないことがあります。
また、病気が悪化している場合も食欲が落ちるものです。様子がおかしかったり元気が無いように感じる場合は、病気の可能性もありますので、注意深く観察する必要があります。
単純に「お腹がいっぱい」ということもありますので、その際は餌の量の見直しを行いましょう。
プラティの魅力は?
餌は何でも良く食べ、水質に神経質にならなくても良く、更に丈夫で病気にも罹りにくい。アクアリウム初心者にとって、プラティほど好条件の熱帯魚は他にいないかもしれません。
もしこれからアクアリウムを始めようとしている人は、まずはプラティの飼育にトライしてみてはいかがでしょうか?