水槽のリセット方法の時期や手順は?ソイル交換や病気の治療にも必要?
水槽のリセットとは、水槽水を全て入れ替えて飼育環境を整え直す作業のことで、コケが大量発生した場合や、レイアウトの変更を行う場合などに行います。水槽のリセットは、立ち上げ作業よりも少々手間がかかり、生体にとっても環境が大幅に変わることになるため、手順や注意点を把握した上で行いたいものです。
今回は、水槽をリセットする目的や、リセットの手順・注意点などについてご紹介します。
水槽をリセットする目的は?ソイル交換や病気の手当てにも必要?
1.コケなどで汚れた飼育水をきれいにするため
コケなどが大量発生して水質が悪化し、水換えなどを行っても改善しなかった場合には、水槽をリセットして飼育水をきれいにする必要があります。
2.レイアウトを替えるため
水草や流木の位置を変更するなど、レイアウトを替える際にも水槽のリセットを行いましょう。
3.ソイルを交換するため
ソイルの寿命は約1年と言われています。新しいソイルと交換するために、リセット作業を行う必要があります。
4.病気を手当てするため
魚が病気にかかった際、水換えや薬浴などを行っても改善が難しい場合は、最終手段として水槽のリセットを行うことがあります。
5.貝(スネール)類の卵を除去するため
サカマキガイなどのスネール類が大量に繁殖し、手動で駆除が追い付かない場合なども水槽をリセットする必要があります。
6.水槽の大掃除をするため
水槽のリセットは、水槽を大掃除することでもあります。上記のような目的がない場合も、水槽を清潔に保つために定期的にリセット作業を行いましょう。
水槽のリセットに準備するものは?
水槽をリセットする際には、主に次のようなアイテムを準備しましょう。
生体を移動させておく際の容器(タライなど)、サブタンク
リセット作業中、魚などの生体を移動させておく際に使用します。
網、小型の容器
生体を別容器に移す際に使用します。稚魚などには、網よりもプリンなどの小型容器がすくいやすくおすすめです。
ポンプ付きホース
水槽の水をくみ出す際に使用します。
バケツ
くみ出した水槽水を入れたり、新しい水をカルキ抜きしたりする際などに使用します。
メラニンスポンジ
水槽を洗う際などに使用します。
スクレーパー
メラニンスポンジで取り除けない、頑固なコケなどを除去する際に使用します。
綿棒
アクセサリーや器材などの細かい部分を掃除する際に便利です。
歯ブラシ
流木などに付着したコケなどを取り除く際に使用します。
水槽をリセットする手順は?
水槽をリセットする際は、次の手順を参考にして作業を行いましょう。時間がかかることが多いため、時間に余裕のある日に作業することをおすすめします。
- 水槽内の生体を水槽水と一緒に別容器やサブタンクに移します。熱帯魚の場合は、ヒーターを使用して水温が低下しないようにしましょう。また、作業に時間がかかりそうな場合はエアレーションを行ってください。
- フィルターなど、器材の電源を切ります。
- ポンプ付きホースを使用して水槽の水をくみ上げ、バケツに入れます。
- 器材や水草・底砂などのアクセサリーを取り出して洗浄します。水道水で洗うとバクテリアが減少してしまうため、3でくみ上げた水を洗浄に使用しましょう。底砂は米を研ぐように洗いますが、バクテリアが完全になくならないよう、ゴミを除去する程度に洗浄しましょう。ろ過フィルターについては、バクテリアの減少を防ぐために別の機会に洗浄することが望ましいです。どうしても洗いたい場合は、ざっくりと洗うようにしましょう。
- 水槽を水道水で丸洗いします。風呂場など、広い場所で洗うようにしましょう。洗剤や石鹸は使わず、メラニンスポンジなどで掃除してください。細かい部分は綿棒を使用すると便利です。洗い残しがないか注意することも重要です。水槽を乾かす際は、殺菌効果があるため天日干しがおすすめです。
- 水槽を再セットします。底砂を敷いてレイアウトを行い、あらかじめカルキ抜きした水を入れていきます。
- 器材を取り付け、電源を入れます。水温と水質も調整しましょう。
- 生体を水槽に戻します。飼い始める時と同様、水合わせを行ってから水槽に入れましょう。
水槽をリセットする時期は?
水槽のリセット作業は、数か月に1回程度を目安に行うのが理想的といわれています。水槽のサイズや飼育する生体、飼育状態などにも左右されるため、必要に応じて作業を行うようにしましょう。水槽のリセットはとても大がかりな作業ですが、水槽の大掃除にもなり、生体の飼育環境を整え直すきっかけにもなります。最初は作業に手間取るかもしれませんが、慣れれば短時間で作業できるようになるでしょう。
水槽リセットの注意点
水槽をリセットする際には、次のような点に注意する必要があります。
洗剤や石鹸を使用しない
バクテリアや生体などに影響を及ぼすため、水槽やアクセサリー類を洗浄する際は洗剤や石鹸などを使用しないよう注意しましょう。
水槽以外のアイテム洗浄には飼育水を使用する
水道水の塩素によってバクテリアが影響を受けるため、ろ過装置や底砂・水草などのアイテムは水槽からくみ上げた飼育水を利用して掃除しましょう。
ろ材の交換に注意する
上部フィルターを使用している場合、水槽リセット時にろ材を交換することも可能ですが、全てのろ材を取り換えるとバクテリアのバランスが崩れる恐れがあります。半分のろ材を新しいものに取り換え、残りは飼育水で洗浄し継続して使用しましょう。また、外掛けフィルターなどろ材を全部交換するろ過器を使用している場合は、リセット作業とは別の機会にろ材を取り換えましょう。
まとめ
水槽のリセットは、飼育環境を初期化する作業ともいえます。リセットによる環境の変化が生体にストレスを与える恐れもありますので、注意して作業することが重要です。適切な水槽のリセット作業を行って、より良好なアクアリウム環境を維持してくださいね。