石巻貝の飼育方法:動かないのは寿命?卵を孵化させるには?繁殖の方法は?
水槽のコケ取り要員としても人気が高い石巻貝ですが、ペットショップで気軽に入手することが可能なタンクメイトになります。淡水の貝なので、メダカやネオンテトラなどの幅広い魚との混泳もできる魅力的な貝ですよ。タニシなど他の貝類より増えすぎないという大きな利点があるのも嬉しいですね。
今回は、石巻貝の飼育方法や寿命、繁殖の注意点などを紹介していきます。
目次
石巻貝はどんな貝?生息地は?寿命は?
石巻貝はアマオブネガイ目アマオブネガイ科に分類される巻貝の一種で、西大西洋全般に生息する貝になります。日本では本州中部以南南日本で生息が確認されています。
平均寿命は1年程度ですが、2年程生きた個体も確認されています。その場合、殻の部分が水流の流れなどで欠損しているなど見た目にも現れてきます。成長すると25ミリほどになります。
食性は雑食性で、岩に張り付いた藻類を中心に、魚の死骸や餌の食べ残しなどを食べて生活しています。飼育下でも餌は藻類と混泳相手の餌で飼育可能ですので餌を意識的に与える必要はありません。
石巻貝の飼育は難しい?
石巻貝の飼育は非常に簡単で初心者にも飼育しやすい貝類です。しかし、卵などを水草に産み付けるとたちまち卵の数が増えて、水質の悪化などにつながる場合があります。また、メダカなどの繁殖の際に卵が混同してしまうことがあります。
石巻貝の繁殖方法は?卵は汽水に移動させる
石巻貝は回遊両側と呼ばれる繁殖方法でその数を増やします。繁殖期になると塩分濃度がある汽水域に移動して卵を産み繁殖します。淡水では孵化しますが、石巻貝の赤ちゃんは淡水では生きていけませんので卵は汽水の水槽に移動させます。汽水下で石巻貝の形になったら元の淡水水槽に移動させましょう。産まれた稚貝は塩分濃度の中に含まれるプランクトンを捕食し成長しますので餌を与える必要はありません。
石巻貝は水草などに産卵しますが、水槽内で卵が腐り水質悪化により繁殖に繋げられないことがありますので腐ってしまった卵はピンセットなどで取り除きましょう。
石巻貝との混泳のルールは?おすすめの魚は?
石巻貝はどんな種類の魚とも混泳可能な優秀な貝類ですが、肉食魚などとの混泳は避けましょう。おススメなのはメダカやネオンテトラなどの小型の魚との混泳です。
金魚との混泳されているのを見かけますが、金魚は大きくなると石巻貝の中身を引っ張り出して食べてしまうことがありますので注意が必要です。金魚はなるべく小さいサイズと混泳しましょう。
石巻貝の値段は?購入するときの選び方は?
石巻貝はペットショップで100円程で入手可能で、タンクメイトとしてメダカ類と同じ水槽に入れられていることが多いので探してみましょう。
選び方のポイントは、弱っている個体や寿命を迎えると水底に落ちて活動を停止しますので、水槽に張り付いた個体を購入しましょう。
名前:石巻貝
税込価格:702円
石巻貝の飼育に適した水槽は?
石巻貝のみをペットとして飼育する場合、小型水槽での飼育も十分に可能ですが、タンクメイトとして他の魚と混泳させる場合には45cm水槽からの飼育がおすすめです。
石巻貝のみの場合、ろ過装置を使用しなくても飼育はできますが、貝から発生する滑りによって水が濁って汚くなりやすくなりますので、こまめな水換えが必要になります。水換えを軽減するためにはろ過装置で水槽内の水を循環することが推奨されます。
水槽の種類は、アクリル製の水槽での飼育でも問題はありませんが、プラケースなどの場合、石巻貝の歯で水槽が傷つくことがありますので注意してくださいね。
石巻貝の飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- ガラスブタ
その他のアイテム
- 熱帯魚用の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
底砂は大磯砂などの細かい粒のものを選ぶようにしましょう。
水槽の立ち上げ方
- 水道水にカルキ抜きを入れ、透明になるまで待ちます。
- 砂利やアクセサリーを洗って水気を切り、レイアウトしましょう。
- 水が泡立たないように静かに入れていきます。水が泡立ってしまうと中内の汚れが舞ってしまいなかなか水質が安定しないのでやめましょう。
- ろ過装置起動、ヒーターをつけて水を循環させ、水槽内の水に酸素を含ませます。その状態で2日程おきましょう。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着したら水質が安定するので水槽の立ち上げが完了です。
水槽の立ち上げを完了してから石巻貝を入手して水合わせをしましょう。
石巻貝の水合わせの手順は?適した水温や水質は?
石巻貝に適した水温は25℃前後です。30℃以上の高温には耐えられないので、水温が上がりすぎないように注意しましょう。特に夏季は冷却ファンなどをつけて対策しましょう。水質は、弱酸性〜中性に保つようにします。ph6.5〜7.0前後にします。
- 水槽のセットが完了したら入手してきた真鯛を袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後石巻貝のみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
石巻貝の餌は?
餌は沈下製の餌かフレーク状の下に沈む餌を石巻貝の近くに落としてあげましょう。混泳している場合は、他の餌の食べ残しなどを食べますので石巻貝に餌を与える必要はありません。また、水槽内に藻類が発生している場合にも餌は必要ありません。ただし、水槽内の餌が少ないと死亡する石巻貝が増えますので、その場合にはフレーク状の餌を少量与えてあげましょう。
水換えの時期は?
7日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- 新しい水を作ります。
- 水槽の3分の1を排水します。
- 排水した水の分新しい水を足し水して、水換えが完了です。
月に1回は水槽、アクセサリー類を洗いましょう。歯ブラシなどを使用して細かい滑りなども取り除きます。
石巻貝が餌を与えても弱ってしまう原因は?
石巻貝は寿命がくなると、動きが鈍くなり、水槽面から落下し餌を食べなくなります。残念ながら石巻貝の場合、一度弱ってしまうと回復せずに死んでしまうことがほとんどですので、新しい若い個体を入手してきて水槽内に追加するようにしましょう。
また、水槽で石巻貝の数が多すぎると、酸欠に陥り動きが鈍くなり餌を食べられない場合あります。エアレーションを設置して数を間引くようにして水槽内の数を調節しましょう。
石巻貝を飼育する魅力とは?
石巻貝はお掃除要員として水槽内のコケや混泳している魚の食べ残しを食べてくれる役割もあるため、水質の悪化を予防してくれるとても頼りになる存在です。
飼育もしやすく、他の貝のように爆発的に増えるといったこともありませんので、是非、石巻貝の飼育を検討してみて下さい。