ヘラチョウザメ(パドルフィッシュ)の飼育方法:適した水槽や飼い方のポイント
ヘラチョウザメは長い鼻(吻)が特徴的で、飼育下では成長しても100cm前後と観賞魚として飼育が可能な魚です。
名前にサメとついていますが実はサメではなく淡水魚で、3億年前から姿形を変えずに現代まで生きてきた古代魚としても人気です。海外ではパドルフィッシュと呼ばれていて、卵はキャビアの代用品としても有名ですよ。
今回はヘラチョウザメの飼育方法や生態、飼い方のコツなどについてご紹介していきます。
目次
ヘラチョウザメとはどんな魚?
ヘラチョウザメはチョウザメ目ヘラチョウザメ科ヘラチョウザメ属に属し、硬骨魚に分類される古代魚です。
生息地は、北アメリカ大陸のミシシッピ川生息しています。寿命は20年と長生きしますので、最後まで飼育できるか考慮して飼育を始める必要があります。
成長すると自然界では2メートル程になり、飼育下では1メートルほどでとどまることが多いようです。
餌も動物性プランクトンを食べ、魚などは捕食しません。水槽が狭いと長い鼻が傷ついたり変形したりしますので、水槽の内側にカバーをつけるなど保護する対策が必要になります。
ヘラチョウザメの飼い方は難しい?飼育のポイントは?
ヘラチョウザメの飼育は、水温調整に気をつければとくに難しくはありません。しかし、飼育に広いスペースを必要とする魚ですので費用面でのハードルは高いです。
また身体の形状から傷つきやすいので保護するシートなどがあると良いでしょう。混泳はサイズが大きな魚とは可能で、飼育している人の中には池の中でコイと一緒に飼育している人もいます。
ヘラチョウザメを購入するときの選び方は?価格は?
ヘラチョウザメはペットショップやネット販売では数万円で売られています。小さいものは抵抗力が弱いので導入時に衰弱してしまうことがあります。身体が一回り大きい個体を選ぶとよいですよ。また、人工飼料に慣れた個体を選ぶと後の飼育が楽です。
ヘラチョウザメに適した水槽は?
ヘラチョウザメは1メートルを超える大きさに成長するので最低でも120cmの水槽が必要になります。混泳を考えている場合にはさらに大きい水槽を選ぶ必要があります。
また、身体が大きくなってくると水も汚れやすいので上部フィルターなど大きなろ過装置を設置しましょう。
き水槽以外に準備するアイテムは?
ヘラチョウザメを飼育する上で必要なものは以下のアイテムです。
- カルキ抜き
- ろ過作用の高いフィルター
- 沈下性の餌、赤虫等
- フタ
- 温度計
- 隠れ家
ヘラチョウザメは底性の魚ですので、砂利を敷いてしまうとおなかを擦って傷がついてしまう原因になりますので必要ありません。
夏場の高温には弱いので、クーラー等を設置して温度管理をします。30℃以上の水温には耐えらないので、水温が上がらないように風通しの良い部屋または日陰の池での飼育が良いです。
水槽の立ち上げ方
- 水槽を購入してきたら一度洗って、天日干しして完全に乾かします。
- カルキ抜きを入れて少し置きます。
- 水温は20℃〜25℃にセットします。
- 水を入れたらフィルターを起動させて水を循環させて酸素を流し、バクテリアを発生させてフィルターに定着させます。
- 水が完成するまでの2日ほど放置します。最低でも一晩はおきましょう。
水が白く濁る場合にはまだ水が安定していないことが考えられます。水質は弱酸性〜弱アルカリ性の間で設定すると良いです。
水合わせの手順
水槽のセットが完了したら購入してきたヘラチョウザメを室温に慣れさせてから、袋ごと水槽に1時間ほど浮かべて水槽の水と袋の中水温を一緒にしてください。
水温が同じになったら袋の水を3分の1を捨てて水槽の水を足し40分程放置します。2、3回同じように繰り返しますし、水質が同じになったらヘラチョウザメのみを水槽に移します。袋の水は捨てます。
ヘラチョウザメを水槽に入れるときは体に傷がつきやすいので、静かに丁寧に水合わせを行いましょう。
1日の餌の量や水槽の水換え時期と方法は?
1日の餌の量、回数は?
1日2回2~3分で食べきれる量の餌を与えます。目がよくないので、沈下性の餌を最初は口元に持っていき給餌するとよいですよ。
水換えの時期は?
1週間に1回水槽の3分の1新しい水に交換します。すべて交換してしまうとヘラチョウザメがびっくりしてしまうので、前の水も少し残します。新しい水は水質、水温とも水槽の水と同じにしてから換えましょう。ヘラチョウザメは力も強く、跳ねて落下することがあるので網ですくう際には二重にするなどして注意してくださいね。
ヘラチョウザメはどんな病気にかかる?飼育する上での注意点
ヘラチョウザメの身体が赤くただれている場合には細菌性の皮膚炎にかかっている場合があります。水換えをして薬浴をし手当てします。2週間ほど続けましょう。
またでっぱった鼻部分は変形したりと病気になりやすい部位です。水槽で傷ついたりしないように成長に合わせて水槽を大きいものにするなど普段からヘラチョウザメを観察するようにしましょう。
水温の上がり下がりが激しいと白点病を発症する可能性がありますので、手当て薬は準備しておきましょう。
餌を食べない原因と対処法
人工飼料に慣れていないために食べない場合があります。赤虫など生に近い餌を混ぜながら、徐々に人工飼料に慣れさせて行きましょう。目があまり良くないので、沈下性の餌をなるべくヘラチョウザメの近くに落としてあげるとよいですよ。また餌と認識していない場合もありますので、複数回に分けてあたえて様子をみましょう。
水質と水温が適正でない場合があります。もし悪化しているようなら水換えをしてきれいな水質を保つようにします。水温を適正温度に戻す場合はゆっくりと変更していきます。
ヘラチョウザメを飼育する魅力とは?
ヘラチョウザメは独特の形と立派に成長するところが面白みがある魚です。大きく成長するので飼育には準備が必要な魚でもありますが、成長していく様子は、見ていて飽きることがありません。
この記事を読んで、ヘラチョウザメに興味を持って頂けたら幸いです。