アユの飼育方法:飼い方のポイントは?餌は何を食べるの?
回遊型の川魚の代表格といえるアユは年魚と呼ばれており、寿命が一年しかない魚としても知られています。しかし、観賞用として水槽で飼育した場合には産卵や回遊するサイクルがなくなる為、寿命も3年前後と長くなります。長期飼育することにより、よりアユを観察して楽しむことができますよ。
今回は、アユの飼育方法や飼い方のポイントなど紹介していきます。
目次
アユとはどんな魚?
アユはキュウリウオ目に分類される淡水魚で、成長過程により淡水と海水を行き来する種類の回遊魚です。寿命は3年前後で、成長すると、全長30cmほどに成長して遊泳スピードも速く泳ぎます。活発な動きをする魚になります。日本列島から朝鮮(ちょうせん)半島の方まで広く分布しており、流れのある河川に生息しています。幼少期は海水域まで移動して産卵し、幼体は海水域で過ごし成熟すると河川に戻ってきます。食性は草食性が強い雑食性で、岩についた藻類や水草類などを食べます。
アユの飼い方は難しい?飼うときのコツは?
流れを好む魚ですので、飼育の際には水槽の水をしっかりと循環させて流れを作る必要があります。夏場の高温にはとても弱いので、温度管理をしっかり行い飼育しましょう。川魚としてはコツがいる魚になりますが、丈夫ではあります。
アユと混泳はできる?
アユは複数での飼育も可能で、混泳させることのできる魚です。大きさが同じぐらいの同じ流れのある環境を好み魚との混泳でしたら可能ですが、水質の変化に敏感な面があるので、同種同士で混泳させることが良いでしょう。ただし、あまり沢山の個体を入れすぎてしまうと酸欠に陥ったり、争いの原因になったりするので注意しましょう。
アユはどこで販売されてるの?選び方のポイントは?
アユを取り扱っているショップが少なく、入手するまでに時間がかかる場合がありますが、およそ500円前後で販売されています。寿命が短めのため、幼魚を購入して育てることがオススメです。身体のがきれいな個体を選びましょう。
アユに適した水槽の大きさは?
アユの飼育には90cm以上の水槽の使用が推奨されます。遊泳範囲が広く、活発に動く魚ですので、狭い水槽はストレスになってしまいます。身体が小さいうちは60cm水槽での飼育も可能ですが、追突や飛び出しには注意が必要になります。また、フタをしっかりと閉めていないと飛び出して落下し、死んでしまうことがあるので密閉した環境で飼育するようにしましょう。
アユの飼育に必要な道具は?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 照明器具
- ろ過装置
- ヒーター等
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
- 温度計
その他の道具
- 魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
- 隠れ家
砂底は大磯(おおいそ)砂などで問題はありません。砂よりも砂利を用意してあげましょう。
アユの飼育を始めよう!水槽の立ち上げ方は?
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと水中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2日程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
水槽の立ち上げを完了してからアユを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?アユに適した水温や水質は?
アユに適した水温は23℃前後です。水質は中性に保つようにしましょう。ph7.5前後にすると適応しやすいです。アユが酸欠にならないように酸素を多めに袋に入れてもらうようにしてください。
- 水槽のセットが完了したら入手してきたアユを袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後アユを水槽に移し、袋の水は捨てます。
アユの餌は?1日の餌の量や頻度は?
餌は幼少期から川魚用の餌を与えていれば、人工飼料でも問題なく食べます。また、飼育下では雑食性に転じることも多く赤虫やミジンコなども食べますが、与えすぎると消化不良になります。1日2回食べ切れる量の餌を与えましょう。
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 新しい水を用意します。
- 水槽の3分の1を排水しましょう。
- 排水した分足し水します。水質に問題がなければ水換え完了です。
音に敏感で飛び出してくることがありますので頑丈なフタを使用してください。
アユを飼育する上での注意点は?
アユは高温に大変弱く、水質が変化すると白点病になる恐れがあります。アユが白点病にならないように水質、水温共に一定になるように管理が必要です。特に水が腐敗しやすい梅雨時期から夏場にかけては水槽掃除をこまめにするなどして悪化させないようにしましょう。冷却ファンやクーラーの使用も有効です。
また、照明をつけたり消したりするとアユの体内時計が1日カウントされてしまい、寿命が短くなる傾向にあります。変化の少ない部屋で飼育するようにするか、照明を付けたまま飼育するようにしましょう。
アユが餌を食べない原因と対処法
人工飼料になれない場合には藻類などと併用して与えると良いでしょう。葉野菜などもたべます。また、おやつ代わりに赤虫などを与えると嗜好性が高まり、餌に食いつきやすくなります。動物性たんぱく質の与えすぎは消化不良を引き起こして弱ってしまうことがあるので、餌の量を調節して与えるようにします。水温が高くなりすぎていないかもチェックしてみましょう。必要に応じてクーラーなどを使用してゆっくりと水温を適温に戻します。
アユを飼育する魅力とは
釣り魚として有名なアユは観賞魚として数年楽しむことができる魚です。大きさも30cm前後と良い感じの大きさまで成長しますので、見応えがありますよ。川魚の飼育においてアユは水温管理など少しコツがいる魚になりますが、難しくはありませんので初心者の方にも飼育することができます。
この記事を参考に、アユの飼育を検討して頂けたら幸いです。