ハリセンボンの飼育方法:飼い方のコツは?寿命はどのくらい?
ぷっくりとした唇と、独特のフォルムがかわいらしいハリセンボン。フグの仲間で、外敵が現れると体が膨れ、全身にあるトゲがブワッと広がる様子も面白いですよね。そんなハリセンボンは、自宅で飼育して一緒に暮らすこともできるお魚なんですよ。
今回は、ハリセンボンの飼育方法や飼い方のコツ、適した水槽の選び方、寿命などの特徴を詳しくご紹介します。
目次
ハリセンボンとはどんな魚?寿命はどのくらい?
ハリセンボンとは、ハリセンボン科に分類される海水魚で、世界中の熱帯から温帯のあたたかい地域の岩礁やサンゴ礁で暮らしています。種類によっても異なりますが、体の大きさは30cm前後で、寿命は約5年と言われています。
トゲを持っているので他の生き物に対して攻撃的なイメージがあるかもしれませんが、人の顔を認識することができ、飼い主になつくといった、かわいらしい一面があります。顔や指を近づけると水槽の淵に近寄ってきてくれますので、自然と愛着が湧いてきて、飼育が楽しくなりますよ。
ハリセンボンの飼育はむずかしい?飼うときのコツは?
ハリセンボンの飼育は他の魚に比べて「むずかしい」とする意見が多く聞かれます。その理由は、ハリセンボンの気性と、飼育環境の2つです。
ハリセンボンは他の魚と一緒に飼育すると、攻撃する習性があります。たとえ同種のハリセンボンであっても傷つけあってしまう場合も。ハリセンボンを飼育するときは混泳せず、1つの水槽に1匹飼うようにしてくださいね。
また、ハリセンボンはもともとあたたかい地域に生息していたことから、水温は25〜26度前後にしておく必要があります。そのうえ、大量にふんをすることから、水をきれいな状態に保つよう心がけることが飼育をするコツです。
体の表面にうろこを持たないので、汚れた水の中で育て続けていると病気にかかる可能性も高まります。
ハリセンボンを購入するときの選び方は?
ハリセンボンは決して珍しい魚ではなく、ホームセンターやペットショップで販売されています。
相場は5,000〜8,000円前後ですが、珍しい種類だと1万円を超えるものもあります。見た目もさまざまなので、お気に入りの種類を探してみてくださいね。
初めて飼育するときは、できれば10cm前後の大きくなり始めたものを選ぶと安心です。稚魚はまだ体が弱く、水槽や水質の変化に耐えられない場合があります。
名前:ハリセンボン
税込価格:6,900円
飼育に適した水槽は?
飼育しはじめたばかりのハリセンボンは体長10cm前後とかわいらしいサイズです。しかし、あっという間に20〜30cmと大きく成長します。飼育には最低でも90cm、できれば120cm以上の水槽があるとベストです。狭い水槽では、思うように泳げずストレスがたまり、寿命を縮めてしまうかもしれません。
また、前述の通り、単独での飼育が基本です。 120cm水槽に1匹というとかなりぜいたくな空間になるので、海水用の水草や海藻を使って水槽内のレイアウトを工夫すると、楽しみが広がりますよ。
水槽のほかに準備するものは?
- ろ過装置(ろ過フィルター)
- ろ過材
- ヒーター&サーモスタット
- 照明器具
- 人工海水の素
- 比重計
- バクテリア添加剤
- 底床クリーナー
- 水槽台
- 水温計
- 網
- 底砂や流木、水草など装飾品
ハリセンボンを飼育する時に水槽のほかに準備するものがいくつかあります。中でも、ハリセンボンは大量のふんをして水質を悪化することからろ過装置は欠かせません。
水温の変化に敏感に反応するので、ヒーターとサーモスタットとともに、水温計も購入しておくと、ハリセンボンの体調管理がしやすくなります。
水槽の立ち上げの方法は?
ハリセンボンを飼う約1カ月前から水槽を準備し、海水を入れて空回しをします。
海水の濃度は、水道水をカルキ抜きしてから海水の素を入れて比重を1.02〜1.024に合わせて作ります。初めての人はむずかしいと思いますので、購入先のお店の塩分濃度に合わせると失敗が少なくすみます。
また、海水水槽は淡水水槽よりバクテリアの繁殖が遅いので、立ち上げに時間が掛かります。準備が整う前にハリセンボンを入れてしまうと、ハリセンボンは病気になってしまうので注意してください。
水槽に入れる手順は?水温や水質は?
水槽を準備して1カ月間、海水を空回ししたらハリセンボンを水槽に入れます。バクテリアもこの1カ月で定着しています。
水温は、26度前後に調節しておきましょう。 購入したハリセンボンは家に到着したらすぐに水温合わせを行います。方法は簡単で、ハリセンボンの入った袋ごと水に浮かべ、30分〜1時間ほど放っておくだけ。すると袋の中と水槽の温度が同じになります。
次は水質合わせをします。袋の口を開け、水槽の水を少しずつ袋の中に入れていきましょう。これでストレスなく、ハリセンボンを水槽に移せます。このとき、袋に残った水は捨ててください。
餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
餌の量や頻度は?
ハリセンボンへ餌を与えるタイミングは、朝夕の1日に2回です。乾燥クリルを5個か6個与えましょう。すると、餌を食べたハリセンボンのおなかがクリルで変形していくので、餌やりをストップします。
慣れてきたら、カニやあさり与えたり、人工飼料も混ぜたりしてあげると少しずつ食べるようになります。
食べきれない量を与えてしまうと、餌で水質が悪化してしまうので注意してくださいね。
水換えの時期と方法は?
ハリセンボンの水換えは週に一度程度です。一度に全部の水を換えるのではなく3分の1程度の水を換えます。底床クリーナーで水槽の下にたまった汚れと水を吸い出し、新たに調節した海水を足していきましょう。水を少しずつ換える事でバクテリアのバランスが保てます。
飼育の注意点は?どんな病気にかかる?
ハリセンボンは他の魚に比べてウロコがないぶん、病気にかかりやすい観賞魚です。
特に水質が悪くなると、白点病にかかることがあります。水をきれいな状態に保ってあげることで予防につながりますよ。もし。ハリセンボンが白点病になってしまったら毎日水を換えして様子をみます。
また、海水4リットルに対して0.5mlのオキシドールを水槽に1日3回に分けて入れてあげるのも効果てきな対処方法です。
餌を食べないときはどうする?
ハリセンボンは人工飼料を食べない場合がよくありますので、アサリの殻の上に人工飼料を乗せて水槽に置いてあげるとかなりの確率で餌を食べてくれます。
何日か繰り返していると、最後はアサリの殻に載せなくても食べるようになるので、ぜひ試してみてください。
きれいな水の中でハリセンボンを長く飼育しよう
ハリセンボンは、フンの量が多く水質がすぐに悪化してしまうので、少し手間のかかる魚です。お世話の手間がかかるという点では、飼育しやすい魚とはいえないかもしれません。
ただ、人の顔を覚え、近寄ってくるという人懐っこい一面からファンが多い観賞魚でもあります。 初めての魚としてはハードルが高いかもしれませんが、きれいな水を意識すれば、長く飼育を楽しむことができますよ。