クラウンキリーの飼育方法:混泳の注意点は?寿命はどのくらい?
シュードエピプラティス・アニュレイタスという魚をご存じでしょうか。通称クラウン・キリーと呼ばれるこの魚は、主にアフリカに生息する卵生メダカです。黄色の体色に黒白の縦じま、尾ビレには青や赤のカラフル模様が非常に美しく、小型魚の中でも特に人気です。その美しさから水槽をひときわきれいに飾ってくれますよ。
今回は、クラウンキリーの飼育方法や水槽の立ち上げ方など説明していきます。余談ですが、クラウンのつづりは王冠ではなく道化師のclownなんですよ。
目次
クラウンキリーとは?寿命は?
画像提供元:熱帯魚センターB.B
クラウンキリーはカダヤシ目、ノソブランキウス科、プセウドエピプラティス属に属する魚です。ギニア、リベリアなど西アジア、シエラレオーネ周辺に広く分布しています。寿命は2年から3年で、個体差はありますが体長は3cmから4cm程度と小型です。
体色は黄色で黒白の縦じまがあり、オスの尾ビレには青や赤のカラフルな模様があるのが特徴です。
クラウンキリーの飼育は簡単?
クラウンキリーは、餌に対して警戒心も薄いため人工飼料もよく食べてくれますが、水温や水質の管理が必要なため、初心者の方には少し飼育が難しい魚かもしれません。20℃程度の低温には耐えられますが、逆に高温には弱いです。また、急な水質の変化も苦手なため、水槽立ち上げや水質悪化には注意が必要です。
クラウンキリーと混泳はできる?
クラウンキリーは非常におとなしい性格をしているためグッピーなどの攻撃性がない魚との混泳は容易です。
クラウンキリーの選び方や購入するときのポイント
購入前にしっかりと病気にかかっていないか確認しましょう。クラウンキリーは小型魚なので体力が少なく一度弱ってしまうと、回復するのは難しいです。
また、クラウンキリーは輸入された個体が店に並ぶことが多いので、入荷したばかりのクラウンキリーは環境変化のストレスなどで弱っていることが多いです。入荷してから一週間以上たったクラウンキリーの購入をおすすめします。
名前:クラウン・キリー(5匹)
クラウンキリーに適した水槽は?
クラウンキリーは小型魚のため水槽の大きさは飼育する数で決まります。数匹程度なら60cm水槽でも十分ですが、何百匹と飼育したいのなら100cm以上の大型水槽が必要になります。まずは、水槽を設置する場所と水槽にかけることのできる予算から水槽の大きさを決め、その後で水槽に合った数のクラウンキリーを飼育することをおすすめします。
ただ、クラウンキリーは非常に美しい魚のため、数匹程度を小型水槽で飼育しても十分に楽しむことができますよ。
クラウンキリーの飼育に必要なアイテムは?
- クーラー
- ヒーターなどの温度調節器具
- ろ過装置
- エアーポンプ
- 餌
- 水草
- 砂
- 流木
特に水草はクラウンキリーの体色とマッチしていてとても美しいですよ。クラウンキリーは低温には耐性がありますが高温には比較的弱い魚です。真夏は必ずクーラーを設置し温度を23℃前後に保つよう心がけましょう。ろ過装置は設置してからバクテリアの発生まで時間がかかるため、設置1カ月程度は餌の食べ残しなどで水質悪化しないように注意しましょう。
水槽の立ち上げから実際に飼育するまでの手順
- 水槽や砂、設置する流木などを水で丁寧に洗います。このとき洗剤は使わず水だけで洗うようにしましょう。
- 洗い終わったら水槽の中へ流木や砂、大きめの石などを置き、温度調節器具、ろ過装置を設置します。
- 水槽の準備ができたら水槽の中へカルキ抜きをした水を入れます。このとき、砂を巻き上げないようにゆっくり入れてください。
- 最後に水草などアクセサリーの設置、調節を行い、ろ過装置や温度調節器具を起動させて完成です。
クラウンキリーは環境の急激な変化に弱くしっかり水槽内の準備ができていないとすぐに弱ってしまいます。水槽内の環境を安定させるためにも、1カ月前から準備することをおすすめします。
クラウンキリーに適した水温・水質は?
適温は22℃から25℃とあまり広くありません。クラウンキリーは水温に敏感で適温環境外ではすぐに弱ってしまいます。水温を常に23℃前後になるように水温を調節しましょう。
また、pH6.5からpH7.0の弱酸性の水質を好む魚です。水道水は中性ですがバクテリアなどの影響でだんだんと弱酸性に変化していきます。そのため、一気に水槽内の水を交換するなど急激に環境を変化させなければ安定した水質を保つことができます。
1日の餌の量や水槽の水換え時期は?
餌は1日1回2~3分程度で食べきれる量を与えましょう。1回に与える量が多すぎると食べ残しが増え、水質悪化の原因となってしまいますので、様子を見ながら食べきれる量を与えるようにしましょう。また、食べすぎる状態が続くと体色が曖昧になったり、肥満体型になったりしてしまいます。餌は少し少ないかなと思う量を与えるように意識します。餌は人工飼料もよく食べてくれます。手に入りやすいもので良いのでなるべく小さな粒状のものを選びましょう。
また、クラウンキリーは水質の変化に弱いので週に1回 3分の1程度の水換えをするようにしましょう。
クラウンキリーを飼育する上で気をつけるポイントは?
クラウンキリーは水温や水質の悪化に敏感なため、水換えや温度調節をしっかり行うようにしましょう。同種同士の飼育では縄張り争いをするため水草などの隠れ家が必須になります。
水草はクラウンキリーの体色にも映え、隠れ家やアクセサリーにもなるので設置するのをおすすめします。
餌を食べない原因は?
クラウンキリーはおとなしい性格をしており、飼い始めの頃は環境の変化に戸惑うかもしれません。その場合は水槽内の環境になれてもらうことを優先しましょう。飼い始めの数日間はあまり水槽に近づかず水槽内の環境に集中させましょう。ある程度時間をおき環境になれたら少しずつ人工飼料を与えてみましょう。なれてくればパクパクと餌を食べてくれるようになります。
クラウンキリーは餌をあげすぎると美しい体色が曖昧になったり、肥満体型になったりしてしまい健康に悪いだけでなく本来の美しさを十分に楽しめることができません。常に少し少ないかなと思うくらいの量を心がけるようにしましょう。
クラウンキリーを飼育する魅力は?
クラウンキリーは水温や水質など少し気を付けなければならない部分がありますが、その体色の美しさは小型魚の中でもトップクラスです。また、小型水槽での飼育でも十分に楽しむことができ、どんなスペースでも飼育できる点も魅力ですよ。この記事を読んでクラウンキリーに興味をもっていただけたら幸いです。