ミノカサゴの飼育方法:適した水槽は?餌は何を食べる?
胸ビレと背ビレが発達しており、広げて泳ぐ姿は大変美しいミノカサゴですが、煮付けや唐揚げといった食用に用いられていることで有名な魚です。美しい見た目に反して強力な毒を持っており、好戦的な性格のためダイビング中の人に襲い掛かったという事例もあり、取り扱いには注意が必要な海水魚になります。
今回は、そんなミノカサゴの飼育方法や適した水槽の大きさや立ち上げかた、餌などについてご紹介していきます。
目次
ミノカサゴはどんな魚?寿命はどのくらい?
ミノカサゴはカサゴ目フカサゴ科に属する海水魚です。北海道(ほっかいどう)以南の沿岸部に生息しています。美しい赤白でトライプ柄の体表で見た目にもインパクトのある魚ですが、主に背ビレに毒があり、腹ビレには鋭い剣があり、刺されると患部が晴れ上がり、激しい痛みを伴う他、人によってはめまいや吐き気などの症状に襲われます。そのため、取り扱いには十分注意が必要です。
寿命は5年ほどですが、神経質な魚のため飼育下では2~3年と短命になる傾向があります。成長すると最大で40cm前後になります。
ミノカサゴの飼育は初心者には難しい?
ミノカサゴは、水質さえしっかりと管理すれば飼育自体は難しくはありませんが、水換えなどの際は刺されないように十分注意が必要です。ひれさえ気を付けていれば大変丈夫な魚ですので、水温の変化にも幅広く対応できます。
ミノカサゴとの混泳はできる?
ミノカサゴは、混泳可能な魚ですので複数飼育して鮮やかな水槽を楽しむことができますが、泳ぎが早い魚との混泳は追突して、けがをすることかわあるので避けましょう。同種同士かまたはハリセンボンのような緩やかにおよぐ魚との混泳がベストです。
ミノカサゴはどこで販売されてるの?購入するときの選び方は?
夜行性のため日中は岩陰やサンゴ礁に潜んでおりめったに市場に出回ることがなく、扱っているペットショップも少ないです。2000円前後ぐらいで販売されていることもありますが、沿岸部に釣りに出掛けて入手することが推奨されます。
名前:ミノカサゴ
税込価格:2,280円
ミノカサゴに適した水槽の大きさは?
ミノカサゴ自体はそこまで大きくなりませんが、ストレスなく泳げる環境を考慮すると、最低でも90cm以上の水槽が望ましいです。海水を維持するためには容量が大きいろ過装置が必要になりますので、底面フィルターや上部フィルターを併用して使用すると良いでしょう。
また、水槽内にあまりにも出っ張った作りのろ過装置は、遊泳中のミノカサゴのひれに引っかかってしまい、ひれを欠損してしまう原因になりますので、なるべくシンプルなデザインのろ過装置を設置しましょう。
飼育に必要なアイテムは?
水槽以外には下記のような機材を用意しましょう。
水槽設置に必要な機材
- 人工海水の元
- 照明
- ろ過装置
- ヒーター、クーラー・冷却ファン
- 水質調整剤・カルキ抜き
- エアレーション
- 比重計
その他の道具
- 熱帯魚用大型の網
- ピンセット、バケツ
- 掃除グッズ
- 餌
底砂はサンゴ砂など海水魚にあった砂を使用して、底砂を定期的に洗えるように砂利用ホースなどがあると便利です。
水槽の立ち上げ方は?
- 水道水にカルキ抜きを入れ、次に人工海水の元を入れて海水を作ります。
- 砂利を洗って水気を切ります。
- 砂利を敷いて、水を泡立たないように静かに入れていきます。
- 水を入れてろ過装置起動、ヒーターを循環させ4週間〜2ヶ月置きます。
- 酸素が水槽内を循環することにより、バクテリアが発生しフィルターに定着するので水質が安定し水が汚れにくくなります。
- 水槽の立ち上げを完了してからミノカサカゴを入手して水合わせをしましょう。
水合わせの手順は?水温や水質は?
ミノカサゴに適した水温は23℃〜28℃前後に設定します。ミノカサゴのヒレは特殊なため傷つきやすく、導入時や水換えなどの場合は、ストレスをかけずに手早く水槽に移すことが大事です。
- 水槽のセットが完了したら、入手してきたミノカサゴを室温に慣れさせてから、袋ごと1時間水槽に浮かべて袋と水槽の水温をあわせます。
- 袋の水を3分の1捨て、水槽の水を少量入れて40分程おきます。
- これを2〜3回繰り返して水質をあわせます。その後ミノカサゴのみ水槽に移し、袋の水は捨てます。
ミノカサゴを環境にならすため、暗めの静かな部屋でトリートメントした後、水合わせをして水槽に移してください。
ミノカサゴの餌は?与える頻度は?
ミノカサゴの餌は主に、飼育下では魚の切り身、小魚冷凍クリルを与えます。餌付けは根気よく行い慣れてくれば積極的に寄ってきて食べます。1日2回の食べきれる量を与えましょう。
水換えの時期は?
10日に1回を目安に下記の手順を参考に汚れた水を交換します。
- バケツで新しい海水を作ります
- 水槽の水を排水します
- 新しい海水を少しずつ追加します
水槽を清潔に保つために水槽内の砂利などは、1ヶ月に2回は掃除します。
ミノカサゴを飼育するコツは?
夜行性のため日中は隠れ家に潜んで体を休めますので、サンゴ岩やライブロックを設置してミノカサゴが休める場所を作ってあげると落ち着きます。落下事故が起きるとヒレが傷つきショック死する可能性が非常に高いのでフタをしっかりして飼育しましょう。
ミノカサゴの餌を食べない場合はどうする?
野生の個体は餌に食いつくまでに時間がかかりますので、根気よく餌付けをする必要があります。最初は小魚など生き餌から始め徐々に人工飼料の容量を増やしていきます。水を汚しやすいので残した餌は手早く片付けましょう。
水質が悪化すると白点病になり、動きが鈍くなって食欲不振になります。病気になっていないか身体をチェックして必要があれば手当てをして体力を回復させて餌を与えましょう。その際には弱った個体は隔離して他の魚から攻撃されないように配慮します。
ミノカサゴの魅力とは?
ミノカサゴは複数で飼育すると花が咲いたような鮮やかな水槽になり、観賞魚としても大変人気な魚です。毒にさえ注意していただければ飼いやすく、病気にもなりにくいので海水魚飼育の主役として導入してみてはいかがでしょうか?