ポリプテルスの飼育:適した水槽やかかりやすい病気は?
ポリプテルスは大きなヒレをもつ古代魚です。魚類と両生類の進化の分岐点に当たるとされ、肺呼吸とえら呼吸ができる不思議な生態をしています。見ていると生命の進化の過程が感じられそうですよね。
今回は、そんなポリプテルスの飼育について、飼うのに適した水槽やかかりやすい病気などをご紹介します。
目次
ポリプテルスとはどんな魚?
ポリプテルスは、ザイールやスーダン、ゼネガルなど熱帯アフリカに生息する淡水魚です。多くの古代生物が絶滅していく中で、今も姿形が変わらず生き残っており、「生きる化石」と呼ばれることもあります。
『多くのヒレ』という意味から名付けられている通り、背中にひし形の背びれが10枚前後ついているのが特徴です。体長は種類によって異なり、1m前後に成長するものから、20〜30cmの小型なものまで様々。寿命は10年近くと長生きです。
ポリプテルスを飼うときのコツは?
ポリプテルスは、水槽の蓋を閉めておくだけでは、蓋を押しのけて飛び出してしまう力強さがあります。飼うときは蓋の上におもしなどを置き、水槽の蓋が開かないようにすることが大切です。それのほかは、飼育の手順も簡単で、初心者でも扱いやすい魚ですよ。
購入するときの選び方は?
ポリプテルスの購入するときは、種類をきちんと見定めるようにしましょう。中には水槽におさまらないくらい大きく成長するものもあります。はじめて育てるときは、セネガルやパルマスなど、小型の種類を選ぶと水槽も準備しやすく安心です。
名前:ポリプテルス
税込価格:1,944円
ポリプテルスに適した水槽は?
混泳はできないので、基本は単独飼育です。小型のものでも全長30cmほどになるので、最低でも60cm幅の水槽を準備してください。最終的な成長サイズよりも2倍くらいの幅がある水槽を選ぶと、失敗せずに済みますよ。購入する時に不安なときは、お店のスタッフに相談するのも一つの方法です。
水槽のほか準備するもの
ポリプテルスを飼育する時に必要なものは、ろ過能力の高いフィルター、ろ材、エアレーション、ヒーター、底砂です。
低温に弱い魚なので、必ずヒーターを使い温度を保って飼育してください。特に、冬の低温時は温度管理に気をくばるようにしましょう。また、種類によっては砂を掘り返す場合もいますので、底砂を入れてあげましょう。
水槽の立ち上げ方
ポリプテルスは、淡水魚なので、水槽水をカルキ抜きする必要があります。汲み上げた水にカルキ抜き専用薬剤を入れましょう。その後は、ろ過装置やヒーターなどを設置した水槽に底砂を敷き、カルキ抜きした水を水槽へ入れて空回しをします。魚を入れる5日前ぐらいに生バクテリアを入れておけば、ポリプテルスにとって最適な環境のでき上がりです。
水槽に入れるまでの手順は?水温や水質は?
ポリプテルスに適した水温は25〜28度で、弱酸性の軟水を好みます。水温が低温になるとポリプテルスは弱ってしまうので、20度を下回っている場合はヒーターで温度を上げる必要があります。水温と水質が保たれていれば、準備OK!
袋を水面に1時間ほど浮かべて水温合わせをし、袋の中と水槽の水温を同じにします。そして水槽の水を袋の中に少し入れて水質合わせをすれば、ポリプテルスを水槽ないに滑り込ませましょう。
蓋を押し上げてしまうパワーがあるので、水槽の蓋の上におもしをおくのを忘れずにしてくださいね。
ポリプテルスの飼育!餌の与え方や水換えの頻度は?
餌の量や与える頻度は?
ポリプテルスは、肉食で生きた餌を食べます。幼魚のうちは、たっぷりと栄養を与えるために「アカムシ」や「メダカ」などの生き餌を与えましょう。食べ残しがないよう、与え過ぎに注意してくださいね。
大人に成長してからは、人工飼料や乾燥餌でも十分元気に育ちます。また、水質を悪化させにくく、心配も減りますよ。餌を与える頻度は、1日2回程度です。
水換えの時期と方法は?
水換えは1週間に1回程度が適度です。一度に全部の水を換えると水質の変化からポリプテルスが弱る可能性があるので、半分ほどの水換えにとどめましょう。
かかりやすい病気と対処方法は?
ポリプテルスは、丈夫な魚で病気にあまりかかりません。ただ何年も飼育していると、白点病を患うことがあります。そんなときはメチレンブルーなどの薬剤を使って手当てをしてあげましょう。水温や水質を保ってあげれば、病気の予防につばがりますよ。
また、寄生虫にかかりやすいことにも注意が必要です。マクロギロダクティス症に寄生されやすく、体表に白い糸状のものが確認できたら対処します。寄生されると、体がかゆくなるので砂や水槽に体を擦り付ける姿も見られます。グリーンFゴールドなどの薬剤を投与したうえで、じっくりと駆除していきましょう。
餌を食べないときはどうする?
ポリプテルスが餌を食べないときの多くは、水質が悪化して体が弱っているサインです。ろ過装置などがうまく作動していない可能性があるので、水槽グッズのメンテナンスを行いましょう。また、水換えの頻度をあげて、水質が悪化を防いであげることも大切です。
それでも改善しないときは、餌のサイズがポリプテルスの口のサイズにあっていないかもしれません。別の餌に切り替えて様子をみましょう。
ポリプテルスは飼育しやすい古代魚!
飼育する十分なスペースを確保できれば、ポリプテルスは初心者でも飼育しやすい魚です。生きた化石と呼ばれるだけあって、その特徴的な姿は毎日見ていても飽きることはありません。また、愛嬌のある顔立ちで、飼う人の心を癒やしてくれるはずです。寿命も長いので、水質や水温などには気を配りながら、長く一緒の時間を過ごしてくださいね。